
CARF、日本を含む48の国・地域で施行
国際的な暗号資産の税務報告基準である「CARF(Crypto-Asset Reporting Framework)」が、2026年1月1日から日本を含む複数の国・地域で施行されました。CARFは経済協力開発機構(OECD)が策定した枠組みであり、2023年11月に各国共同声明を契機に制度整備が進められ、約2年の準備期間を経て本格施行に至りました。暗号資産取引に関する税務情報を各国の税務当局間で自動的に共有することを目的としています。
OECD主導でEU・米国などを含む48の国・地域が同時に制度運用を開始
OECDによりますと、CARFは日本や英国、米国、欧州連合(EU)加盟国など主要経済圏を含む48の国・地域で同時に運用が開始されました。2027年からは、各国税務当局間での本格的な自動情報交換が予定されており、国境を越えた暗号資産取引に対する課税情報の把握が一段と強化される見通しです。
報告対象は利用者情報と暗号資産取引の全体像に拡大
CARFに基づく報告対象には、中央集権型の暗号資産取引所を利用する個人の氏名や居住地国といった基本情報に加え、暗号資産の売買、交換、送付などの取引履歴が含まれます。また、一定の要件を満たす場合には、ウォレットサービス提供者など暗号資産関連サービス事業者も報告義務の対象となり、単なる保有状況を超えて、取引の流れ全体が税務当局の把握範囲に入ることになります。
税務透明性向上への期待とプライバシー面の懸念が交錯
一方で、市場関係者や専門家の間では、国際的な税務透明性の向上につながるとの評価がある一方、個人の取引情報が広範に共有されることへの懸念も指摘されています。特に、プライバシー保護や情報管理体制の適切性については、今後の制度運用を注視する必要があるとされています。
CARF導入で暗号資産の国際税務環境が新たな段階に移行
CARFの導入により、暗号資産を取り巻く国際的な税務環境は、取引所単位の管理から利用者単位での把握へと移行する転換点を迎えました。日本国内では、コインチェック、ビットフライヤー、GMOコインなどの主要暗号資産取引所が、居住地国確認や情報報告に向けた体制整備を完了し、CARFへの対応準備を進めています。今後は、制度の実効性を確保しつつ、利用者保護との両立をどのように図るかが重要な課題となりそうです。

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