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Visa、企業のステーブルコイン運用基盤「VSP」を発表 Open USD対応でベータ提供

センチメンタルな岩狸

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サムネ


発行から償還までを共通環境で管理

Visaは7月16日、金融機関やフィンテック企業、決済サービス事業者、暗号資産関連企業を対象に、ステーブルコイン業務を一つの環境で管理する「Visa Stablecoin Platform(VSP)」を発表しました。日本では、ビザ・ワールドワイド・ジャパンが7月17日に発表内容の日本語版を公開しており、初期対応資産にはOpen Standardが展開する米ドル連動型ステーブルコイン「Open USD(OUSD)」が採用されます。

VSPは、企業がステーブルコインを財務管理や決済、資金移動へ導入する際に必要となるウォレット、銀行口座との接続、社内権限などをまとめて扱う法人向け基盤です。利用企業は、Visaが提供する「Wallet-as-a-Service」を利用する方法と、既存のウォレットやカストディ事業者を接続する方法から選択できるため、自社のシステム構成に応じて導入形態を調整できます。

さらに、銀行口座から法定通貨を入金してOpen USDを発行するオンランプと、保有するOpen USDを償還して銀行口座へ戻すオフランプにも対応します。これにより、企業は法定通貨からステーブルコインへの転換、ウォレットでの保有、送金、償還までを共通の管理環境から扱えるようになり、複数の事業者やシステムへ個別に接続する運用を整理できます。


法人利用を支える権限管理と監査機能

ステーブルコインを企業の実務へ組み込むには、ブロックチェーン上で資金を移動させる機能に加え、担当者ごとの操作権限や取引承認、送金先の制限、操作履歴の保存といった社内統制を整える必要があります。VSPは、こうした法人運用を想定し、銀行口座との接続からユーザー権限、承認ポリシーまでを共通の環境で管理できるようにしています。

重要な取引では、一人の担当者が操作を申請し、別の権限者が承認するデュアルコントロールを設定でき、パスキーによる認証や送金先ウォレットの許可リスト、操作内容を保存する監査ログも組み合わせられます。そのため、企業は誰が取引を申請し、どの権限者が承認したのかを追跡しながら、ステーブルコインの移動を既存の管理手続きへ組み込めます。

Visaの製品ページでは、対応ブロックチェーンとしてEthereum、Solana、Tempoが案内されています。ステーブルコイン市場では発行や送金の技術が普及する一方、企業が銀行口座や財務システム、承認フローと接続するための運用基盤が必要とされており、VSPはウォレット管理と銀行接続、内部統制を一体化することで、金融機関や決済事業者による導入を支える構成です。


Open USDを起点に決済インフラを拡張

VSPが最初に対応するOpen USDは、Open Standardが推進する米ドル連動型ステーブルコインで、参加企業が自社のサービスへ組み込み、利用規模に応じて準備資産から生じる収益を共有する仕組みを掲げています。VisaはOpen USDの発行主体として参加する形ではなく、企業が発行や償還、保有、送金を管理するためのインフラを提供することで、ステーブルコインの運用領域を担います。

この構成からは、Visaが特定のステーブルコインを市場へ直接供給するよりも、複数の金融機関や決済事業者がオンチェーン資産を利用するための共通基盤を整えようとしていることが読み取れます。複数の海外メディアはOpen USDがUSDCなど既存の米ドル連動型ステーブルコインと競合する可能性を指摘していますが、VSPが担うのは通貨の流通そのものより、企業がそれを既存の業務へ接続するための管理層です。

Visaはこれまで、ステーブルコインを活用した事業者間決済や国際送金、カード決済との連携を進めており、VSPによって発行前後の資金管理や社内承認まで提供範囲を広げます。一方で、VSPは一部顧客を対象としたベータ段階にあり、一般提供の時期や対象地域、料金体系、導入企業の詳細は公表されていません。今後は、金融機関や決済事業者が財務管理、決済、資金移動のどの業務へVSPを組み込み、Visaの既存ネットワークとオンチェーン資金をどこまで接続できるかが注目されます。


公式発表:Visa

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