
ブロックチェーンゲームと聞くと、遊んで稼げる、NFTで儲かるといったイメージを思い浮かべる人は少なくありません。一方で、仕組みがよく分からない、なんとなく危なそうと感じて、距離を置いている人も多いのではないでしょうか。
実際、ブロックチェーンゲームを正しく理解するうえで重要なのは、稼げるかどうかよりも先に、ゲームの中でお金や価値がどのように生まれ、どこへ流れていくのかを知ることです。本記事では、ブロックチェーンゲームの経済構造について整理していきます。
ブロックチェーンゲームに登場する「価値」の正体
ブロックチェーンゲームの経済を理解するためには、まずゲーム内に存在する価値の種類を押さえる必要があります。多くのタイトルでは、主にNFT、ゲーム内トークン、そして法定通貨という三つの要素が組み合わさって経済が成り立っています。
NFTは、キャラクターや装備、土地といったゲーム内アイテムを、唯一性を持つデジタル資産として表現したものです。従来のゲームでは、こうしたアイテムは運営会社のサーバー上で管理されていましたが、ブロックチェーンゲームでは、ユーザー自身のウォレットに紐づく形で保有されます。この違いによって、NFTはゲーム外のマーケットプレイスでも売買できるようになります。
一方、ゲーム内トークンは、プレイ報酬やゲーム内での消費を目的として設計されることが多い存在です。アイテムの生成や強化、NFTの購入、特定機能の解放など、ゲームを進行させるために使われます。トークンによっては、暗号資産取引所で売買できるものもありますが、すべてのトークンが換金を前提としているわけではありません。
これらに加えて、ゲームの外側には円やドルといった法定通貨があります。多くの場合、ユーザーは最初に法定通貨でNFTやゲームへの参加権を購入し、そこからブロックチェーンゲームの経済圏に入っていきます。この入口があることで、ゲーム内の価値は現実世界の経済ともつながっています。
運営会社はどこで収益を得ているのか ― NFT販売と取引手数料が中心
ブロックチェーンゲームの仕組みを理解するうえで、運営会社がどのように収益を得ているのかは重要なポイントです。一般的に、運営会社の収益源は複数に分散されています。代表的なのは、初期NFTの販売や、マーケットプレイスでの取引手数料です。ユーザー同士がNFTを売買する際、その一部が手数料として運営に還元される仕組みは、多くのタイトルで採用されています。
また、ゲーム内でアイテムを生成したり、キャラクターを強化したりする際に必要なコストも、運営の収益につながる場合があります。重要なのは、運営がユーザーの損失そのものから直接利益を得る構造ではないという点です。ユーザー間の取引やゲーム内活動が活発になるほど、結果として運営の収益も安定する設計が意識されています。
この点は、従来のソーシャルゲームにおけるガチャ課金モデルとは大きく異なります。ブロックチェーンゲームでは、ユーザー同士の経済活動が前提となっており、運営はその「場」を提供する役割を担っていると言えます。
ユーザーのお金はどこへ流れていくのか ― 運営だけでなくユーザー同士の取引にも
初心者が特に混乱しやすいのが、「自分が使ったお金は最終的に誰のものになるのか」という点です。NFTを購入した場合、その代金は一次販売であれば運営に、二次流通であれば他のユーザーに支払われます。つまり、従来のゲームのように、課金したお金がすべて運営に吸い上げられるわけではありません。
また、ゲーム内トークンは使われることで消費されたり、一部がバーン(焼却)されたりします。これにより、トークンの総量が調整され、ゲーム内経済のバランスが保つことが意図されています。マーケットプレイスで発生する手数料は、運営やエコシステムの維持費として使われることが一般的です。
このように、ブロックチェーンゲームでは、お金や価値が運営とユーザー、そしてユーザー同士の間を循環する構造が意識されています。これが「ユーザー参加型の経済圏」と呼ばれる理由です。
なぜ破綻するゲームが生まれてしまうのか ― トークン供給に偏った経済設計がゲーム崩壊を招く
過去には、短期間で注目を集めたものの、急速に衰退してしまったブロックチェーンゲームも存在します。その多くに共通していたのは、新規参加者からの資金流入に過度に依存した経済設計でした。報酬トークンの供給量が多すぎたり、ゲーム内での使い道が乏しかったりすると、価値は維持できません。結果として、トークン価格の下落が進み、ユーザーが離れてしまいます。
これらのケースでは、ゲームそのものよりも金融的な側面が前面に出ており、「遊び続けたい」と思える体験が不足していました。現在のブロックチェーンゲーム業界では、こうした反省を踏まえ、トークンの役割を抑え、ゲーム性や継続的な体験価値を重視する設計へとシフトが進んでいます。
「稼げるか」ではなく「どう循環しているか」を見る
ブロックチェーンゲームを理解し、評価するうえで大切なのは、「どれくらい稼げるのか」という短期的な視点ではありません。誰が価値を生み出し、その価値がどのように使われ、どこへ流れていくのか。この循環が自然で持続的かどうかを見極めることが、健全なゲームかどうかを判断する手がかりになります。
ブロックチェーンゲームは、単なる投機の場ではなく、ゲーム体験の中に価値の流れを組み込もうとする試みです。その仕組みを理解することで、過度な期待や不安から一歩距離を置き、より冷静にこの分野と向き合えるようになるでしょう。

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