
全国約1万6,000店からブックオフへ発送
コンビニエンスストアを展開するファミリーマートは8月19日、ブックオフコーポレーションと連携し、買取サービス「ファミマでかんたん!ブックオフ買取」を8月25日から開始すると発表した。全国約1万6,000店のファミリーマートがブックオフ宅配買取の発送窓口となり、利用者は専門店まで品物を持ち込まず、日常的に利用するコンビニから査定に出せるようになる。
利用者は専用サイトで申し込んだ後、売りたい品物を梱包してファミリーマートへ持ち込む。店内のマルチコピー機またはファミロッカーで発送手続きを行い、荷物がブックオフに到着した後に査定が進められる仕組みで、買取が成立すれば代金は指定口座へ振り込まれる。発送から入金までの期間は1~2週間程度を見込む。
ブックオフ宅配買取では従来、自宅集荷のほか、郵便局や一部コンビニなどへ荷物を持ち込む方法も用意されていた。そこに全国規模のファミリーマート網が加わることで、買い物や通勤といった普段の移動に発送を組み込みやすくなり、買取サービスとの接点はさらに生活圏へ近づく。
本から家電、ブランド品まで幅広く対象
買取対象には、本、CD・DVD、ゲーム機・ゲームソフトに加え、衣類、バッグ、靴、腕時計、生活雑貨、家電、スマートフォン、トレーディングカード、フィギュア、プラモデル、ぬいぐるみ、スポーツ用品、楽器などが含まれる。品目ごとに取扱条件が設けられており、商品の種類や状態によって対応が異なる。
発送方法は店舗設備によって異なり、マルチコピー機では申し込み後に発行された二次元コードなどを読み取り、申込券と荷物をレジへ持ち込む。一方、ファミロッカーでは画面上で手続きを進め、発行された宛名ラベルを貼った荷物をロッカーへ預ける。いずれも店舗は発送拠点として機能し、査定と買取手続きはブックオフ側で行われる。
サービス開始に合わせ、8月25日から11月30日までは、1,000円以上の買取が成立した利用者を対象に「FamiPayギフトコード」100円分を進呈するキャンペーンも行われる。
3兆円市場で広がる「売却接点」の競争
今回の連携を読み解くうえで重要なのが、拡大を続ける国内リユース市場だ。リユース経済新聞の推計では、2024年の市場規模は前年比4.5%増の3兆2,628億円となり、2009年以降15年連続で成長した。一方、フリマアプリなどを中心とするCtoC市場の伸び率は1.4%にとどまり、中古品を巡る競争は販売価格や査定額に加え、消費者がどれだけ少ない手間で売却できるかという接点設計にも広がっている。
フリマアプリでは、商品の撮影や説明文の作成、購入希望者とのやり取り、発送までを利用者自身が担う必要がある。宅配買取はこうした個別出品の工程を省きやすい一方、集荷を待つ、あるいは発送場所まで荷物を運ぶ手間が残る。全国に展開するコンビニを発送窓口として組み込めば、この工程を買い物や移動の一部に置き換えられるため、利用者側の負担軽減とブックオフ側の仕入れ接点拡大を同時に狙える。
リユース市場の拡大が続けば、事業者にとっては「売る場所」を増やすことと同じくらい、「売りたい人とどこで接触するか」が重要になる。店舗型のリユース事業は査定や販売の拠点を自前で持つ強みがあるが、ファミリーマートの既存店舗網を活用する方式は、新たな大型投資を伴わずに生活圏内の受付地点を広げられる点で、従来とは異なる集客・仕入れモデルとして注目される。
伊藤忠との提携から半年、構想が全国規模へ
今回のサービスは、ファミリーマートとブックオフの単発の共同施策として見るより、伊藤忠商事との資本業務提携後に進められてきた一連の動きとして捉える方が分かりやすい。ブックオフグループホールディングスとファミリーマートの親会社である伊藤忠商事は2026年2月に資本業務提携を締結し、協業項目の一つとして「ファミリーマート店舗網を活用したリユース品の仕入強化」を掲げていた。
その構想は、4月に東京都内のファミリーマート30店舗で始まった衣料品・雑貨回収サービス「R-LOOP」の実証を経て、8月には宅配買取の発送受付を全国約1万6,000店へ広げる段階に進んだ。無料回収から買取商品の発送まで、コンビニをリユース品の入口として活用する取り組みが段階的に広がっており、2月時点で示された店舗網活用策が具体的なサービスへ移行している。
今後、リユース事業者の競争では、店舗数や査定価格に加え、家庭に眠る品物をいかに自然な形で市場へ戻せるかが一段と重要になりそうだ。ファミリーマートの店舗網とブックオフの査定・再販売機能を結ぶ今回の取り組みが定着すれば、コンビニは買い物や宅配便の発送に加え、中古品が再流通へ向かう生活圏内の接点として役割を広げる可能性がある。
公式発表:ファミリーマート

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