
0〜17歳向けに約270銘柄の投資信託で積立対応
三菱UFJ eスマート証券は2026年8月17日、2027年1月に始まる予定の「こどもNISA」について、10月1日から口座開設申込の受付を開始すると発表した。0歳から17歳までを対象とし、投資信託による積立投資に対応する。
こどもNISAは、NISAのつみたて投資枠を未成年者まで広げる制度で、年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円。非課税保有期間は無期限となり、長期・積立・分散投資に適した投資信託が対象となる。三菱UFJ eスマート証券では2026年6月26日時点で約270銘柄を対象商品として示しており、毎月一定額を積み立てる形で利用できる予定だ。
口座開設には親権者名義の同社証券口座が必要となるため、2027年1月から利用する場合は親側の口座もあらかじめ準備しておく必要がある。同社は特設ページで制度概要や申込手続きを案内するほか、積立額と運用期間から将来の資産額を試算できる「つみたてシミュレーション」も提供している。
ジュニアNISA終了後、未成年向け制度を再設計
未成年者を対象とした非課税投資制度としては、2016年にジュニアNISAが導入されたものの、2023年末で新規投資を終了した。旧制度は年間80万円まで投資できたが、非課税期間は原則5年間で、制度終了前には原則18歳まで払出しが制限されるなど、長期的な利用には一定の制約があった。
こどもNISAでは、非課税保有期間を無期限とし、12歳以降は一定の条件を満たせば資産を払い出せる仕組みに改められる。子ども本人の同意を得たうえで、親権者などが子どものために資金を使用することが前提となり、18歳になる年の年末で制度を終えた後は成人向けNISAのつみたて投資枠へ移行する。未成年期から成人後まで資産形成を継続しやすい制度設計へと見直される形だ。
こうした制度拡充の背景には、2024年に始まった新NISAを通じて個人の資産形成が広がった流れもある。金融庁によると、NISA口座数は2025年3月末時点で約2,647万口座に達しており、こどもNISAは成人を中心に普及してきた非課税投資の対象を未成年者へ広げる制度として位置付けられる。
SBIや楽天も10月受付予定、サービス設計が競争軸に
こどもNISAへの対応は、三菱UFJ eスマート証券に限らない。楽天証券も2026年10月から口座開設手続きを受け付ける予定で、利用希望者に親権者の証券口座を事前に準備するよう案内している。SBI証券も10月からの申込開始を予定しており、2027年1月の制度開始を前に主要ネット証券の対応が相次いでいる。
複数社が同時期に受付へ動くことで、今後はこどもNISAを取り扱うかどうかより、対象商品の幅や申込手続きのしやすさ、親子口座の管理、金融教育を含めたサービス設計の違いが利用者の選択に影響しそうだ。三菱UFJ eスマート証券ではMUFG傘下の銀行、信託銀行、証券会社もこどもNISAを扱う方針を示しており、グループ内の金融サービスをどのように連携させるかも今後の差別化につながる。
金融機関にとって、未成年期から顧客との接点を持つことは、成人後のNISAや預金、資産運用サービスへ関係をつなげる契機にもなる。各社が制度開始前から特設ページや金融教育コンテンツを整備している背景には、こどもNISAを入口として長期的な顧客基盤を築こうとする狙いもある。
親からの資金拠出は贈与、制度利用では税務面も確認
実際にこどもNISAを利用する際は、投資資金の出し手にも注意が必要だ。未成年者自身が継続的な収入を持つケースは限られるため、親や祖父母が資金を用意することが想定されるが、子ども名義の口座へ資金を移した場合は税務上の贈与に当たる。
暦年課税では、1年間に受け取った贈与財産の合計が基礎控除の110万円以下であれば、原則として贈与税はかからない。こどもNISAの年間投資枠は60万円のため、その資金だけで基礎控除を超えることはないが、同じ年に親や祖父母から別の贈与を受けていれば合算して考える必要がある。教育費名目の資金であっても、そのまま必要な支出に充てず投資へ回した場合は税務上の扱いが異なる点にも留意したい。
2027年1月の制度開始を控え、こどもNISAを巡る動きは制度設計から実際の口座開設へ移り始めている。10月以降は各社の正式な対象商品や申込手続きが順次具体化する見通しで、制度そのものの使いやすさに加え、親子の資産形成をどこまで一体的に支援できるかが金融機関ごとの違いとして表れてきそうだ。
公式発表:MUFG

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