インタビュー/WEB3【独占インタビュー①】SUIブロックチェーン“最推し”ゲーム「XOCIETY」開発から投資の裏側まで徹底公開!FPSファン、ブロックチェーンゲーム初心者必読!
「XOCIETY(ソサエティ)は、Web3シューティングゲームにおける“キラーアプリ”に成長すると確信しています。ゲームやコンテンツ、IPに真剣な日本のユーザーの皆さんが、このゲームを通じてさまざまな楽しさを味わってほしい。そして、ブロックチェーンゲームを開発している方々にも、私の経験が少しでも参考になれば嬉しいです。」 そう語るのは、Suiネットワーク内で“看板ゲーム”と呼ばれるXOCIETYを手掛ける開発会社NDUS(エンダス)の代表、Jeffry Kim氏だ。韓国最大のブロックチェーンイベント「KBW2025(Korea Blockchain Week 2025)」の会場で、制作過程から投資経緯、日本ユーザーへの想い、そしてゲームの未来像まで——すべてを語ってくれた。 XOCIETYとは? XOCIETYはSuiネットワークを基盤としたポップシューティングゲーム。 サイエンスファンタジー的な世界観の中で、人類が長い冬眠から目覚めた後、荒廃した地球で文明を再建し、敵対勢力やモンスターと戦いながら資源を獲得し、脱出してランド(土地)を確保するチーム対戦型タイトルだ。 高品質なグラフィックや多彩なゲームシステムを楽しむことができ、アイテムやランキングマッチに参加するためのチケットなど、ゲーム内の要素にブロックチェーン技術が導入されている。 ゲームならではの特徴は? 「誰が最後に勝つのか、エンディングまで本当にわからない」 そうKim氏は笑う。資源を集めて脱出を目前にした瞬間、潜んでいた敵に倒されて全て奪われてしまうこともある。資源を死守する理由はシンプルだ。脱出に成功すれば、その資源は実際にプレイヤーの資産となるからだ。チームワークや戦略が重要となり、最後まで気の抜けない展開が続く。 また、ゲームシステムは「エクストラクションシューター」と「ログライト」を組み合わせたような独自性を持ち、レベルアップやランダムで付与されるスキル、サブアイテムの使い方次第で勝率は上がる。ただし、戦略次第で格上の相手を逆転できるため、既存ユーザーも新規ユーザーも楽しめる構造になっている。 さらに、マッチメイキングやランクマッチも丁寧に設計されている。ブロックチェーンゲームならではの仕組みとして、ランク戦に参加するには「チケット」が必要で、その購入額がそのまま賞金プールになる。つまり、プレイに対するリワードが非常に明確で、参加者にとって魅力的な動機付けとなっている。チケットの種類も複数あり、賞金規模も多様に設定されている。 高いグラフィック評価の理由 「実は、XOCIETYはメタバースプロジェクトからスタートしたんです(笑)」 スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』でも描かれているように、メタバースは“もう一人の自分”を投影し、精神的な満足を得られる空間でなければならない。XOCIETYはその発想を出発点にしているため、デザインやクオリティの面で高く評価されているのだ。 開発を決意した理由 「私は根っからの“ゲームオタク”でした。NEXONを含むゲーム会社で20年以上働きましたが、ある時ふと、ゲーム内で購入したアイテムの所有権について疑問を持ったのです。サーバーが閉じても何も残らないのか? 自分の時間やお金を証明・保護する方法はないのか? そう考えたとき、透明性と分散性を備えたブロックチェーン技術を活かしたゲームを作りたいと思うようになりました。」 ブロックチェーンゲームとは一言でいえば、ゲームに費やした時間や資源を“ゲーム外の世界”でも証明し、還元できる仕組みだという。 制作で重視した3つのポイント ・ゲームクオリティ 一般的にブロックチェーンゲームは“質が低い”というイメージが根強い。いわゆる「Play to Earn(P2E)」型は一時的な投機性で盛り上がるが、すぐにユーザーが離れてしまうケースも多かった。XOCIETYはその懸念を払拭するため、見た目から面白そうだと思えるクオリティを徹底的に追求した。 ・参入ハードルを下げること ブロックチェーンゲームは始める前にウォレット作成などでつまずきやすい。XOCIETYではEpic Games Storeのアカウントさえあればすぐにプレイ可能。ウォレットはバックグラウンドで生成され、資産を出金する際に作成すればよい。初心者にとって参入障壁を極力下げたのだ。 ・ゲームとブロックチェーンのシナジー ブロックチェーンゲームといっても“まったく新しい遊び方”を作る必要はない。既存の面白さを持つゲームに、ユーザーが費やした時間をゲーム外でも証明できる仕組みを組み込むことこそ本質だと考えている。 開発で直面した課題 「開発初期、ブロックチェーンゲームに詳しい人がほとんどいませんでした。そんな時、Hashedから投資提案を受け、Web3に関して多くの助言をもらえたのは大きかったですね。」 また、ゲームの経済設計にも時間をかけたという。 「多くのブロックチェーンゲームがインフレ前提で動き、最後に残ったユーザーが不利益を被るケースがありました。Xocietyではディフレ的な前提を置き、損失を最小化する仕組みを検討しました。ランク戦での“チケット購入=賞金プール”という仕組みもその一環です。」 【後編】第2弾独占インタビュー記事はこちら