
JPYCの利用前後に残っていたサービス間の移動
日本円ステーブルコイン「JPYC」を手がけるJPYC株式会社は7月13日、ウォレット事業者やJPYC利用サービス向けに「JPYC EX連携API」の提供を開始したと発表しました。事業者は自社のウォレットアプリやサービスを起点として、JPYC EXへのログインや発行・償還手続きへ利用者を案内できるようになります。
JPYCを決済や送金に利用するには、利用者が日本円からJPYCを入手し、利用後には必要に応じて日本円へ戻せる環境が欠かせません。一方、従来は外部ウォレットを利用していても、発行や償還の際にはJPYC EXへ移動し、手続きを済ませた後にウォレットへ戻る必要がありました。その過程では、送信先アドレスやネットワーク、数量を複数の画面で確認するため、サービス内の使いやすさを改善しても、入手と換金の場面で操作が分断される課題が残っていました。
発行・償還の管理とサービス側の操作設計を分担
連携APIは、JPYC EXへのログインとアカウント連携、発行・償還画面への遷移、ウォレットアドレスの登録補助、手続き状況に応じたステータス連携に対応します。JPYC EXの構築に携わったシンプレクス株式会社が開発と実装を技術面から支援しました。
本人確認や追加認証、申し込みの受付、取引可否と予約内容の確定はJPYC株式会社が担当し、外部事業者は利用者をJPYC EXへ案内した後、手続きの進行状況に応じて自社サービスの画面を制御します。これにより、事業者は発行・償還に必要な審査や管理の仕組みを一から用意する負担を抑えつつ、JPYCを入手して利用し、日本円へ戻すまでの流れを自社サービスに合わせて設計できます。
ステーブルコインの導入では、決済機能を追加することに注目が集まりやすいものの、利用者が残高をどのように用意し、利用後にどう換金するかまで整っていなければ、継続的な利用にはつながりにくくなります。JPYC EXとの接続を共通化する今回の仕組みは、発行・償還を外部サービスの利用体験に組み込むための基盤として位置づけられます。
HashPort Walletで利用者側の変化を具体化
第一弾の導入事例には、HashPortが提供するノンカストディアルウォレット「HashPort Wallet」が採用されました。利用者はウォレットからJPYC EXへ進み、認証や発行・償還の申し込みを行った後、再びウォレット上でJPYCの受取確認や送信操作を続けられます。
償還時には、JPYC EXで予約した内容をもとに、送信先アドレスや対象ネットワーク、送信数量がウォレットの送信画面へ反映されます。同じ情報を別画面へ転記する工程が減るため、予約内容と実際の送信内容が食い違うリスクを抑えやすくなります。JPYC EXのアカウント登録や本人確認、出金口座登録は引き続き必要ですが、利用者が次に行う操作を一連の流れとして把握しやすくなります。
JPYC株式会社は、決済アプリや地域通貨・ポイントサービス、Web3サービスなどへの展開を想定しています。APIの提供によって導入の土台は整いましたが、実際の利用拡大には、HashPort Walletに続く採用事例が増え、各サービスが発行・利用・償還を途切れない体験として設計できるかが重要になります。
公式発表:JPYC PR TIMES

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