Coinbase開発のブロックチェーン「Base」上でパイロット開始 POSCOインターナショナルも採用
2025年11月12日、暗号資産市場は小幅な下落基調で推移している。
午後4時時点で、ビットコインは前日比1.78%安の10万3,368ドル、イーサリアムは3.25%安の3,440ドル前後で取引されている。 主要アルトコインも同様に軟調で、XRP(‐3.41%)、BNB(‐2.61%)、ソラナ(‐5.43%)、ドージコイン(‐3.23%)、カルダノ(‐3.71%)が下落する一方、トロンは0.81%上昇した。
米大手金融機関のJPモルガン・チェース銀行は同日、機関顧客を対象にした預金型デジタルトークン「JPMコイン(JPMD)」の活用範囲を拡大すると発表した。 同行のブロックチェーン部門「キネクシス(Kinexys)」は、暗号資産取引所コインベース(Coinbase)が開発したパブリック・ブロックチェーン「Base」上で、同トークンのパイロット運用を開始した。
これにより、JPモルガンの機関顧客は24時間365日、オンチェーン上でリアルタイムの資金決済を行うことが可能となる。 初期の試験運用には、暗号資産マーケットメイカーのB2C2、決済大手マスターカード、およびコインベースが参加した。
JPモルガンは今回、銀行預金を直接裏付け資産とした米ドル建てトークンをパブリック・ブロックチェーン上で発行する初の銀行となる。 既存のステーブルコインと比較して、トークンの発行や償還の手続きが大幅に簡素化されるとみられる。 発行の際に、資金を銀行口座から取引所やステーブルコイン発行業者に移動させる必要がないためだ。
キネクシスのグローバル共同代表ナビン・マレラ(Naveen Mallela)氏は、 「JPMコインは、銀行預金に基づく安全性と決済の安定性を備えつつ、ブロックチェーンによる即時性と革新性を融合している」と述べ、効率性と流動性の向上を強調した。 このトークンは米国のJPモルガン・チェース銀行が発行を担当する。同行の口座を保有していれば誰でも利用可能であり、米国の銀行口座を持つ利用者は国際送金にも使用できるという。
一方、韓国のPOSCOインターナショナルは、韓国企業として初めてJPMコインを活用したブロックチェーン基盤のグローバル決済システムを導入した。 同社は韓国JPモルガン銀行に預けた資金をJPMコインに転換し、米国のJPモルガン・チェース銀行へ送金。 米国子会社が現地で現金化する仕組みを構築した。 従来の国際送金では、国際銀行間通信協会(SWIFT)ネットワークを介してメッセージを送信し、仲介銀行を経由して受取銀行に送金、 その後に現地法人の口座へ入金する必要があったが、JPMコインの導入により決済時間が大幅に短縮されたとされる。
JPモルガンとPOSCOインターナショナルは、今回の協業を通じてブロックチェーンおよびデジタル資産技術の導入、貿易金融の効率化、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進など、幅広い分野で協力を強化していく方針だ。


コメント