
第1弾は『クレイジータクシー』の実写コメディー
株式会社セガとNetflixは2026年9月15日、セガが保有するゲーム作品を共同で映像化するパートナーシップを発表した。第1弾として『クレイジータクシー』の実写コメディー映画を制作するほか、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の新作アニメシリーズと『STRANGER THAN HEAVEN』の実写映画も開発する。
『クレイジータクシー』の脚本は、2025年版『裸の銃を持つ男』を手がけたダン・グレゴア氏とダグ・マンド氏が担当する。製作には、『ソニック・ザ・ムービー』シリーズに携わってきたOriginal Filmのニール・H・モリッツ氏、トビー・アッシャー氏、セガで映画・テレビシリーズの統括プロデューサーを務める中原徹氏が参加する。
原作は、乗客を制限時間内に目的地へ送り届けるため、タクシーで街中を疾走するドライビングアクションゲームだ。1999年にアーケードで登場し、交通ルールに縛られないカーアクションとロックを取り入れた音楽演出によって独自の人気を築いた。ゲームシリーズも再始動しており、完全新作『クレイジータクシー:ワールドツアー』が2027年にXbox Series X|S、Xbox on PC、PC(Steam)、PlayStation 5、Nintendo Switch 2向けに発売される予定だ。
ソニックは子ども向けアニメ、新規タイトルは実写映画に
『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の新作アニメシリーズは、カルロス・スティーヴンス氏と中原氏が開発を進めている。就学前後の子どもを対象に、ソニックと仲間たちをヒーローとして描き、スピード感のあるコメディーに友情や仲間との結び付きを軸とした物語を組み合わせる。
RGGスタジオが開発するアクションアドベンチャーゲーム『STRANGER THAN HEAVEN』は、実写クライム・アクション映画として展開される。ゲームは1915年のサンフランシスコから始まり、アメリカ人の父と日本人の母を持つ大東真が日本へ渡った後、ヤクザや興行の世界で生きる50年間を描く。福岡・小倉、広島・呉、大阪・ミナミ、静岡・熱海、東京・新宿をモチーフとする5つの都市と時代を巡る作品で、2026年冬の発売を予定している。映画版では中原氏が製作を務め、無一文の若者がヤクザを経て興行界の大物へとのし上がる過程を描く。
『Sonic Prime』の単独協業から複数IPへ
セガとNetflixの映像協業は、2021年に制作が発表されたアニメシリーズ『ソニックプライム』ですでに始まっていた。カナダのWildBrainも参加した同作は2022年からNetflixで世界配信され、全3シーズンを展開している。従来はソニックを中心とする協業だったが、新たなパートナーシップでは対象を複数のゲームIPへ広げ、作品ごとに実写映画やアニメといった異なる形式を採用する。
こうした展開の背景には、ソニックを通じて積み上げた映像事業の実績がある。セガとパラマウント・ピクチャーズが共同製作した実写映画シリーズは、2025年1月時点で世界累計興行収入が10億ドルを突破した。第3作『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』には、『クレイジータクシー』にも参加するモリッツ氏、アッシャー氏、中原氏が製作として名を連ねており、既存の映像制作で培った体制を別のIPへ広げる構成となっている。
セガサミーホールディングスは、ゲームを軸に映画、アニメ、商品、イベントへ展開する「トランスメディア戦略」を成長方針に掲げてきた。ソニックで確立した手法を主要IPやレガシーIPへ広げ、大手プラットフォーマーとの関係を通じて世界的な露出と利用者との接点を増やす考えだ。Netflixとの提携は、この方針を実際の作品群へ落とし込むとともに、個別の企画を継続的な映像展開へ発展させる動きと位置付けられる。
成熟度の異なる3作品を同時に展開
3作品は、1999年に登場した『クレイジータクシー』、世界的な映像実績を持つ『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、発売を控える『STRANGER THAN HEAVEN』と、IPとしての成熟度が異なる。実績のあるソニックを軸に置きつつ、再始動する旧作と新規タイトルにも映像企画を組み合わせることで、セガは作品を知る入口を増やし、ゲームと映像の双方からIPを育てようとしているとみられる。
『クレイジータクシー』では新作ゲームと実写映画が並行して進み、『STRANGER THAN HEAVEN』もゲーム発売前から映画化が動き出した。映像によって作品の認知を広げ、それをゲームの発売やシリーズの継続的な展開へつなげられれば、個々の作品に対する関心を長期的に維持する効果も期待できる。
Netflixも『アサシン クリード』『Gears of War』『マインクラフト』など、ゲームを原作とする映像企画を拡大している。セガとの協業では、『クレイジータクシー』の疾走感と音楽、『STRANGER THAN HEAVEN』の50年に及ぶ物語を、それぞれ映画としてどう再構成するかが制作面の焦点となる。今後発表される監督や出演者、配信時期に加え、新作ゲームとの公開順やプロモーションの連動が、複数IPを扱うパートナーシップの方向性を示すことになりそうだ。
公式発表:セガ

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