
日銀、当座預金のトークン化構想を検討開始
日本銀行が、中央銀行当座預金の一部をブロックチェーン上でデジタル化する「トークン化構想」の検討に入ったと報じられています。報道によりますと、民間金融機関と連携した実証実験を通じて、技術的課題や制度面の整理を進める方針です。
1円=1トークンで実現する24時間即時決済
今回の構想は、銀行が日銀に預けている当座預金を「1円=1トークン」としてブロックチェーン上で扱えるようにするものです。現在、銀行間の資金移動は「日銀ネット」を通じて行われていますが、稼働時間は平日日中に限られています。そのため、土日や夜間の大口決済には制約があります。トークン化が実現すれば、条件を満たした取引を自動で実行する仕組みを活用し、24時間365日の即時決済が可能になると期待されています。手数料削減や事務負担の軽減にもつながる可能性があります。
デジタル円とは異なる「ホールセール型」
この取り組みは、これまで日銀が研究してきた中央銀行デジタル通貨(CBDC)の延長線上にありますが、個人向けの「デジタル円」とは異なります。想定しているのは金融機関間や大口企業取引を対象とした「ホールセール型」であり、一般消費者が直接利用するものではありません。デジタル円は個人がスマートフォンなどで利用する決済手段を念頭に置くのに対し、今回の構想は決済インフラそのものの高度化を目指すものです。
また、国際決済銀行(BIS)などが主導する国際実証プロジェクトへの参加も視野に、国境をまたぐ大口送金の迅速化やコスト削減への波及効果も期待されています。一方で、法制度の整備、サイバーセキュリティ対策、大量資金移動が銀行経営に与える影響など、慎重な検討が必要な課題も少なくありません。
分かれる各国の対応と今後の焦点
世界では欧州中央銀行がデジタルユーロの発行を検討する一方、米国は民間ステーブルコインの活用を重視するなど、対応は分かれています。こうした国際動向も踏まえながら、日銀がどのような決済インフラの将来像を描くのか、今後の制度設計の方向性が焦点となりそうです。

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