
韓国政府が暗号資産現物ETFの導入を推進
韓国政府は、2026年内を目標に、ビットコインなどの暗号資産価格に連動する現物ETFの制度整備を進める方針を示しました。国内の投資家が規制された金融商品を通じて暗号資産市場へ参加できる環境を整え、金融市場の選択肢を広げる狙いがあります。
韓国金融委員会は2024年1月、韓国の証券会社が海外で上場するビットコイン現物ETFを仲介する行為について、資本市場法などに抵触する可能性があるとの見解を示していました。一方で、暗号資産利用者保護法の施行や海外市場の制度変更を踏まえ、追加の検討を進める余地も残していました。
今回の導入方針は、これまで慎重な姿勢を取ってきた韓国政府が、現物ETFの制度化に向けて具体的な検討を進める動きといえます。ただし、方針が示された段階で商品の上場が確定したわけではありません。対象となる暗号資産や運用会社の要件、価格の算定方法、資産の保管体制などは今後定められる見通しです。
法人による暗号資産取引も段階的に拡大
現物ETFの制度整備と並行して、韓国では法人による暗号資産取引の制限も段階的に見直されています。韓国金融委員会は2025年2月、法人の暗号資産市場参加に関するロードマップを公表し、一定の条件を満たす法人から取引を認める方針を示しました。
韓国では法人名義の暗号資産取引口座の開設が事実上制限されてきましたが、ロードマップでは、非営利法人や大学、暗号資産交換業者などによる売却取引を先行して認めた後、上場企業や専門投資家として登録された法人にも対象を広げる計画です。
そのため、2026年にすべての法人へ一斉に暗号資産投資が解禁されるというより、投資家保護やマネーロンダリング対策を確認しながら、参加対象を段階的に拡大していく形となります。法人が取引できる資産や投資上限、リスク管理基準などの詳細は、今後策定されるガイドラインで示される見込みです。
海外市場の拡大を受け制度整備を加速
韓国が制度見直しを進める背景には、米国をはじめとする海外市場でビットコイン現物ETFが導入され、機関投資家による暗号資産への投資手段が広がっていることがあります。国内の投資家が海外の金融商品や暗号資産取引所へ流出する状況を抑えるためにも、韓国内で利用できる規制された投資商品の整備が課題となっていました。
現物ETFが導入されれば、投資家は暗号資産を直接保有したり、秘密鍵を管理したりすることなく、証券口座を通じて価格変動に投資できるようになります。法人取引の対象が広がれば、個人投資家が中心だった韓国の暗号資産市場に、企業や専門投資家が参加する余地も生まれます。
一方で、法人や機関投資家の参加が市場の活性化へ直結するとは限りません。価格変動への対応や資産保管、会計処理、内部統制などのルールが不十分なまま市場を開放すれば、投資家保護や金融市場の安定性に影響を及ぼす可能性もあります。韓国政府には、市場へのアクセス拡大とリスク管理を両立させる制度設計が求められます。
2026年内の制度化と具体的な運用基準が焦点
今後は、ビットコイン現物ETFの導入に必要な法改正や監督基準が2026年内に整備されるかが焦点となります。ETFの対象資産や運用会社の要件に加え、法人が取引できる暗号資産の範囲、投資上限、内部統制の基準なども重要になります。
韓国では暗号資産取引の中心が個人投資家に偏っており、法人や機関投資家の参加は限定されてきました。現物ETFの導入と法人取引の拡大が実現すれば、市場参加者の構成が変化し、暗号資産を金融商品として取り扱う動きが強まる可能性があります。
ただし、今回示された内容には、制度の導入方針と試験的な運用計画が含まれており、すべての規制緩和が確定したわけではありません。韓国政府が今後どのような条件を設け、市場の健全性を確保しながら投資機会を広げるのかが注目されます。

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