
ローソンPOSでUSDC決済を検証
決済サービスを手掛けるJCBとデジタルガレージは2026年8月19日、ローソンとステーブルコインを使った店頭決済の実証実験(PoC)に向けた基本合意書を締結したと発表しました。8月20日にローソン ゲートシティ大崎アトリウム店で、訪日外国人による米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」の利用を想定し、既存のコンビニPOSを介した決済が店舗業務の中で円滑に機能するかを検証します。
利用者は「Base App」を通じてスマートフォンにウォレットアドレス情報のバーコードを表示し、店舗側がPOSシステムで読み取るCPM(Consumer-Presented Mode)方式で決済します。PoCでは決済フローの実現性に加え、POSとの接続要件、レジ業務への影響、決済完了までの時間、利用者向けWebシステムの操作性などを確認し、主な利用対象は実証に参加する3社の関係者となります。
ステーブルコインと既存決済網をどうつなぐか
実店舗でのステーブルコイン決済を考えるうえで重要になるのは、ブロックチェーン上の資産を店舗側の既存システムへどのように接続するかです。JCBは利用者からUSDCを受領して売上を集計し、加盟店には後日法定通貨で支払う役割を担うため、ローソン側が暗号資産の管理を前提とせずにステーブルコイン決済を受け入れられる構成となっています。
その接続部分を支えるのが、デジタルガレージの決済APIとバックエンドシステムです。ローソンの店舗POSとJCBの決済サービスをつなぎ、POS側ではキャナルペイメントサービスのコード決済処理技術を活用します。利用者側ではUSDCを使いながら、加盟店側では従来の法定通貨ベースの精算を維持する仕組みであり、実用化に向けてはこうした既存インフラとの接続性が大きな論点になります。
ローソンで相次ぐステーブルコイン実証
ローソンでは8月に入り、ステーブルコインと実店舗POSを接続する検証が続いています。ネットスターズは8月17日、同じローソン ゲートシティ大崎アトリウム店で「Stablecoin Pay」の実証を行い、USDC、USDT、日本円建てステーブルコイン「JPYC」の3種類をPOSレジと連携させました。8月3日にも予備実験を行っており、異なる決済事業者が同じコンビニ店舗で相次いで技術や運用面を検証する動きが表面化しています。
JCBとデジタルガレージが今回想定するのは、訪日外国人が保有するUSDCを日本国内の店頭決済につなげる用途です。ドル建てステーブルコインを既存POS網で受け入れられれば、インバウンド客にとっては日本円への両替を介さない支払い手段が広がる可能性があります。一方で、店舗側では決済速度やレジ操作、既存システムとの互換性が実務上のハードルになるため、今回の検証は利用者側の利便性よりも、店舗運営に無理なく組み込めるかを見極める意味合いが強いとみられます。
個別店舗の実証からコンビニPOS連携へ
JCB、デジタルガレージ、りそなホールディングスは2026年1月、ステーブルコイン決済の社会実装に向けた協業を始め、2月には渋谷の実店舗でJPYCとUSDCによる決済を検証しました。当時はウォレットを使った決済体験やブロックチェーン処理、加盟店への法定通貨による精算などを確認しており、約半年を経て検証の対象が大手コンビニのPOSシステムとの接続へ広がった形です。
ステーブルコイン市場の拡大に伴い、技術的に送金できるかという段階から、既存の決済インフラへどの程度違和感なく組み込めるかが実用化の焦点になりつつあります。店頭決済として定着するには、利用者の操作性や決済速度に加え、加盟店側の精算やレジ業務を含めた運用全体が従来の決済手段に近い形で成立する必要があります。ローソンで続く実証は、ステーブルコインをデジタル資産として保有する段階から、日常の決済インフラへ接続する段階へ移すための検証として位置付けられます。
公式発表:デジタルガレージ

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