
自社開発なしで使える法人向けウォレット
NewLo株式会社は7月2日、法人向けウォレット「NewLo Business Wallet(NBW)」のクローズドベータテストを開始したと発表しました。NBWは、企業がステーブルコインを業務で扱う際の送金管理、承認フロー、監査対応を支援するSaaS型サービスです。
SaaSは、企業がシステムを自社で一から構築せず、クラウド上のサービスとして利用できる提供形態を指します。ステーブルコインを業務に取り入れる場合、ウォレットの開発や鍵管理に加え、送金権限、承認履歴、会計・監査用の記録をどう管理するかが課題になります。NBWは、こうした個人向けウォレットで扱いにくい実務面を、法人向けの業務ツールとして利用できるようにするサービスです。
企業がステーブルコインを導入する際は、送金の速さや手数料に目が向きやすい一方で、実際の業務では社内で安全に扱える体制を整えられるかが重要になります。NBWは、その管理部分に焦点を当てたサービスとして位置づけられます。
MPCとガスレス対応で導入負担を軽減
NBWはノンカストディアル型のMPCウォレットとして設計されています。MPC(Multi-Party Computation)は、秘密鍵を一カ所で単独管理しない鍵管理の仕組みで、公式発表ではスマートフォンでの承認が可能だと説明されています。
送金時には、社内の承認フローに沿って申請、承認、署名、監査ログの管理を行える設計です。送金先のホワイトリスト管理やCSV出力にも対応しており、経理・監査チームへの共有や証跡管理に使いやすい構成となっています。
NBWは、ステーブルコイン送金時に必要となるガス代のガスレス対応も掲げています。ETHやPOLなどの暗号資産をガス代用に保有しにくい企業にとって、送金業務を始める際の心理的・運用上の負担を下げる機能になりそうです。
クローズドベータで実務利用を検証
クローズドベータテストは2026年夏に実施予定で、参加費は無料です。参加を希望する企業はNBW専用ページから申請し、審査後に参加可否の連絡を受ける流れです。NewLoは複数企業とのパートナーシップを進めており、クローズドベータの参加企業も引き続き募集しています。
NewLoはNBWに加え、企業向けのステーブルコイン導入支援、コンサルティング、業務設計、システム実装、運用支援も行う方針です。ウォレット機能の提供に加え、企業の送金・決済業務にステーブルコインを組み込むための設計支援まで含めて展開する点が、今回の発表の見どころです。
日本円建てステーブルコインや法人向け決済インフラへの関心が高まる中で、企業側の論点は「ステーブルコインを使えるか」から「社内で安全に管理できるか」に移りつつあります。NBWのクローズドベータでは、ウォレット運用、権限設計、会計処理、送金フローを正式導入前に確認できるかが重要になります。
公式発表:NewLo PR TIMES

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