WEB3業界動向

コインチェックがUSDC取扱いへ前進 電子決済手段等取引業者は国内2社に

センチメンタルな岩狸

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サムネ


取扱対象はUSDC、ステーブルコイン事業の基盤を拡張

コインチェックは2026年8月27日、資金決済法に基づく電子決済手段等取引業の登録を完了したと発表しました。登録番号は関東財務局長第00002号で、金融庁の登録一覧には取扱対象として、米Circleが発行する米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」が記載されています。2025年3月に国内第1号となったSBI VCトレードに続く登録となり、国内の電子決済手段等取引業者は2社となりました。

日本では2023年6月施行の改正資金決済法により、一定のステーブルコインが「電子決済手段」として制度上位置付けられています。ビットコインやイーサリアムなどを扱う暗号資産交換業とは法的な区分が異なり、ステーブルコインの売買や交換、媒介などを事業として行うには別途登録が必要です。暗号資産交換業を中心に事業を展開してきたコインチェックに新たな登録区分が加わり、ステーブルコインやオンチェーン金融へ事業領域を広げるための規制上の基盤が整いました。


約1年半続いた1社体制、USDCの国内展開に新たな経路

電子決済手段等取引業では、SBI VCトレードが2025年3月4日に第00001号を取得して以降、約1年半にわたって唯一の登録事業者となっていました。コインチェックは制度開始後初めて追加された事業者であり、ステーブルコインの国内流通を担う登録事業者が複数になる節目となります。

今回の登録に至る動きは2024年から進められていました。コインチェックは同年2月、Circleと日本市場におけるUSDCへのアクセス拡大に向けて提携し、国内での取扱いには電子決済手段等取引業の登録取得が必要になるとしていました。Circleも2025年3月、SBI VCトレードによるUSDC提供開始に合わせ、Binance Japan、bitbank、bitFlyerが国内での取扱いや流通を計画していると公表するなど、日本市場での流通網拡大を進めています。

その背景には、世界規模で広がるUSDCの利用があります。Circleによると、2026年6月末時点のUSDC流通額は733億ドルと前年同期比19%増加し、同年第2四半期のオンチェーン取引額は14.8兆ドルに達しました。ドル建てステーブルコインの利用が拡大するなか、日本では規制下で利用者へのアクセスをどのように広げ、実際のサービスにつなげるかが次の段階に入っています。


SBIは売買から運用、複数ステーブルコインへ

先行するSBI VCトレードは、登録後にステーブルコイン事業の幅を段階的に広げてきました。2025年3月4日の登録後、12日にUSDCの限定ベータ版を開始し、26日には一般利用者向けに日本円での売買を開始。2026年3月にはUSDCを貸し出して利用料を受け取るレンディングサービスも導入し、取引から運用へサービスを広げています。

同年6月には、Rippleの米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」と、SBI新生信託銀行が発行する円建てステーブルコイン「JPYSC」の取扱いも始めました。金融庁の8月27日時点の登録一覧では、SBI VCトレードの取扱対象はUSDC、RLUSD、JPYSCの3銘柄、コインチェックはUSDCとされています。

こうした先行事例を踏まえると、国内ステーブルコイン事業では、登録の有無に加えて取扱銘柄や入出庫、運用、法人向け機能など、実際の利用環境が各社の違いとして表れ始めています。コインチェックがUSDC市場に加わることで、同じステーブルコインを扱う事業者間でも、顧客層やサービス設計による違いがより明確になりそうです。


267万口座の顧客基盤、USDCをどう組み込むか

コインチェックの参入では、同社が持つ個人向けの顧客基盤も重要なポイントです。マネックスグループが2026年8月に公表した資料によると、Coincheckの本人確認済み口座数は6月末時点の262万口座から7月末には267万口座まで増加しました。個人向けのCoincheckに加え、法人・機関投資家向けサービスや企業のオンチェーン事業支援にも事業領域を広げています。

顧客との接点も自社サービスの外へ広がっています。コインチェックは6月、APIを通じて他社サービスに暗号資産取引機能を組み込む「Coincheck CaaS」を開始し、第1弾としてメルコインと連携しました。メルカリアプリの利用者がメルコインの媒介を通じてコインチェックを取引相手に暗号資産を売買できる仕組みで、自社アプリ以外からサービスへ接続する経路を構築しています。

USDCについても、今後は取扱開始時期とともに、対応するブロックチェーンや入出庫・送金機能、個人・法人向けサービスとの接続方法が焦点となります。先行するSBI VCトレードが取扱銘柄と用途を広げるなか、コインチェックが既存の顧客基盤や外部サービスとの接点をUSDCにどう結び付けるかによって、国内ステーブルコイン市場における事業者間の違いも具体化していくことになりそうです。


公式発表:Coincheck

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