
発売直前に国内PS5版を中止
IllFonicが開発し、Gun Interactiveと共同パブリッシングするホラーゲーム『ハロウィン ザ・ゲーム(Halloween: The Game)』について、日本国内向けPS5版の発売中止が8月31日に発表された。作品に含まれる生々しい暴力表現とヌード表現を理由に、CEROの国内レーティングを取得できなかったためで、Xbox Series X|SとPC版は予定どおり9月9日に国内発売される。
開発側は、CEROの基準に合わせて表現を規制すると、1978年公開の原作映画『ハロウィン』が持つ世界観を大きく損ない、プレイヤーが期待するゲーム体験も提供できなくなると説明した。このため内容を変更してPS5版を残す選択を取らず、日本向けの販売を取りやめた。予約済みのユーザーにはプラットフォーム側から返金処理が行われる予定で、日本向けPlayStation Storeの商品ページも削除されている。
CEROには18歳以上のみを対象とする「Z」区分があるが、審査倫理規定では極端に残虐な印象を与える出血や身体欠損、殺傷などを禁止表現として定めており、該当する作品にはレーティングが付与されない。成人向けのZ指定であってもすべての表現を扱える仕組みではなく、本作では暴力とヌード表現を理由にレーティングを取得できなかったことから、IllFonicは表現の修正よりも予定していたゲーム内容の維持を選んだ。
Xbox・PCでは販売継続、国内で分かれた対応
PS5版が販売中止となるなか、Xbox Series X|S版とPC版は9月9日の発売予定を維持している。Xboxの国内ストアではIARC 18+が付与され、「18歳以上対象」「過激な暴力」と表示されており、PCではSteamとEpic Games Storeを通じて販売される。
こうした違いには、日本向けデジタルゲームにおけるレーティング運用の差が関係している。Microsoftは国内向けのデジタル専用ゲームでIARCを受け入れ、IARC 18+のタイトルも配信対象としている。PlayStation Storeでも2022年から一部のダウンロード専用ゲームにIARCが導入されているものの、18歳以上向け作品ではCEROレーティングが求められるケースがある。
そのため、国内市場を単純に「PS5はCERO、Xbox・PCはIARC」と区分することはできないが、成人向け作品に対する各プラットフォームの運用差が、同じゲームを購入できる機種を分ける結果につながった。海外ではPS5版の販売計画が維持されており、今回の決定は日本国内に限った対応となる。
『Gears of War』などでも繰り返されたCERO不取得
過激な表現を理由にCEROレーティングを取得できず、日本向けの販売計画が変更された例は過去にもある。2025年には『Gears of War: Reloaded』が、出血や残虐描写、激しい暴力表現を理由にCEROレーティングを取得できず、国内PS5版の発売を中止した。その一方で、Xbox Series X|SとPC版はIARC 18+で販売されており、『ハロウィン ザ・ゲーム』と近い形で国内展開が分かれている。
2022年のSFサバイバルホラー『The Callisto Protocol』では、CEROレーティング不取得を受けて日本向けの発売そのものが中止された。開発側は当時、レーティング取得のためにゲーム内容を変更すると、プレイヤーが期待する体験を提供できなくなるとして修正を見送り、予約購入者への返金を実施している。作品性を維持するために国内販売計画を変更したという点でも、今回のIllFonicの判断と重なる。
ただし、『The Callisto Protocol』が日本市場全体で販売を断念したのに対し、『Gears of War: Reloaded』や本作ではXboxやPCを通じた国内販売が残っている。IARCを利用するデジタル販売経路が広がったことで、CEROを取得できない海外作品でも、プラットフォームを限定して日本市場へ投入できるケースが生まれている。
原作再現と結びつく暴力表現
『ハロウィン ザ・ゲーム』は、ジョン・カーペンター監督による1978年の映画『ハロウィン』を原作とした非対称型ステルスホラーだ。舞台は原作と同じハドンフィールドで、オンラインでは1人が殺人鬼マイケル・マイヤーズ、4人が住民側となって対戦する。住民は武器や物資を確保し、警察への通報を進めながら生存を目指し、マイケル側は物陰から標的を追跡して仕留めていく。
シングルプレイではマイケルを操作し、スミス・グローブ精神病院からの脱走を起点に、1978年の惨劇へ至る物語を追う。追跡や殺害は映像演出として挿入される要素にとどまらず、マイケルを操作するゲームプレイそのものを構成しているため、暴力表現を大幅に変更すれば作品全体の設計にも影響が及ぶ。IllFonicがCEROへの適合より原作の世界観とゲーム体験の維持を優先したという説明は、こうした作品構造ともつながっている。
海外製のホラーやアクションゲームでは、強い暴力表現と日本のレーティング基準との調整が発売計画を左右する事例が続いている。そのなかでデジタルストアごとのレーティング運用が異なる現在は、日本展開そのものを断念するケースに加え、本作のように販売プラットフォームを限定してゲーム内容を維持する選択も現れている。『ハロウィン ザ・ゲーム』のPS5版中止は、海外作品の表現をどこまで変更して国内展開するのかという従来からの課題に、販売経路の違いが新たな選択肢を加えていることを示す事例となった。
公式発表:HalloweenTheGame 公式X

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