
「Surprise and shine」掲げ9月9日に開催
アップルは2026年8月26日、米国時間9月9日午前10時から特別イベント「Apple Event」を開催すると発表した。日本時間では9月10日午前2時となり、同社のWebサイト、Apple TV、YouTube Liveで配信される。イベントには「Surprise and shine」のキャッチコピーが掲げられている。
Bloombergは、iPhone 18 Pro、iPhone 18 Pro Maxとともに、アップル初の折りたたみ式iPhoneが披露される見通しだと報じている。実現すれば、長年板状のデザインを基本としてきたiPhoneに新たなフォームファクターが加わり、製品ラインアップそのものが広がることになる。
発表時期は経営体制の転換とも重なる。アップルでは9月1日付で、ハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのジョン・ターナス氏がCEOに就任し、ティム・クック氏はエグゼクティブ・チェアマンへ移る。ハードウェア部門を長年率いてきたターナス氏にとって、今回のイベントはCEO就任後初の大型製品発表となる。
Pro系を軸に秋商戦、iPhoneの発売サイクルにも変化か
折りたたみiPhoneの投入が注目される背景には、アップルの収益を高価格帯モデルが支える構図がある。2026会計年度第3四半期のiPhone売上高は542億5,200万ドルで、全社売上高1,094億1,700万ドルの約半分を占めた。アップルは前年同期からのiPhone売上増加についてProモデルの販売増を主因としており、上位モデルの重要性が高まっている。
こうした状況で進んでいると報じられているのが、iPhoneの発売時期の再編だ。The Informationの報道をもとにTechCrunchなどが伝えたところでは、アップルはiPhone 18 Pro系と折りたたみモデルを2026年秋に投入し、標準モデルのiPhone 18やiPhone 18eを2027年春に分ける計画を進めている。実現すれば、主力iPhoneを秋に一斉更新してきた従来の販売サイクルが分かれ、9月はPro系や新カテゴリーを中心とする時期へ変わる可能性がある。
ラインアップの拡大によって価格帯や用途の異なる製品が増えるなか、発売時期を分散することは各モデルの訴求を明確にする効果も見込める。折りたたみモデルがこの構成に加われば、単なる新機種の追加にとどまらず、アップルがiPhoneの商品構成と年間販売戦略をどのように組み直すかを示す動きとなる。
まだ1.6%の折りたたみ市場、Apple参入で競争構図に変化
折りたたみスマートフォンでは、サムスン電子がGalaxy Z FoldやGalaxy Z Flipシリーズを展開し、ファーウェイ、グーグル、モトローラなども参入してきた。ただ、市場全体では依然として限られたカテゴリーで、Counterpoint Researchによると2025年の世界出荷台数は1,960万台、世界スマートフォン市場に占める割合は1.6%だった。
その市場は2026年に成長が加速すると予測されている。Counterpointの7月時点の見通しでは、世界の折りたたみスマートフォン出荷台数は前年比21%増となり、メーカー別シェアはサムスンが32%で首位を維持する一方、初参入が見込まれるアップルが25%、ファーウェイが24%となる。同社は、アップルの参入によってプレミアム帯の競争が強まる一方、サムスンは長年の製品開発や販売網で優位性を持つと分析している。
市場の中心も、大画面を横に開くブック型へ移りつつある。Counterpointは2026年にブック型が折りたたみ端末出荷の76%を占め、1,600ドルを超えるモデルの割合も2025年の約3分の1から60%へ上昇すると予測する。価格を抑えて普及台数を競う市場というより、大画面やソフトウェアを含めた利用体験に高い付加価値を持たせる方向へ競争が進んでいる。
ハードウェア以上に問われる大画面の使い方
アップルがこの市場へ参入した場合、評価を左右するのはヒンジの薄さやディスプレイの折り目といった端末設計に限らない。Bloombergは、折りたたみiPhoneを開いた際にはiPad miniに近い大きさとなり、iOSではiPadに近いアプリレイアウトや2つのアプリを並べて利用する機能が用意されると報じている。閉じた状態のスマートフォン操作と、開いた際の広い画面を一つの利用体験としてどう結び付けるかは、既存の折りたたみ端末との差別化にもつながる。
価格と供給も普及の行方を左右する。Bloombergは価格が2,000ドルを超える可能性を伝えており、製品構造の複雑さから発売初期の供給量が限られるとの見方もある。折りたたみ端末の高価格化が進むなかでも、既存のiPhone Proを上回る価格に見合う用途や利便性を提示できなければ、幅広いiPhone利用者の買い替えにはつながりにくい。
9月9日のイベントでは、折りたたみiPhoneが正式に製品群へ加わるかに加え、アップルが拡大したiPhoneラインアップをどのように整理するかが焦点となる。新CEO体制の最初の大型発表で示される製品構成や発売戦略は、今後のiPhone事業の方向性を映すとともに、サムスンなどが先行してきた折りたたみスマートフォン市場の競争にも影響を与えることになりそうだ。
公式発表:Apple Developer

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