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L1とL2の違いとは ― なぜブロックチェーンには”層”ができたのか?

センチメンタルな岩狸

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ブロックチェーンの話をしていると、「L1」や「L2」という言葉をよく耳にしますよね。なんだか専門的に聞こえますが、実はこれは「どうすればブロックチェーンをもっと速く、安く、そして安全に動かせるか」という、とてもシンプルな話なんです。この記事では、L1とL2の違い、そしてなぜ層(レイヤー)という考え方が生まれたのかをやさしく解説します!

1.L1とは ― メインネットそのもの

まず「L1(Layer1)」とは、ブロックチェーンの本体のことです。例えばビットコインやイーサリアムのように、すべての取引データを直接ブロックチェーン上に記録し、世界中のノードがその正しさを検証しています。つまりL1はブロックチェーンの「土台」のような存在。このL1があるからこそ、データの改ざんが難しく、高い信頼性が保たれているのです。


2.L2が生まれた理由? ― L1が遅くて高くなったから

L1はとても安全で信頼性も高い反面、処理速度に限界があります。例えばイーサリアムでは、利用者が増えると取引の順番待ちが発生し、ガス代(手数料)が数十ドルに跳ね上がることもあります。「この遅くて高い」という課題を解決するために登場したのが、「L2(Layer2)」です。L2はL1の安全性を活かしつつ、処理をより速く、より安くするための仕組みとして生まれました。


3.L2の仕組み ― 取引をまとめてL1に報告する

L2は、L1の外側で取引を一時的にまとめて処理し、その結果だけをL1に送ります。つまり、すべての取引をL1で直接処理するのではなく、まとめて一括で記録するイメージです。こうすることで、L1の混雑を避けながら、スピードとコストの両方を大幅に改善できます。


4.ロールアップとは ― L2の代表的なしくみ

L2にもいくつか種類がありますが、現在主流となっているのがロールアップ(Rollup)です。ロールアップはL2上で処理した多くの取引データをひとまとめしてL1へ送る仕組みで、主に次の2タイプあります。

・オプティミスティック・ロールアップ:取引を基本的に正しいとみなし、後から不正がないかをチェックする方式

・ZKロールアップ:暗号技術を使って、取引の正しさをその場で証明する方式

アプローチは異なりますが、どちらも目的は同じです。L1に負担をかけず、安全性を保ちながらスケールさせることです。


5.ブリッジの役割 ― チェーン同士をつなぐ通路

異なるL1やL2間で資産を移動させる時に使うのが、ブリッジ(Bridge)です。名前の通り、ブロックチェーン同士をつなぐ「橋」のような存在ですね。

ブリッジはとても便利な仕組みですが、その分リスクもあり、ハッキングの標的になることが多く、過去には大きな被害事例も起きています。利用する際はどのブリッジが信頼できるかを必ず確認しておきましょう。

参考:Bridges Burned: Inside the 5 Loudest Web3 Bridge Hacks


6.L1とL2、どちらを使うべき?

では実際、どんな時にL1やL2を使えばいいのでしょうか?ざっくり分けると、次のようになります。

・L1向き:高い信頼性が求められる用途(大口の決済、重要なNFTの保管など)

・L2向き:スピードと低コストが重視される用途(ゲーム、少額送金、日常的な取引など)

最近では、多くのアプリやウォレットがL1とL2の切り替えを自動で行ってくれるため、ユーザーはあまり意識せずに両方を使い分けています。


7.利用前のチェックリスト

ブロックチェーンを使う時は、次のポイントをチェックしておきましょう。

・ネットワーク名を確認(例:Ethereum Mainnet、Arbitrum、Baseなど)
・まずは少額でテスト送金
・ガス代が安い時間帯を狙う(混雑時は避ける)

ちょっとした確認を怠らないだけで、トラブルの多くを防ぐことができます。


これからのブロックチェーンは「層で動く」時代へ

L1とL2は、どちらが優れているかを競うものではありません。L1が信頼を支え、L2がスピードと利便性を広げていきます。どちらか一方だけではなく、両方がうまくかみ合うことで、ブロックチェーンはより実用的で、私たちの生活に近い存在へと進化しています。

一言でまとめると、「L1は信頼の層、L2は速度の層」。2つの層が一緒に動くことで、ブロックチェーンの新しいステージが広がっていくのです。

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