
Stripe Tour Tokyo 2026を9月30日に開催
Stripeは2026年8月24日、年次カンファレンス「Stripe Tour Tokyo 2026」を9月30日に開催すると発表した。会場はザ・プリンス パークタワー東京で、AI時代の決済や金融テクノロジー、エージェンティックコマースなどをテーマに、企業向けの講演や事例紹介を予定している。開催時間は8時30分から17時45分までとなる。
今回の開催は、Stripeが日本でサービス展開を開始してから10周年の節目にあたる。Stripe共同創業者兼プレジデントのジョン・コリソン氏、データ&AI責任者のエミリー・サンズ氏、Sakana AI代表取締役のデイビッド・ハ氏、ディー・エヌ・エー代表取締役会長兼CEOの南場智子氏らが登壇する予定だ。
2025年の東京開催では、対面決済サービス「Stripe Terminal」の日本展開など、オンラインと実店舗をつなぐ決済基盤の拡充が打ち出された。これに対し、2026年はAIエージェントによる商取引や従量課金、ステーブルコインまで議論の対象が広がっており、Stripeが決済処理そのものから、商取引全体を支える金融基盤へ事業領域を広げている流れがプログラムにも表れている。
AIエージェントが購入に関与する「エージェンティックコマース」
基調講演では、Stripeの事業アップデートに加え、AIやステーブルコイン分野への投資・戦略が紹介され、日本法人の平賀充氏とダニエル・ヘフェルナン氏が日本市場向けの新たなプロダクトや機能を発表する予定だ。その中でも主要テーマの一つとなるのが、AIエージェントが商品を評価し、取引を開始して決済まで進める「エージェンティックコマース」である。
Stripeはすでにこの領域でサービス開発を進めており、2026年4月の「Stripe Sessions 2026」では、Googleとの連携を通じてAI ModeやGeminiアプリ内で商品を販売できる仕組みや、Linkを活用してAIエージェントによる購入を支える機能を発表した。これまで消費者自身が商品を検索し、購入先を選び、決済まで進めていた流れに、AIエージェントが取引の一部を担う新たな経路が加わり始めている。
東京開催では、Stripeのエミリー・サンズ氏とメルカリの執行役員 VP of Product Marketplace New Businessを務める翁素文氏らが、日本市場におけるエージェンティックコマースについて議論する。ECやマーケットプレイスを運営する企業にとって、AIを通じた商品発見や購入を既存の販売・決済基盤にどう組み込むかは、今後の販売チャネル設計にも関わる論点になりつつある。
AI時代の収益モデル、従量課金とステーブルコインを議論
AIの普及は購入経路に加え、サービスの課金方法にも変化をもたらしている。生成AIサービスではAPIやトークンなどの利用量に応じてコストが変動するため、月額固定型のサブスクリプションに加え、実際の利用量を料金へ反映する従量課金の設計も重要性を増している。東京開催ではLegalOn Technologiesの担当者が参加し、「AI時代の収益モデル設計」をテーマにプライシング戦略を取り上げる予定だ。
こうした課金モデルを支える技術として、Stripeは4月のSessions 2026でストリーミング決済も発表した。Metronomeによる利用量の追跡と、Tempoブロックチェーン上のステーブルコインによるマイクロペイメントを組み合わせ、AIサービスの利用に応じて料金を回収する仕組みである。
この動きは、Stripeが決済時点の処理に加え、利用量の計測から料金回収までを一体で支える方向へ機能を広げていることを示している。AIエージェントが購入に関与する商取引と、AIサービスそのものを細かな単位で収益化する仕組みを同じイベントで扱う点からも、AI時代の取引構造全体を視野に入れた事業展開が進んでいることがうかがえる。
越境決済62%増、日本企業の海外展開も焦点
AI関連のテーマと並び、日本企業の海外展開も今回のプログラムの柱となっている。グローバル決済やステーブルコインの活用、Merchant of Record、越境ECを扱うセッションが組まれており、Tokyo Otaku Modeの代表取締役社長である小高奈皇光氏も登壇する予定だ。日本発コンテンツの海外販売を題材に、決済のローカライズや多通貨管理、各市場の規制対応などが議論される。
Stripeが2025年の「Stripe Tour Tokyo」で公表したデータによると、2024年の日本のStripeユーザーによる決済総額は前年比40%増加し、越境決済の取扱高は62%以上伸びた。Stripe上でサブスクリプション型ビジネスを提供する日本企業も9,000社を超えており、日本企業によるオンライン販売や継続課金、海外展開が広がっていることが数字にも表れている。
こうした実績を背景に、2026年の東京開催では、国内で利用できる決済手段の拡充から一歩進み、海外販売やAIを介した新たな購入経路を含めて、企業がどのように収益機会を広げるかという議論に重点が移っている。決済、課金、通貨管理を個別の機能として扱うのではなく、商取引全体のインフラとして捉える動きが強まっている点も、前年との違いである。
日本展開10周年、決済から商取引基盤へ
Stripe Tour Tokyo 2026は参加無料の事前登録制で、9月30日にザ・プリンス パークタワー東京で開催される。マイナビ IT Searchの開催案内では、個人メールアドレスやフリーメールでの登録は受け付けず、法人メールアドレスが必要とされているほか、同業他社の参加も制限されている。
2025年には対面決済を含む国内の決済基盤拡充を進めたStripeだが、2026年のプログラムでは、AIエージェントによる購入、従量課金、越境決済、ステーブルコインへと対象領域が広がっている。これらを個別の技術テーマとして扱うのではなく、商品の発見から購入、サービス利用に応じた課金、海外販売までを一連の商取引として支える方向へ事業領域を広げている点が、今回のカンファレンスから読み取れる大きな変化である。
日本展開10周年を迎えるStripeが、日本市場向けの新たなプロダクトや機能をどこまで具体化し、AI時代の商取引基盤をどのように構築していくのかが注目される。
公式発表:ストライプジャパン PR TIMES

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