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ミームコインとは何か【後編】 ― 技術的な立ち位置・取引の現実・注意点を紹介

センチメンタルな岩狸

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サムネ

ミームコインとは何か【後編】 ― 技術的な立ち位置・取引の現実・注意点を紹介

前編では、ミームコインとは何かという基本的な定義から、その誕生の背景、一般的な暗号資産との違い、そして価値がどこから生まれるのかという構造について整理してきました。ミームコインは、技術やユースケースよりも、人々の関心やコミュニティの盛り上がりが価値に大きく影響する、独特な存在であることが見えてきたはずです。一方で、ミームコインについて調べていくと、より実践的な疑問に行き当たります。

後編となる本記事では、実際に関わる際に避けて通れないポイントに焦点を当て、ミームコインの技術的な立ち位置、取引の現実、リスク、そして現金化の可否について、具体的に掘り下げていきます。


ミームコインはレイヤー1?レイヤー2? ― ミームコインの多くは「独立したチェーンを持たないトークン」

暗号資産の世界では、「レイヤー」という言葉がよく使われます。レイヤー1とは、ビットコインやイーサリアムのように、独自のブロックチェーンを持つ基盤のことを指します。レイヤー2は、その上で処理を補助する仕組みです。

では、ミームコインはどのレイヤーに属するのでしょうか。結論から言うと、ほとんどのミームコインはレイヤー1でもレイヤー2でもありません。多くのミームコインは、既存のレイヤー1ブロックチェーン上で作られた「トークン」です。

たとえばShiba Inuは、イーサリアムのブロックチェーン上で動くERC-20トークンです。これは、イーサリアムという基盤のルールを借りて存在していることを意味します。この構造を理解していないと、「ミームコイン=独立した通貨」という誤解が生まれやすくなります。実際には、イーサリアムが止まれば、その上で動く多くのミームコインも機能しません。

例外的に、Dogecoinは独自のブロックチェーンを持つレイヤー1ですが、これはミームコイン全体の中では少数派です。現在主流となっているミームコインの多くは、「どのチェーン上で発行されているか」を見ることで、その性質やコスト感が見えてきます。


ミームコインは普通の取引所で取引できるのか ― 取引できる場所は銘柄ごとに大きく異なる

ミームコインが一般的な暗号資産取引所で取引できるかどうかは、その知名度と取引量に大きく依存します。DogecoinやShiba Inuのように、一定以上の支持を集めたミームコインは、BinanceやCoinbase、Bybitといった中央集権型取引所に上場しています。この段階まで来ると、ビットコインやイーサリアムとほぼ同じ感覚で売買が可能になります。

一方で、新しく誕生したばかりの新生ミームコインの多くは、中央集権型取引所では取り扱われません。こうしたミームコインは、主に分散型取引所(DEX)で取引されます。

代表的な分散型取引所としては、イーサリアム系のミームコインであればUniswap、BNB Chain上であればPancakeSwap、Solana系であればRaydiumなどが挙げられます。これらの分散型取引所では、取引所が通貨を管理するのではなく、ユーザー自身がウォレットを接続し、ブロックチェーン上で直接トークンを交換します。

新生ミームコインの場合、まずはこうしたDEX上で流動性が提供され、コミュニティの盛り上がりや取引量の増加によって注目を集めていきます。その後、一定の条件を満たしたものだけが、中央集権型取引所への上場を果たします。

ただし、分散型取引所では、流動性が極端に低いトークンや、コントラクトに問題を抱えたトークンもそのまま取引できてしまいます。そのため、新生ミームコインをDEXで取引する場合は、価格の変動だけでなく、売却できないリスクや設計上のリスクも含めて判断する必要があります。


ミームコインのリスクは? ― 値動きの大きさと構造的な不確実性がリスクになる

ミームコインは、短期間で大きな注目を集める可能性がある一方で、他の暗号資産と比べて特有のリスクを多く抱えている点を理解しておく必要があります。

まず最も分かりやすいリスクは、価格変動が極端に大きいことです。ミームコインの価格は、技術的な進展や実需よりも、SNSでの話題性やコミュニティの熱量によって動きやすい傾向があります。そのため、短期間で急騰することがある一方、関心が薄れた途端に急落することも珍しくありません。

特に新生ミームコインの場合、明確な下支えとなる価値基準が存在しないため、「誰かが買ってくれるから価値がある」という状態に近くなります。この構造では、市場の雰囲気が変わった瞬間に流動性が一気に失われる可能性があります。

次に重要なのが、流動性のリスクです。分散型取引所で取引されるミームコインの中には、見かけ上は価格がついていても、実際には十分な取引量がないものも多く存在します。この場合、売りたいと思ったときに買い手が見つからず、想定していた価格で売却できない、あるいは全く売れないという事態が起こります。

また、ミームコインは誰でも作れるという性質上、詐欺的なプロジェクトが混ざりやすいという問題もあります。代表的な例としては、トークンの売却に制限がかかっている、あるいは開発者だけが大量に保有しており、価格が上がったところで一気に売り抜けるといったケースです。これらはいわゆる「ラグプル」と呼ばれる手法で、特に新生ミームコインの世界では頻繁に問題になります。

さらに、スマートコントラクト自体に問題がある場合もあります。意図的でなくとも、設計ミスや脆弱性によって、トークンが正常に送金できなくなったり、取引が停止してしまう可能性があります。中央管理者が存在しない分散型の仕組みでは、こうしたトラブルが発生しても、基本的に自己責任となります。

ガス代に関するリスクも無視できません。特にイーサリアム上のミームコインでは、取引金額に対してガス代が割高になることがあり、売買を繰り返すうちに手数料だけが積み上がってしまうケースもあります。価格が上がったとしても、最終的に手元に残る利益が思ったより少ないということも起こり得ます。

これらの点を踏まえると、ミームコインは仕組みを把握したうえで向き合うことが望ましい対象だと言えるでしょう。


ミームコインは現金化できるのか ― 現金化は可能だが、条件次第で難しくなる

ミームコインに関心を持つ人の多くが、最終的に気になるのは「これを本当にお金にできるのか」という点でしょう。結論から言えば、ミームコインは現金化できます。ただし、それは常に保証されているものではなく、どのような経路で保有しているかによって現実は大きく変わります。

まず、中央集権型取引所に上場しているミームコインの場合です。DogecoinやShiba Inuのように、BinanceやCoinbase、国内取引所などで取り扱われている銘柄であれば、現金化の手順は比較的シンプルです。取引所内で売却し、日本円や米ドルに換金して出金するだけで、ビットコインやイーサリアムと大きな違いはありません。この段階まで到達しているミームコインについては、現金化できるかどうかという点では大きな問題が起きることは少ないと言えます。

一方で、問題になりやすいのは、分散型取引所(DEX)でしか取引できない新生ミームコインの場合です。この場合、現金化は一気に複雑になります。DEXでは直接法定通貨に換金することができないため、まずミームコインをETHやUSDCなどの主要な暗号資産に交換し、その後それらを中央集権型取引所に送金して、要約現金化という流れになります。

この「一度別の暗号資産に交換する」というステップこそが、現実と理論の差が最も出やすいポイントです。画面上では価格がついているように見えても、実際にスワップしようとすると、想定していた価格で交換できない、あるいはスワップ自体が成立しないことがあります。これは、流動性が十分に提供されていないためです。


仕組みを知るだけで判断しやすくなるミームコインの世界

後編では、ミームコインがどのレイヤーに属するのか、どこで取引されているのか、そしてどのような点に注意が必要なのかを整理してみました。多くのミームコインは独立したブロックチェーンを持つわけではなく、既存のチェーン上で発行されたトークンであること、また、すべてが最初から大手取引所で売買できるわけではないという点が見えてきます。

また、価格が表示されているからといって、必ずしもその価格で売却できるとは限らず、流動性や取引環境によっては想定どおりに現金化できないケースもあります。こうした状況は、ミームコインだけではなく、新しく生まれた暗号資産に共通してみられる現実と言えるでしょう。

ミームコインは、特別に深い知識がなければ触れてはいけないものではありませんが、こうした仕組みや前提を知っておくことで、SNS上の情報や噂話に振り回されにくくなります。見聞きした話をそのまま受け取るのではなく、一歩引いた目線で眺めるための参考として、頭の片隅に置いておきましょう。

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