
3年ぶりのBlizzConで2作品を同時公開
Blizzard Entertainmentは2026年9月13日、米カリフォルニア州アナハイムで開催した「BlizzCon 2026」のオープニングセレモニーで、『ディアブロ V』と『STARCRAFT』を発表した。発表は現地時間の12日に行われ、『ディアブロ V』は2029年春、『STARCRAFT』は2030年春の発売を予定している。
BlizzConの対面開催は2023年以来3年ぶりとなった。Microsoftが同年10月にActivision Blizzardの買収を完了して以降、Blizzardは『ディアブロ IV』『オーバーウォッチ』『World of Warcraft』などの運営を続けてきた。再開した自社イベントで数年先の大型作品を同時に公開したことにより、既存タイトルへの継続的なコンテンツ供給と次世代作品の開発を並行する方針が明確になった。

『ディアブロ V』は現行作と並行して開発
『ディアブロ V』の舞台は、ディアブロが勝利し、英雄たちが敗れた後のサンクチュアリだ。プレイヤーは「ウェストマーチの継承者」となり、悪魔の支配を逃れた生存者を仲間に加えながら荒廃した世界を旅する。安全な街や制圧した砦を固定拠点としてきた従来の構造から離れ、商人や仲間で構成するキャラバンとともに移動する構想が示された。
世界には、再訪時に地形や注目地点、モンスター、報酬が変化するプロシージャル生成の仕組みが導入される。移動と再探索の比重が高まるのに合わせ、戦闘面では「デーモン・ハンター」と「モンク」が復帰し、病や悪疫を力へ変える新クラス「プレイグ・ナイト」も加わる。アイテムシステムは『ディアブロ II』から着想を得ており、ルーンやルーンワード、装備セットを組み合わせてビルドを構築する方向性が示されている。
正式ナンバリング作品の発売間隔は、2012年の『ディアブロ III』から2023年の『ディアブロ IV』まで約11年だった。予定通り2029年春に発売されれば、次の世代交代は約6年に縮まる。その間も『ディアブロ IV』では、新シーズン「獄遺継承」が日本時間9月16日に始まり、2027年前半には新クラス「アマゾネス」が追加される。現行作のサービスと物語を継続しながら次作を準備することで、従来より計画的にプレイヤーの関心を引き継ぐ狙いがうかがえる。
2度の頓挫を経て『STARCRAFT』シューターを再始動
新作『STARCRAFT』は、シリーズを象徴してきたリアルタイムストラテジーからジャンルを転換し、物語主導型のオープンワールドシューターとして制作される。プロジェクトを率いるのは、Ubisoftで『Far Cry』シリーズに携わったDan Hay氏だ。同氏は2030年という発売時期について、計画の実現に対する開発チームの真剣さを示すものであり、達成に自信を持っていると説明している。
1998年に始まった『StarCraft』は、テラン、ザーグ、プロトスの三勢力による宇宙戦争を描き、RTSとしての人気に加えて競技シーンの発展にも影響を与えた。2010年には『StarCraft II』、2017年には初代を刷新した『StarCraft: Remastered』が発売されたものの、その後はシリーズを大きく更新する新作が続かなかった。久々の新作発表が歓迎されるなか、海外メディアではRTSの正統続編を待つファンの期待との隔たりも論点となっている。
Blizzardが『StarCraft』をシューターとして描こうとする試みは、これが初めてではない。2002年に発表されたステルスアクション『StarCraft: Ghost』は長期開発の末に中止され、2019年には「Ares」と呼ばれるFPS企画も打ち切られたと報じられた。当時は開発資源を『ディアブロ IV』と『オーバーウォッチ 2』へ振り向けたとされており、新作は過去に実現できなかった構想へ改めて取り組む動きと位置付けられる。

既存タイトルも相次いで更新、主要IPを横断する展開に
BlizzCon 2026では新作2タイトルに加え、継続運営中のゲームにも今後の展開が示された。『Heroes of the Storm』には約6年ぶりの新ヒーローとして、『World of Warcraft』のザラタスが参戦する。『オーバーウォッチ』ではシーズン5の新サポートヒーロー「ドクトリン」と新マップが公開され、ソンブラとロードホッグの大規模な調整に加えて、1年にわたり展開してきた物語「帝国の覇者」が完結を迎える。
『ハースストーン』では、クエストや実績、イベント、各拡張パックの物語を集約する「日誌」の刷新に加え、旧神が支配した古代アゼロスを描く拡張パック「黒の帝国の君臨」が発表された。2027年3月には6年ぶりの新クラス「モンク」も加わる。『Warcraft』関連では、『World of Warcraft』の大型アップデート「Eclipse(12.2)」や「The Worldsoul Saga」の最終章「The Last Titan」が予告されたほか、『Warcraft III: Reforged』には23年以上ぶりとなる新キャンペーン「見捨てられた王国」が配信された。
こうした発表からは、Blizzardが大型新作の開発に集中する一方、運営中の作品や更新が停滞していたタイトルにも再び動きを与えようとする姿勢が読み取れる。長期運営作品のコンテンツを補強しながら、『ディアブロ V』と『STARCRAFT』を次世代の主力作として準備する構成は、Microsoft傘下で進むBlizzardのIP運用が、既存プレイヤーの維持と中長期的なブランド再構築を並行させる段階に入ったことを示している。
発売までの長期開発とシリーズ継承が焦点に
公開されたティザー映像では、兵士が訓練と装備を経てザーグとの戦場へ送り込まれる過程が描かれた。今後は、俯瞰視点で軍勢を指揮してきたシリーズの勢力関係や大規模戦争を、一人の兵士が探索するオープンワールドへどう落とし込むかが焦点になる。
Blizzardは『ディアブロ V』について、2027年から開発状況や設計思想を定期的に公開し、プレイヤーの反応を開発上の選択へ反映する方針を示している。『STARCRAFT』も発売まで約4年を残しており、早期発表によって高まった期待を具体的なゲーム内容へつなげられるかが問われる。長年培ったシリーズらしさを受け継ぎながら、新しい遊び方として成立させられるかが、両作品の評価を左右することになりそうだ。
公式発表:BLIZARD

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