
初の折りたたみiPhoneを10月23日に発売
Appleは2026年9月9日(米国時間)、同社初の折りたたみ式スマートフォン「iPhone Duo」を発表した。日本では10月16日午後9時から予約注文を受け付け、10月23日に発売する。同時に発表されたiPhone 18 ProとiPhone 18 Pro Maxは、これに先立つ9月12日午後9時に予約受付を開始し、9月18日に発売される。
新製品の投入に合わせ、日本のApple StoreではiPhone 16、iPhone 17e、iPhone 17、iPhone Airの価格も改定された。4機種はいずれも2026年7月に値上げされており、2カ月足らずで再び購入費用が上昇した。初の折りたたみ端末への参入と、iPhoneラインアップ全体の高価格化が重なった形だ。
7.6インチの大画面と携帯性を両立
iPhone Duoは、開くと7.6インチ、閉じると5.4インチのディスプレイを利用できるブック型の折りたたみ端末だ。インナーディスプレイはiPhone史上最大で、2つのアプリを左右に並べるマルチタスクのほか、端末を折り曲げて机に置いた状態での動画視聴やビデオ通話にも対応する。
内外のディスプレイには同じアスペクト比を採用しており、端末を開閉してもコンテンツの表示が自然につながる。開いた状態の厚さは5.2mmで、AppleはiPhone史上最薄としている。画面の折り目やヒンジ、開閉に伴うアプリ表示の変化が使い勝手に直結する折りたたみ端末に対し、AppleはハードウェアとiOS 27.1を一体で設計することで、既存のiPhoneに近い操作感と大画面の活用を両立させた。
処理性能を支えるのは、2nmプロセスで製造されたA20 Proチップと、端末の左右に配置したデュアルバッテリーである。ビデオ再生時間はインナーディスプレイ使用時で最大31時間、アウターディスプレイ使用時で最大44時間となる。背面には48MPのメインと超広角カメラ、内側には画面下埋め込み型のFaceTimeカメラを搭載した。生体認証には電源ボタン一体型のTouch IDを採用し、後日のアップデートでApple Pencilにも対応する予定だ。

36万円台のDuo、iPhone 18 Proとの価格差は12万円超
iPhone Duoは256GB、512GB、1TB、2TBを展開し、日本価格は36万4800円から57万4800円となる。カラーはスターホワイトとナイトスカイの2色で、世界共通のeSIM専用モデルとして販売する。
iPhone 18 Proは21万9800円から、iPhone 18 Pro Maxは23万9800円から。両モデルはDuoと同じA20 Proチップを搭載し、カメラは48MPのメイン、超広角、望遠の3眼構成となる。メインカメラには光学式の可変絞りを採用し、撮影環境に応じた光量や被写界深度の調整に対応した。ビデオ再生時間はProが最大36時間、Pro Maxが最大45時間で、ストレージは両モデルとも256GBから2TBまで用意される。
256GBモデルで比べると、DuoはProより14万5000円、Pro Maxより12万5000円高い。AppleCare+の盗難・紛失プランも、Duoは月額2980円または年額2万9800円となり、Proシリーズの月額1940円または年額1万9400円を上回る。折りたたみ式の大画面が生み出す利用価値に加え、長期保有に伴う費用も購入時の比較点になりそうだ。
標準モデル不在、既存4機種は再値上げ
Appleは新製品の投入に伴い、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Max、iPhone 16 Plusの直販を終了した。標準モデルのiPhone 18は同時に投入されず、2026年世代の新製品はProシリーズと折りたたみモデルから始まるため、最新世代を購入する場合の最低価格はiPhone 18 Proの21万9800円となる。
継続販売されるiPhone 16、iPhone 17e、iPhone 17、iPhone Airも価格が改定され、値上げ幅はストレージ容量に応じて1万2000円から4万7000円となった。最大の上昇幅となったiPhone Airの1TBモデルは、24万7800円から29万4800円に引き上げられている。これにより、価格を抑えた既存モデル、最新性能を備えたProシリーズ、大画面と新しい形状を打ち出すDuoという製品区分は明確になったものの、各価格帯は全体的に上昇した。
既存4機種は7月18日にも値上げされており、iPhone 17eの256GBモデルは発売時の9万9800円から、2回の改定を経て12万4800円となった。新製品の登場時に旧世代を値下げして選択肢を広げる構成とは異なり、今回は継続モデルを含むAppleの直販ラインアップ全体が上方へ移動している。

Samsungに7年遅れて折りたたみ市場へ参入
Samsungが初代Galaxy Foldを発表したのは2019年で、Appleの参入はそこから約7年後となる。この間にSamsungやHuawei、Googleなどが製品を投入し、薄型化やヒンジの改良、折りたたみ画面に合わせたアプリ表示を進化させてきた。Appleは市場の立ち上げを担う先行企業ではなく、技術と利用環境が一定程度成熟した段階から参入する後発企業に位置付けられる。
国内で販売されるSamsungのブック型端末は、「Galaxy Z Fold8」が26万9880円から、上位モデルの「Galaxy Z Fold8 Ultra」が29万6780円からとなる。容量や機能が異なるため同じ条件では比べられないものの、Duoの開始価格はFold8 Ultraより6万8020円高い。AppleのブランドやOS、アプリ環境に価値を感じる利用者が、この価格差を受け入れるかが普及に影響する。
折りたたみスマートフォンは、世界のスマートフォン市場全体では約2%を占める規模にとどまる。ただ、調査会社Counterpoint Researchは、1600ドルを超える折りたたみ端末の出荷比率が2025年の約3分の1から、2026年には60%まで拡大すると予測している。ブック型端末の増加やAppleの参入により、折りたたみ端末の平均卸売価格も2026年に前年比18%上昇する見通しだ。
メモリ高騰と円安が価格改定に重なる
価格上昇の背景には、AI向けデータセンターの拡大に伴うメモリとストレージの需要増加がある。ティム・クック前CEOは6月、供給不足による大幅なコスト上昇をAppleが吸収してきたものの、その状態を維持することが難しくなったとの認識を示していた。同社は同月にMacやiPadなどを値上げし、日本では7月にiPhoneの価格も改定した。
7月の国内改定時は米国価格が据え置かれていたことから、円安を含む為替変動の影響が大きいとの見方が出ていた。9月には米国でも継続販売するiPhoneが一律100ドル値上げされており、日本固有の為替事情に、メモリなどの部品コストを背景とする世界的な価格調整が重なった構図とみられる。
高容量モデルほど上昇幅が大きく、iPhone Airの1TBモデルは4万7000円、iPhone 18 Pro Maxの2TBモデルは前年の発売時価格から12万円上昇した。写真や動画、生成AI機能の利用拡大に伴って大容量ストレージの用途が広がる中、容量を増やす際の負担も大きくなっている。
普及の鍵は大画面を生かすアプリ体験
1999ドルからとなるiPhone Duoは、折りたたみ市場の高価格化を象徴する製品だ。既存のiPhone利用者を取り込めれば、これまでニッチだった折りたたみ端末がプレミアムスマートフォンの主要な選択肢へ近づく可能性がある。価格に見合う用途を示せなければ、新しい形状を試したい一部の利用者に需要が限られることも考えられる。
発売後に問われるのは販売台数に加え、折りたたみ画面に最適化されたアプリの充実度だ。大画面で複数のアプリを使う機能は競合端末にも存在するため、動画視聴やゲームに加え、仕事、編集、AI機能などでiPhone Duoならではの体験を示す必要がある。ヒンジやディスプレイの耐久性、修理費用、開閉を繰り返した際の画面状態も、長期的な評価を分ける要素となる。
既存モデルまで再値上げされた日本では、Duoが新たな買い替え需要を生み出せるかに加え、端末を長く使う動きや中古iPhoneへの需要がどこまで強まるかも注目される。初の折りたたみiPhoneという話題性が一巡した後も大画面の利用価値を示せるかが、Duoの定着とAppleの次の製品展開を左右しそうだ。
公式発表:Apple

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