
韓国でSTO法制化が本会議目前に 電子証券法・資本市場法改正案が法司委通過
分散台帳によるトークン証券、国会本会議を残す段階へ
韓国でトークン証券(STO)の制度化に向けた法整備が大きく前進しています。電子証券法と資本市場法の改正案は2025年11月27日に国会政務委員会を通過し、12月3日には法制司法委員会でも修正可決されました。12月4日時点では本会議での採決を残す段階となっています。
韓国政府は2023年2月から、分散台帳技術を利用して証券を発行・流通できる制度の整備を進めてきました。今回の法改正は、その方針を既存の資本市場制度へ組み込むためのもので、トークン証券を法的な証券発行形態として扱う仕組みと、投資契約証券などを流通させる市場の整備が柱となっています。
電子証券法で分散台帳を導入、資本市場法では流通制度を整備
電子証券法の改正案では、分散台帳の概念を法律上定め、一定の要件を満たした分散台帳を電子登録口座簿として利用できるようにします。自己資本や人員、設備、利益相反防止体制などの要件を満たした発行者が「発行者口座管理機関」として登録すれば、自らトークン証券の電子登録・管理業務を行える仕組みも盛り込まれています。
資本市場法の改正案では、投資契約証券などについて多数の投資家による場外取引を可能にする法的基盤を整えます。これまで発行を中心に規定されていた投資契約証券について流通規制を適用し、新たな場外取引仲介業を通じて取引できる仕組みを設ける内容です。不動産や美術品、音源など、従来の株式や債券とは異なる権利を証券化する市場の制度整備にもつながります。
流通市場では3陣営が参入を申請
法改正と並行して、トークン化された資産を実際に取引する流通インフラの準備も進んでいます。韓国金融委員会は彫刻投資証券の場外取引所について予備認可を受け付け、2025年10月末までにKDX、LucentBlock、NXTコンソーシアムの3陣営が申請しました。
KDXにはKiwoom SecuritiesやKyobo Life Insurance、Kakao Pay Securitiesなどが参加し、NXTコンソーシアムにはNextradeを中心にShinhan SecuritiesやMusicow、Hana Securitiesなどが名を連ねています。金融委員会は金融監督院や外部評価委員会による審査を経て、最大2社の予備認可を年内に決定することを目標としていました。
この場外取引所の認可と国会で進むSTO法制化は別々の制度ですが、発行と流通の双方でインフラ整備が進んでいる点は共通しています。法律上の発行基盤だけを整えても流通市場が機能しなければ取引機会は限られるため、制度と取引インフラを並行して整備する動きが韓国で進んでいます。
制度化後は発行対象と市場流動性が焦点
トークン証券が法制度に組み込まれることで、不動産や美術品などの彫刻投資に加え、企業が保有する多様な資産や権利を証券化する選択肢が広がる可能性があります。分散台帳を利用して発行・管理することで、既存の電子証券とは異なる形で小口化や権利管理を行える点も制度導入の狙いとされています。
一方、法制化によって市場規模が直ちに拡大するとは限りません。発行する資産の価値評価や情報開示、投資家保護、流通市場の流動性など、実際の市場形成には複数の課題が残ります。2023年に政府が制度整備方針を示してから約3年を経て法案が本会議目前まで進んだことで、韓国のSTO政策は制度構想から実装準備へ移りつつあります。法案成立後にどのような資産がトークン証券として市場に入り、流通基盤がどこまで利用を広げられるかが次の焦点となります。
公式発表:韓国・国民参加立法センター

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