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金融庁、トークン化預金の銀行間決済実証を支援 GMOあおぞらネット銀行などが2方式を検証

実証実験の参加企業
写真:GMOあおぞらネット銀行PR Times


異なる銀行の顧客間送金に伴う決済を検証

金融庁は2026年4月3日、ディーカレットDCP、GMOあおぞらネット銀行、アビームコンサルティングによるトークン化預金の銀行間決済実証を、決済高度化プロジェクト(PIP)の支援案件に決めたと発表しました。異なる銀行の顧客間でトークン化預金を送金する際、銀行同士の資金決済をどう行うかについて、預金口座とステーブルコインを使う二つの方式を検証します。

トークン化預金は、銀行預金をブロックチェーン上で移転できる形にしたものです。利用者が同じ銀行に口座を持つ場合と異なり、送金元と送金先が別の銀行に分かれると、顧客間の預金移転に対応して銀行間でも資金を決済しなければなりません。顧客が利用する画面で送金を完結できても、その裏側にある銀行間の処理が整わなければ、複数銀行にまたがるサービスの設計は難しくなります。今回の実証が扱うのは、その接続部分です。

一般の銀行振込でも、銀行間の資金決済は重要な役割を担っています。日本銀行によると、全銀システムを通じた振込に伴う金融機関間の受払は、取引額に応じた方法で日銀当座預金上で決済されます。今回の3社は、そうした既存の振込制度を置き換えると発表したわけではありません。トークン化預金による顧客間の送金を想定し、それに伴う銀行間決済をオンチェーンで行えるかを調べます。


幹事行を使う方法とステーブルコイン連携を比較

参加3社が示した「TD幹事行方式」では、民間銀行の1行が幹事行となり、トークン化預金による顧客間送金と、幹事行内での銀行間決済を同時に行うことを想定しています。これに対して「TD-SC連携方式」は、顧客間送金に伴う銀行間決済にステーブルコインを活用する案です。いずれも、顧客間の取引に対応する銀行間決済までオンチェーンで処理するという考え方に基づいています。

3社は、24時間365日の即時グロス決済を視野に入れ、決済リスクや必要な流動性、業務負荷を減らせるか検証するとしています。即時グロス決済とは、取引をまとめて差額だけ決済する方法とは異なり、取引ごとに資金を決済する方式です。二つの案を比べるうえでは、送金と銀行間決済を連動させる仕組みに加え、各方式を運用する際の実務負担や法的な扱いも論点になります。

実証には申請した3社のほか、北陸銀行が参加予定銀行として公表され、複数の銀行も加わるとされています。異なる銀行の顧客間送金を対象とする以上、参加行をまたいだ処理を検討することには意味があります。一方、24時間365日の決済や負担の軽減は3社が目指す効果であり、その有用性や実現可能性をこれから確かめる段階です。


DCJPYの活用から複数銀行をつなぐ検討へ

ディーカレットDCPとGMOあおぞらネット銀行は、トークン化預金を使った取引に以前から取り組んでいます。2024年にはインターネットイニシアティブ(IIJ)とともに、環境価値をデジタル化し、GMOあおぞらネット銀行が発行する「DCJPY」で決済する取引を開始しました。トークン化預金の用途を具体的な商取引で示した事例ですが、利用が異なる銀行の顧客へ広がる場合には、銀行間の資金決済をどう組み込むかという別の課題が生じます。

今回の実証は、その課題に対して二つの方式を並べて検討するものです。記事上の注目点は、トークン化預金を送る技術そのものより、銀行がそれぞれ管理する預金を結ぶ際に、顧客間送金と銀行間決済を円滑に連動させられるかにあります。ステーブルコインを一方の決済手段として取り上げたことで、トークン化預金と別のデジタル決済手段を接続する際の実務・法制度上の論点も見えてきます。


金融庁の支援案件として法的論点も整理

金融庁は2025年11月、ブロックチェーンを活用した決済の実証を支援するため、FinTech実証実験ハブ内にPIPを設けました。これまでに、複数銀行グループによるステーブルコインの共同発行や、証券取引とステーブルコイン決済の連動に関する実証を支援案件に選んでいます。トークン化預金の銀行間決済はPIPの3件目に当たり、検討対象がデジタル通貨の発行や証券決済から、複数銀行にまたがる預金の移転へ広がったことを示しています。

金融庁は今回、預金口座とステーブルコインを使う方式について、実務上の有用性と実現可能性を検証するとともに、関連する法的論点を整理する方針です。実証期間は2026年4月から当面の間とされ、終了後には、法令解釈や監督対応上の論点を含む結果・結論を公表する予定です。どちらの方式が銀行間の処理に適し、顧客間送金と無理なく連動できるか。今後示される検証結果は、トークン化預金を複数銀行で扱う仕組みを考えるうえで注目されます。


公式発表:金融庁


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