
2026年度1Qの正式ローンチを目指す
SBIホールディングスとStartale Groupは2026年2月27日、共同開発を進める日本円建てステーブルコインのブランド名称を「JPYSC」とすると発表し、ロゴを公開しました。新生信託銀行が信託型の3号電子決済手段として発行し、関連する規制・制度への対応体制の整備を前提に、2026年度第1四半期の正式ローンチを目指します。
プロジェクトにはSBI VCトレードが主要な販売パートナーとして参加し、Startaleがコアパートナーとして開発を主導します。既存の金融システムとブロックチェーンネットワークを接続し、円建て資金をオンチェーンで利用できる決済基盤の構築を進める計画です。
両社は2025年12月16日に、日本の金融規制に準拠した円建てステーブルコインの共同開発・提供に向けた基本合意を発表していました。今回、名称や運営体制、ローンチ時期が具体化したことで、プロジェクトは提供に向けた準備段階へ進みます。
信託型を採用、大口決済や資金管理を想定
JPYSCが採用する3号電子決済手段は、資金決済法上の「特定信託受益権」にあたります。金融庁の制度整理では、信託会社や信託銀行が発行主体となり、発行見合いの資産を信託財産として管理する仕組みが定められています。法定通貨との価値連動や額面での償還を支えるため、資産管理にも一定の規制が設けられています。
SBIとStartaleは2025年12月の基本合意時から、JPYSCを信託型の3号電子決済手段として設計し、国内の送金や残高に100万円の上限を設けない構想を示していました。2月27日の発表では、実務決済や資金管理、クロスボーダー決済に加え、機関投資家による大規模取引やトークン化資産の決済への活用も想定しています。両社によると、主要金融機関や大手企業からも関心が寄せられているといいます。
こうした用途を見ると、JPYSCは日常的な少額決済に用途を限定せず、企業間の資金移動やオンチェーン金融市場で円を利用するための決済手段まで視野に入れた設計となっています。正式提供に向けては、発行・流通の制度対応とともに、実際の金融サービスへどのように組み込むかが重要になります。
SBIとStartale、オンチェーン金融基盤を並行開発
両社はJPYSCに先立つ2026年2月5日、金融資産のオンチェーン取引に特化したレイヤー1ブロックチェーン「Strium」の開発も発表しています。Striumはトークン化株式やRWA連動型金融商品などを対象に、24時間365日稼働する現物・デリバティブ市場で取引と決済を行うための基盤として開発されており、概念実証では既存金融インフラや他のブロックチェーンとの相互運用性も検証されています。
JPYSCの発表と合わせると、SBIとStartaleはオンチェーン上で金融資産を取引する基盤と、その取引を円建てで決済するための仕組みを並行して整備していることになります。トークン化資産の取引では、資産をブロックチェーン上で移転する仕組みに加えて、対価となる法定通貨建て資金を同じデジタル環境で扱える決済手段も必要となるため、円建てステーブルコインが担う役割は大きくなります。
JPYSCのブランド公開によって、2025年12月に示された円建てステーブルコイン構想は、発行体や販売体制、提供時期を伴う具体的なプロジェクトへ進みました。2026年度第1四半期のローンチに向け、制度対応を進めながら、企業決済やトークン化資産など想定する用途を実際の金融サービスへどこまで接続できるかが次の段階となります。
公式発表:SBI ホールディングス

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