
新発10年国債利回りが一時2.800%に上昇
2026年5月18日の東京債券市場で、長期金利の代表的な指標となる新発10年物国債利回りが一時2.800%まで上昇しました。1996年10月以来、およそ29年半ぶりの高水準で、物価上昇の長期化や財政支出の拡大を警戒した国債売りが金利を押し上げました。
国債は市場価格が下がると利回りが上がる関係にあります。今回の2.800%は取引時間中に付けた水準で、日本相互証券が公表した同日の10年債利回りの終値は2.735%でした。5月1日の2.500%、15日の2.700%から段階的に上昇しており、月初以降に金利上昇の流れが強まっていたことが分かります。
長期金利は国債市場内の指標にとどまらず、固定型住宅ローンや企業融資、社債発行などの金利形成にも関係します。国債を大量に発行している政府にとっても、金利上昇が長期化すれば、新たに発行する国債の利払い費が増える要因になります。
原油高によるインフレ警戒と補正予算が重荷
金利上昇の背景には、中東情勢の悪化に伴う原油高と、エネルギー価格を通じたインフレ圧力への警戒がありました。原油価格の上昇が続けば、電力、燃料、物流などのコストを通じて国内物価を押し上げ、日銀が金融引き締めを続けるとの見方につながります。
市場で将来の物価や政策金利が高止まりすると予想されれば、低い利回りで発行された既存の国債は相対的な魅力が低下します。そのため国債が売られ、利回りに上昇圧力がかかります。今回の局面でも、期待インフレ率の上昇が10年債利回りを押し上げた主な要因の一つと分析されています。
財政運営をめぐる不透明感も国債売りにつながりました。政府が物価高対策に向けた2026年度補正予算案を視野に財政措置を検討し、財源として赤字国債を追加発行する可能性が報じられたためです。国債の発行が増えれば市場での供給量が膨らむほか、財政規律への懸念も強まりやすくなります。
超長期債では10年債を上回る金利上昇
金利上昇は10年債に限らず、より償還期間の長い超長期債にも広がりました。日本相互証券の終値データによると、30年債利回りは5月1日の3.715%から15日に4.055%、18日には4.080%へ上昇しました。
5月1日から18日までの上昇幅は、10年債が0.235ポイントだったのに対し、30年債は0.365ポイントでした。超長期債は将来のインフレや国債需給、財政運営への見方に影響されやすいため、30年債の上昇幅が大きかったことは、市場の警戒が直近の日銀政策に限らず、長期的な財政負担にも向けられていたことを示しています。
金利上昇は預金や債券の利回り改善につながる一方、住宅ローン利用者や借り入れの多い企業には負担となります。今後の方向を見極めるうえでは、原油価格や物価指標に加え、補正予算の規模と財源、国債発行計画、日銀による利上げや国債買い入れ方針が重要になります。

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