暗号資産を利用するうえで欠かせないのが「ウォレット」である。中でも最も広く使われているのがメタマスク(MetaMask)だ。メタマスクは、イーサリアムをはじめとする暗号資産を安全に管理するだけでなく、NFTやDeFiなどWeb3サービスを利用するための入り口としても機能する。
しかし、初めての人にとっては「どうやって始めればいいのか」 「安全に使うには何に気をつければいいのか」が分かりにくい点も多い。
本記事では、初心者でも理解しやすいように
の4つのポイントに分けて解説する。
1.メタマスク(MetaMask)とは? ― 暗号資産用ウォレット
メタマスクとは、ブラウザやスマホで使える暗号資産用ウォレットだ。イーサリアムやその関連トークン(ERC-20など)を管理・送受信できる。DeFiやNFT、Web3サービスにアクセスするための入口として広く使われている。
2.インストール方法
① App Store または Google Playから「MetaMask」を検索。
② 開発元(販売元/提供元)が「ConsenSys」であることを確認し、アプリをダウンロード。
③ アプリを起動し、「新規ウォレットを作成」を選択。
④ パスワードを設定してアカウントを作成。
⑤ アカウント作成後「シークレットリカバリーフレーズ」を確認し、必ずオフラインで安全に保管する。
✔シークレットリカバリーフレーズの確認方法
1. メタマスクの左上にあるアカウント名をタップ
2. 「︙メニューアイコン」をタップ
3. 「シークレットリカバリーフレーズです。」をタップ
4. 「開始」をタップ
5. 確認の質問に答え、パスワードを入力
6. 表示された12語のフレーズをオフラインで安全にメモ(※スクリーンショットやクラウド保存は避ける)
3.使い方
① 仮想通貨を入金する
メタマスクのウォレットは作成直後、仮想通貨を保有していない状態なため、まずはウォレットに仮想通貨を入金する必要がある。入金方法は主に2種類がある。
1つ目は、取引所から送金する方法。国内の取引所(コインチェックやビットフライヤーなど)で購入したETHやUSDTなどの仮想通貨を、メタマスクのウォレットアドレス宛に送金する。ウォレットアドレスはメタマスク上で確認できるため、正確にコピーして送金先に指定することが重要。
2つ目は、メタマスク内で直接購入する方法。クレジットカードやApple Payを用いて少額から購入可能な場合もある。ただし、この機能は海外のサービスによるもので、日本国内では利用できない場合が多い。そのため、日本のユーザーは主に取引所から送金する方法を使うのが一般的だ。初めて利用する場合は、まず少額で試すのが安全とされる。
② 仮想通貨を送金・受け取る
メタマスクでは、仮想通貨の送受金も簡単に行える。
受け取る場合は、自分のウォレットアドレスを相手に伝えるだけで良く、取引所や他のウォレットから送金が行われるとメタマスク上に反映される。
送る場合は、メタマスクで「送信」を選択し、相手のウォレットアドレスと送金額を入力する。送金時にはネットワーク手数料(ガス代)がかかるため、金額と手数料を必ず確認してから承認しよう。また、送金先のアドレスを誤ると取り戻せないため、入力時は慎重に行うことが大事だ。
③ DApps(分散型アプリ)と接続する
メタマスクはウォレットの機能だけでなく、ブロックチェーン上のアプリ(DApps)に接続して使用することも可能。対象となるサービスには、NFTの購入やDeFi、ブロックチェーンゲームなどが含まれる。
DAppに接続するには、対象のサービスにアクセスし、「Connect Wallet(ウォレットを接続)」を選択すると、メタマスクが自動で起動し、接続の承認を求める画面が表示される。内容を確認のうえ承認すれば接続が完了する。
4.注意点
メタマスクを安全に利用するためには、いくつかの注意点を理解しておく必要がある。
① シークレットリカバリーフレーズは絶対に他人に教えてはいけない
② フィッシング詐欺や偽サイトへのアクセスに注意
③ 利用するサービスごとに接続を管理し、不要な接続は解除しておく(推奨)
④ 送金や取引にはネットワーク手数料(ガス代)が発生する仕組みを理解しておく
メタマスクは暗号資産の管理だけでなく、NFTやDeFiなどWeb3サービスの利用にも欠かせないツールだ。初心者は、ウォレット作成から入金、送受金、DApp接続、そしてセキュリティ対策まで一通りの流れを理解しておくことが重要だ。
少額から操作に慣れ、安全対策を意識することで、安心してメタマスクを活用できる。正しく使えば、ブロックチェーンの利便性を最大限に引き出すことができる。
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