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『SILENT HILL f』、日本ホラーゲーム大賞で2冠 初開催の頂点に

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サムネ


昭和日本を描いたシリーズ新作が初代大賞

株式会社東京ドームは2026年9月11日、東京ドームシティで開催中の『東京ホラー特区!!2026』にて、『日本ホラーゲーム大賞2026 produced by 百室』の授賞式を行い、受賞作品を発表した。初開催となる同賞では、KONAMIの『SILENT HILL f』が大賞とサイコロジカルホラー賞の2部門に選ばれた。

2025年9月25日に発売された『SILENT HILL f』は、昭和の日本にある架空の町・戎ヶ丘を舞台に、女子高校生の深水雛子が霧と華に侵食された町を探索するサイコロジカルホラーだ。『ひぐらしのなく頃に』で知られる竜騎士07氏がシナリオを担当し、土着信仰や家族、婚姻、狐、身体変容といった要素を通じて、地域の因習と個人の葛藤が交錯する物語を描いている。

審査では、出来事を直接説明しすぎずに状況を伝える物語構成や印象的なせりふ、周回によって変化する展開が評価された。銃火器を排して近接武器による戦闘を軸に据えた設計も、シリーズに通じる狂気を感じさせる要素として挙げられており、シリーズ初となる日本舞台への転換が、従来の心理的恐怖を昭和期の風土や社会的な因習と結び付けた。


異なる恐怖表現を8部門で評価

8つの部門賞では、物語の構造や演出を評価するホラーナラティブ・演出賞に、Tarsier Studiosの『REANIMAL』が選ばれた。同作は戦争で荒廃した世界を舞台に、覆面をした子どもたちが巨大な生物の脅威から逃れる横スクロール型のアドベンチャーホラーで、協力プレイにも対応している。視覚表現に関わる部門では、ホラーアート・映像表現賞をコーエーテクモゲームスの『零 ~紅い蝶~ REMAKE』、ベストホラークリーチャー賞を『No, I'm not a Human』に登場する「来訪者」が受賞した。

作品のジャンルや遊び方に焦点を当てた部門では、『SILENT HILL f』がサイコロジカルホラー賞、カプコンの『バイオハザード レクイエム』がサバイバルホラー賞、韓国のReLU Gamesが手掛けた『MIMESIS(ミメシス)』がマルチプレイホラー賞に選ばれた。題材を評価する神話伝承・宇宙的恐怖賞はMisfit Villageの『家へ帰れ、アニー:SCPゲーム』、現実と非現実の間賞はスクウェア・エニックスの『パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語』が獲得している。

特別賞では、『Cronos: The New Dawn』がTHE HORROR GAME AWARDS賞、『Dread Flats』がガッチマン賞、『事故物件鑑定士試験』が百室賞、『Dyping Escape』がファミ通文庫賞を受賞した。日本の長寿シリーズから欧州や韓国のスタジオによる作品、独立系タイトルまでが選ばれており、心理、映像、協力プレイ、クリーチャー、神話伝承といった恐怖の設計を細分化したことが、受賞作の幅にも表れている。


ファンと専門家をつなぐホラー専門賞

日本ホラーゲーム大賞は、ホラーゲーム情報専門ブランド「百室(全領域百鬼夜行観測室)」が企画・プロデュースした。対象は2025年3月1日から2026年3月31日までに発売された、ホラー表現を含むゲームで、プラットフォームや対応言語による制限は設けていない。選考ではユーザー、クリエイター、メディアによるネット投票に百室の審査を組み合わせ、大賞は各投票の集計結果、部門賞は投票結果と分野別のクリエイターによる意見を踏まえて決定した。

審査員には、Bokeh Game Studio代表の外山圭一郎氏、『零』シリーズのディレクターを務める柴田誠氏、『SILENT HILL』シリーズプロデューサーの岡本基氏、ホラーゲーム実況者のガッチマン氏らが参加した。ゲーム制作者のほか、小説、映画、オカルト、動画配信などに関わる人物も加わり、恐怖表現、題材、物語、アート、空間、演出、音響を複数の角度から評価している。

日本ゲーム大賞などがジャンルを横断して年間を代表する作品を選ぶのに対し、日本ホラーゲーム大賞は対象をホラーに絞り、物語や心理、怪物、協力プレイといった表現を部門別に取り上げた。総合評価の中では見えにくい個別の恐怖表現に光を当てられる点に、ジャンル専門賞としての役割がある。主催者も総評で、実況配信がホラーを自ら遊ぶ層以外へ魅力を広げてきたと分析しており、配信者を審査に加えた構成にも現在の受容環境が反映されている。


次は会場発のインディー作品を選出

『東京ホラー特区!!2026』は9月13日まで、東京ドームシティのプリズムホールで開催される。最終日には、会場で展示・紹介されたインディーホラーゲームを来場者投票で選ぶ「東京ホラー特区!!インディーホラーゲーム大賞」の授賞式が予定されている。

既発売作品を審査する日本ホラーゲーム大賞に対し、インディー部門はイベント会場を新作と来場者の接点として活用する。実績のある作品を評価する場と、次の作品を発見する場を同じイベント内に設けたことで、ホラーゲームの歴史を振り返りながら新たな作り手にも目を向ける構成となった。今後は開催の継続性に加え、受賞が作品の認知拡大や販売、配信機会にどの程度結び付くかが、ホラー専門賞として定着するうえでの注目点になりそうだ。


公式発表:東京ホラー特区2026

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