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PayPayが銀聯QRに対応 海外アプリ決済は36サービスに拡大

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既存のPayPay決済環境で銀聯QRを受け入れ

PayPayは2026年9月3日、中国本土、香港、マカオで提供されているスマートフォン決済アプリ「UnionPay App(銀聯QR)」が、決済ネットワーク「HIVEX」を通じて対象のPayPay加盟店で利用可能になったと発表した。これにより、PayPayが接続する海外キャッシュレス決済は、17の国と地域で使われている計36サービスに拡大した。

UnionPay Appは、中国本土、香港、マカオで発行されたUnionPayカードを登録し、QRコードで支払えるスマートフォンアプリだ。対象となるのは、HIVEXを契約し、ユーザースキャン方式またはストアスキャン方式を採用するオフラインのPayPay加盟店で、PayPayマネーのみを受け付ける「マネー限定加盟店」は含まれない。

ユーザースキャン方式では来店客が店頭のPayPay用QRコードを読み取り、ストアスキャン方式では店舗側が利用者のコードを読み取る。HIVEXを契約済みの店舗には自動で適用され、追加の費用や手続きは発生しない。利用者が日本円で支払額を入力すると各国・地域の通貨へ換算されるため、加盟店は海外サービスごとに新たな端末を用意せず、既存の決済環境で訪日客の支払いを受け付けられる。


国内で普及する銀聯QRにPayPay経由の利用先を追加

銀聯QRは日本国内ですでに一定の利用環境を築いている。UnionPay Internationalは2020年、リクルートとの連携によって国内10万店以上で銀聯QRを利用できるようになったと発表した。2025年4月時点では、日本国内に150万台のQRコード決済対応端末があるとしている。

PayPayとの連携によって変わるのは、HIVEXを契約する同社の加盟店がUnionPay Appの受け入れ先に加わる点だ。店頭でカードを読み取る銀聯カード決済と、UnionPay Appから行うQR決済は異なる受付経路であり、PayPayは後者に対応する。既存の銀聯加盟店網にPayPay経由の利用先が加わることで、訪日客が銀聯QRを使える場面の広がりが見込まれる。

HIVEXを開発するTBCASoftによると、UnionPay AppはUnionPayカードを連携した5億人以上の利用者基盤を持つ。HIVEXは異なる決済事業者と加盟店ネットワークを相互接続し、各社が従来のアプリや加盟店環境を維持したまま国境を越えた決済に対応できるようにする仕組みだ。PayPayにとっては、国内利用者向けに整備してきた加盟店網を海外ウォレットにも開放し、訪日客向け決済へ用途を広げる取り組みとなる。


Alipay連携から8年、対応先を段階的に拡大

PayPayは2018年10月のサービス開始と同時にAlipayとの連携を始め、その後もAlipay+やHIVEXを通じて海外の決済サービスを加盟店網へ接続してきた。2025年4月にはタイのK PLUSやカザフスタンのKaspi.kzなどを加え、対応範囲を14の国と地域、25サービスへ拡大した。

2026年6月には、ベトナムのMoMo、VCB Digibank、Zalopay、ウズベキスタンのHUMO、パキスタンのNayaPayなど7サービスとの連携を開始し、17の国と地域、35サービスに到達した。UnionPay AppはHIVEXを通じて加わる36番目のサービスとなる。同ネットワークでは台湾のJKO PAYやE.SUN Wallet、香港のOctopus、中国本土のWeChat PayなどもPayPay加盟店へ接続されており、店舗が一つの決済環境から複数の海外ウォレットを受け入れる構成が整いつつある。


中国最大のインバウンド消費を取り込めるか

観光庁によると、2025年の訪日外国人旅行消費額は前年比16.4%増の9兆4,549億円となり、過去最高を記録した。国・地域別では中国が2兆58億円と全体の21.2%を占め、旅行消費額で最大の市場だった。香港も5,614億円で5.9%を占めており、中国圏の旅行者が利用する決済手段への対応は、加盟店のインバウンド戦略でも重要性が高い。

PayPayは、同社が対応する海外決済サービスの提供国・地域が訪日外国人全体の約8割を占めると算出している。この割合は2025年12月の訪日外客数をもとにした国・地域単位のリーチ率で、個々の旅行者による利用可否はアプリやカードの保有状況などによって異なる。それでも、店舗が海外サービスごとに端末や運用を増やさず、旅行者が普段使うアプリを受け入れられる構造は、決済時の不便や販売機会の損失を抑えるうえで効果が期待される。

海外決済への対応では、接続サービス数の拡大とともに、整備したネットワークを実際の店頭利用へ結び付けられるかが重要になる。今後は、加盟店と訪日客の双方にUnionPay Appへの対応が浸透し、飲食店や宿泊施設、土産物店などで利用件数や取扱高が伸びるかが焦点だ。利用が定着すれば、PayPayの加盟店網は国内向けQR決済の基盤に加え、訪日客が自国のアプリで支払うための共通窓口としても役割を強める可能性がある。


公式発表:PayPay

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