
東海東京証券とBOOSTRYが国内初の証券会社向けST取次スキームを構築
東海東京証券とブロックチェーン技術企業のBOOSTRYは、セキュリティ・トークン(Security Token、以下ST)の取扱いに関する証券会社向け取次スキームを国内で初めて構築しました。これにより、地方銀行系証券会社である十六TT証券がSTの販売および取引を行えるようになりました。
両社は3月12日、十六TT証券のST取扱いに関する変更登録手続きが完了したと発表しました。本スキームの導入により、十六TT証券は投資家に対してSTを販売できるようになるほか、Osaka Digital Exchange(ODX)が運営するSTのセカンダリー市場「START」での取引も可能になります。地銀系証券会社によるST取扱いは国内初の事例とされています。
ST市場参入のコストと技術的ハードルが背景
こうしたスキームが構築された背景には、ST市場への参入に伴うコストや技術面でのハードルがあります。STを取り扱うためには、ブロックチェーンを活用したシステム基盤の整備や規制対応、取引所との接続など複雑な仕組みが必要であり、中小規模の証券会社が独自に市場へ参入することは容易ではありませんでした。今回の取り組みでは、東海東京証券が取次の役割を担い、BOOSTRYの技術基盤を活用することで、地方金融機関でもST事業に参加できる体制が整えられました。
東海東京証券のSTノウハウとBOOSTRYのブロックチェーン基盤を組み合わせ
東海東京証券は2021年11月に不動産を裏付け資産とするSTの販売を開始して以降、海外プラットフォーム「ADDX」に上場するSTやプライベートエクイティファンドのST、東海・関西地域の不動産STなど、これまでに計9件(私募を含む)の案件に携わり、関連ノウハウを蓄積してきました。今回の協力でも、こうした経験をもとに、規制当局への変更登録手続きや商品組成の支援を行っています。
BOOSTRYは、コンソーシアム型ブロックチェーン基盤「ibet for Fin」を通じてSTの管理・流通を支援しており、証券会社のST業務をサポートする「E-Wallet」システムを提供しています。本スキームでは、E-Walletのマルチユーザー機能やODXとの接続機能、証券会社間の取次連携機能などが活用されています。
両社は、今回のスキームを通じて地方金融機関でも比較的低コストでST市場に参加できる環境を整え、地域資産を裏付けとしたSTの発行拡大を進めることで、ST市場の発展や地域経済の活性化につなげていく方針としています。

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