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バイナンス、金・銀を対象とするUSDT決済無期限先物を開始 ― 暗号資産と伝統資産をつなぐ取引商品を拡充

センチメンタルな岩狸

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サムネ


金・銀価格へのアクセスを広げる新たな先物取引の開始

世界最大級の暗号資産取引所バイナンスは、金および銀を対象としたUSDT決済の無期限先物取引の提供を開始したと発表しました。暗号資産以外の伝統的な資産価格に、ステーブルコインを通じてアクセスできる新たな取引手段として注目されています。

今回新たに提供されるのは、金を対象とした「XAUUSDT」と、銀を対象とした「XAGUSDT」の無期限先物契約です。いずれも有効期限を設けないパーペチュアル型の商品で、24時間365日取引が可能とされています。取引の証拠金および決済には米ドル連動型ステーブルコインであるUSDTが使用され、実物の金や銀を保有する必要はありません。


暗号資産取引所によるコモディティ市場への領域拡大

バイナンスはこれまで暗号資産を中心としたデリバティブ商品を拡充してきましたが、今回の取り組みは、貴金属といった伝統的なコモディティ市場へ対象を広げるものとなります。金や銀はインフレヘッジやリスク回避資産として位置づけられることが多く、暗号資産市場の変動が大きい局面においても一定の需要が見込まれています。

また、ステーブルコイン建てで取引できる点は、暗号資産トレーダーにとって既存の取引体験と親和性が高く、従来のコモディティ先物市場に参入する際の障壁を下げる効果があるとみられます。一方で、価格はあくまで参照指標に基づくものであり、実物資産の受け渡しが行われない点には注意が必要です。


利便性評価と規制面への懸念

市場では、金や銀といった比較的価格変動の穏やかな資産をUSDT建てで取引できる点をポジティブに評価する声が暗号資産トレーダーの間で広がっています。インフレヘッジやリスク分散の手段として知られる貴金属を、既存の暗号資産取引環境の延長線上で扱えることは、取引戦略の多様化につながるとの見方もあります。

一方で、暗号資産取引所がコモディティ価格を扱うことへの違和感や、各国規制との整合性に対する不透明さを指摘する意見も見られます。また、あくまで参照価格に基づくデリバティブ商品であるため、実物市場との直接的な連動性には限界があるとの冷静な見方もあり、市場全体としては期待と慎重論が混在する反応となっています。


伝統金融と暗号資産の境界が曖昧になる市場環境

この動きは、暗号資産と伝統金融の境界が徐々に曖昧になりつつある現状を象徴するものとも言えます。暗号資産取引所が株式や商品といった既存金融資産の価格を取り込む流れが進む中、今後は取扱資産のさらなる拡大や、規制との関係性が市場の焦点となりそうです。

なお、無期限先物(パーペチュアル型)では、満期日に基づく決済が発生しない代わりに、価格が現物市場と乖離しないよう「ファンディングレート」と呼ばれる仕組みによって定期的な調整が行われます。暗号資産市場では主流の取引形式となっており、バイナンスはこの仕組みを金や銀といった伝統資産にも適用する形となります。

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