
強要時の資産移動を防ぐ仕組み
暗号資産取引所を運営するBinanceは2026年5月4日、オンチェーン出金を一定期間ブロックするセキュリティ機能「Withdraw Protection」を導入しました。ユーザーは1日から7日までのロック期間を設定でき、初期設定は48時間です。
機能を有効にすると、設定した期間中はBinanceアカウントからのオンチェーン出金が自動的にブロックされます。第三者に加え、アカウントを保有する本人も暗号資産を外部へ移動できません。設定はBinanceのアプリ版とウェブ版から行えます。
Binanceは、対面で暗号資産の移動を迫られる強要リスクへの対策として同機能を位置づけています。パスワードや2要素認証はフィッシング、なりすまし、SIMスワップなどへの対策になりますが、本人が端末を操作するよう迫られた場合には資産移動を防げない可能性があります。あらかじめ出金をロックしておくことで、操作を強要されても送金できない状態を作る仕組みです。
早期解除の設定も選択可能
Withdraw Protectionでは、ロック期間が終わる前の解除を許可するかどうかをユーザーが選択できます。初期設定では早期解除が無効となっており、設定した期間が終了するまでオンチェーン出金を再開できません。
早期解除を許可する場合は、認証アプリとセキュリティキーの両方を設定する必要があります。別のメールアドレスや電話番号による確認も、任意の追加認証として利用できます。
早期解除を無効にすると、強要を受けた場面でもロックを解除できない状態を維持できます。早期解除を有効にした設定は予定変更に対応しやすい反面、解除操作まで求められる可能性を考慮する必要があります。利用者は資産の管理方法や利用頻度に応じて設定を選ぶことになります。
ロック中も取引や資産確認は継続
制限されるのはオンチェーン出金で、アカウントへのログイン、取引、ポジションの保有、資産状況の確認はロック中も利用できます。外部への資産移動を止めながら、アカウント内の管理や売買を継続できる設計です。
BinanceはWithdraw Protectionとあわせて、多要素認証、出金先アドレスのホワイトリスト、フィッシング対策コード、パスキーなどの利用も推奨しています。従来の認証対策がオンライン上の不正アクセスを防ぐのに対し、Withdraw Protectionは本人への直接的な圧力による出金を防ぐ役割を担います。
公式発表:Binance

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