
2026年7月実施予定、監督体制強化の動き
金融庁は、暗号資産(仮想通貨)を担当する部署を、2026年7月から「課(課級組織)」へ格上げする方針を固めた。昨年8月に組織・定員に関する要求を提出してから、約4カ月での決定となる。
金融庁はこれまで、「暗号資産・ブロックチェーン・イノベーション参事官室」を新設し、関連事業者の監督を担ってきた。今回の組織改編では、同分野を専管する課を新設し、監督体制を一段と強化する。
この動きは、デジタル資産が金融商品取引法の枠組みのもと、証券規制の対象に位置付けられることが確定した流れを受けたものとみられる。投資商品として暗号資産の活用が拡大する中、制度面・監督面の整備を進める狙いがある。あわせて、金融機関を所管してきた監督局についても、業態別に「資産運用・保険監督局」と「銀行・証券監督局」の2局体制へ再編される。暗号資産担当の課は、総合政策局とともに資産運用・保険監督局の配下に置かれる予定だ。各省庁の組織・定員は、来年度予算案の閣議決定にあわせて最終確定される見通しだが、金融庁全体の局数は、企画市場局を含めて従来どおり3局体制が維持される。
今回の組織再編について、現地では、暗号資産の発行者や交換業者に対する監督を強化し、投資家保護を図ると同時に、ブロックチェーンなど基盤技術の発展を後押しする環境整備を目的としたものと受け止められている。
また、庁内には新たに国長級ポストに相当する「次長職」も設けられる。総務・人事、国会対応などを統括する役割で、一般的な省庁における官房長に相当する。金融庁発足(2000年)以降、官房長級ポストが新設されるのは初めてとなる。職員数の増加を背景に、内部管理体制の強化を図る狙いとみられる。こうした動きとあわせて、金融庁は2026年度税制改正に関する資料も公表した。暗号資産取引に関する課税について、これまで議論が続いてきた「総合課税(雑所得)」から「金融所得としての申告分離課税」への見直しが、改めて論点として提示された。
資料では、海外の制度動向を踏まえ、日本においても暗号資産の現物を対象とした上場投資信託(ETF)が組成・上場可能となるよう、制度環境の検討が必要であるとの認識も示されている。
税制面では、暗号資産取引の課税方式の再検討に加え、NISA(少額投資非課税制度)に関する見直しも盛り込まれた。具体的には、つみたて投資枠の年齢制限撤廃、対象商品の拡充、生命保険料控除制度の拡充措置の詳細化などが挙げられている。とりわけNISAについては、いわゆる「こどもNISA」の導入により、0歳からの積立投資を可能とし、12歳以降は子どもの同意を前提に、保護者による払出しも認める制度設計が検討されている。
一方、韓国でも関連する動きがみられる。韓国では今月11日、国税庁が脱税対応を目的として「デジタル資産総括課」を新設した。
11月に公表された政府業務報告資料によると、韓国国税庁は「仮想資産市場の変化に迅速かつ体系的に対応し、部局ごとに分散している業務を調整するための総括部署(デジタル資産総括課)の新設を推進する」としている。同課では、暗号資産情報の体系的管理に向けた統合分析システムの構築、海外情報収集を強化するための暗号資産自動情報交換制度(CARF)導入に向けた準備、関連予算および人員の確保、交換システムの整備などが進められる予定とされている。

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