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金融庁、暗号資産を巡る制度改革を本格化ー分離課税・ETF実現へ議論加速

鬼の猫ちゃん

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金融庁は29日、2025年度税制改正要望の主要項目を発表し、暗号資産取引に関する課税制度の見直しを正式に要請した。ビットコインなどの現物ETF市場が国内でも整備されやすくなるよう、関連する税制改正も盛り込まれた。

※本記事は金融庁の公開資料および業界報道を参考に編集部が再構成しています。


具体的な詳細は示されていないものの、国内では以前から暗号資産課税の改革が繰り返し議論されており、市場は概ね織り込み済みとの見方が多い。今回スピード感をもって議論が進められる背景には、伝統的な金融機関が現物ETFの取り扱いに前向きな姿勢を見せ始めたことがあると指摘されている。


現行制度では、暗号資産の売買益は「雑所得」に分類され、給与所得などと合算して累進課税が適用されるため、住民税を含めると最大で55%の税率が課される。課税所得が4,000万円を超える場合、実効税率は55%に達する。一方で上場株式などの譲渡益は約20%の申告分離課税が適用されており、相対的に税負担が軽い。


金融庁は、暗号資産を他の金融商品と同様のルール下で管理することで、取引の一元化やETFなど新商品の開発促進、国内外機関投資家の参入環境整備が可能になると見込む。現物ETFについては「海外動向を踏まえ、日本でも暗号資産ETFが組成可能となるよう税制面も含めて検討を進める」との方針を示した。


金融庁は7月末に暗号資産ワーキンググループの第1回会合を開催し、現在の資金決済法による規制から金融商品取引法への移行を検討し始めた。2026年の通常国会での法改正を目指しており、税制と規制の両面で制度整備を並行して進める考えだ。


現在、日本国内の暗号資産口座数は1,214万口座に達し、預かり資産残高は約5兆円に上る。加藤勝信財務相も先日大阪で開催されたWebXで言及し、「制度整備の成果だ」と述べ、国際競争力強化と成熟期対応の重要性を強調した。


市場では、規制改正によって投資家流入と流動性が大幅に高まるとの期待感が広がっている。業界関係者からは「分離課税20%が導入されれば、暗号資産市場は議論段階を超えて本格的な成長軌道に乗るだろう」との声も上がる。


一方で、スピード感については慎重な見方も根強い。ある業界関係者は「現物ETFが実際に取引されるのは2027年になるだろう」と述べ、年末の税制改正大綱でどこまで反映されるかを見極める必要があるとした。その上で「改正後も金融庁の姿勢は依然として慎重で、ETF承認基準や持続可能なステーブルコイン生態系の整備など課題は多い」と語った。


一部の個人投資家からも「現行制度は投資のハードルになっている」との声があり、税制改革が実現すればより積極的な投資に踏み切る意向を示している。


なお、今回の税制改正要望には暗号資産関連だけでなく、資産運用立国(NISA拡充)や国際金融センター実現なども含まれている。

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