
Slackで動くAIチームメンバー
AIアシスタント「Claude」を手掛けるAnthropicは6月23日、ビジネスチャット「Slack」上でClaudeと協働できる新機能「Claude Tag」のベータ版の提供を始めた。Claude EnterpriseおよびClaude Teamの顧客を対象に、まずはSlack連携から提供される。
Claude Tagは、SlackチャンネルにClaudeをチームメンバーのように参加させ、ユーザーが「@Claude」とメンションすることで業務を依頼できる機能だ。Slack上の会話や業務の流れを踏まえ、要約、調査、コード関連作業、進行中の議論の整理などを任せられる。
開発チームでは、バグ報告が投稿されたスレッドでClaudeを呼び出し、原因調査や修正方針の検討を依頼できる。営業や運用部門では、長いやり取りを整理し、決定事項や後続タスクを抽出する使い方が想定される。
企業利用を前提にした管理機能
Claude Tagは、企業利用を前提にした管理機能も備える。管理者はClaudeがアクセスできるチャンネル、ツール、データ、コードベースなどを設定でき、Claudeは許可された範囲内でSlackチャンネルの会話を参照しながら業務に対応する。
AIが会話や外部ツール、コードベースにアクセスできるため、企業導入では権限設計や監査性、コスト管理が重要な課題になるとみられる。Anthropicは、管理者がClaudeのアクセス範囲や使用可能なツール、トークン利用上限、作業ログを管理できるとしている。
既存Slack連携からの拡張
Anthropicはこれまでにも、Slack上でClaudeを直接利用する機能や、ClaudeがSlackの会話内容を参照して業務の文脈を把握する連携機能を提供してきた。2025年12月には、SlackのスレッドからClaudeを呼び出し、Claude Codeのコーディング作業につなげる機能も公開しており、Claude Tagはこうした流れをチーム協業向けに広げた機能とみられる。
従来の連携は、Slack上でClaudeに質問したり、特定のコーディング作業を依頼したりする用途が中心だった。一方、Claude Tagはチャンネル単位でAIを配置し、複数のメンバーが同じClaudeに業務を任せられる点を打ち出している。
AnthropicはClaude Tagを、既存の「Claude in Slack」アプリを置き換える機能として位置づけている。TeamおよびEnterprise顧客のSlack上でのClaude活用は、今後Claude Tagを中心に移行していく可能性がある。
Slackが業務AIエージェントの入り口に
Claude Tagは現時点ではSlackを起点に提供されるが、Anthropicは今後、ほかの業務環境にも展開する方針を示している。企業が日常的に使う協業ツールの中で、AIが会話の文脈を理解し、業務を支援する仕組みは、業務AIエージェントの導入を進めるうえで重要な接点になりそうだ。
Slackには、日々の会話、意思決定、作業依頼が蓄積される。Claude Tagは、こうした情報をAIが参照しながら作業を支援する機能として位置づけられ、今後はAIそのものの性能に加え、AIが働ける業務環境をどう設計するかも企業の生産性に影響を与える要素になりそうだ。
公式発表:Anthropic

コメント