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韓国・全北銀行がRipple Payments採用 地方銀行から広がる国際決済インフラ

センチメンタルな岩狸

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サムネ


地方銀行で初、法人向け国際送金に導入

ブロックチェーンを活用した金融インフラを手掛けるRippleは2026年8月18日、韓国の全北銀行(Jeonbuk Bank)と提携し、同行が法人向け国際送金に「Ripple Payments」を導入すると発表しました。韓国の地方銀行による採用は初めてで、輸出入企業やITスタートアップ、オンラインコンテンツ制作者など、海外との資金移動が多い法人顧客への提供を想定しています。

従来の国際銀行送金では、SWIFTネットワークを介して複数の中継銀行を経由するため、決済まで数日を要する場合があります。Ripple Paymentsは処理時間を数秒から数分程度へ短縮し、24時間365日の決済に対応することで、企業の送金効率や資金管理の改善につなげる仕組みです。

Rippleのアジア太平洋地域責任者フィオナ・マレー氏は、地方銀行が地域経済や実体経済を支える重要な存在だと位置付けています。大手金融機関やフィンテック企業で先行してきたブロックチェーン活用が、地域企業と直接取引する銀行の国際決済に入り始めたことは、韓国金融市場における技術導入の裾野が広がっていることを示します。


国際送金の高速化が企業取引に与える影響

国際送金の効率化による恩恵を受けやすいのは、輸出入代金やサービス利用料などを継続的に海外へ送る企業です。送金に複数営業日を要すれば、その間の資金拘束や着金確認が業務負担となり、複数の金融機関を経由する場合には手続きも複雑になります。決済時間が短縮されれば、送金業務の効率化に加え、企業側のキャッシュフロー管理にも影響を与える可能性があります。

Rippleは韓国の国際送金市場で以前から事業基盤を築いてきました。Coinone Transferをはじめ、Sentbe、Hanpass、WireBarleyなどの送金事業者がRippleNetを活用しており、Sentbeでは複数国を結ぶ送金ルートの構築事例も公表されています。

これまでの導入先は送金事業者が中心でしたが、全北銀行は地域企業との継続的な取引基盤を持つ銀行です。既存の銀行サービスにRippleの決済インフラが組み込まれることで、ブロックチェーンを活用した国際送金が、フィンテック分野の専門サービスから一般的な法人金融業務へどこまで浸透するかが焦点となります。


韓国金融界で進む次世代決済への対応

全北銀行の動きは、韓国金融界で進むデジタル資産や次世代決済への対応とも重なります。2026年には新韓金融やKB金融、IBK企業銀行、BNK金融、iM Bank、Tossなどが、ウォン建てステーブルコインやデジタル資産事業を巡る協議を進めており、金融機関が将来の制度整備を見据え、新たな決済インフラを模索する動きが活発になっています。

韓国政府もデジタル資産の発行や流通を対象とする制度整備を進める方針を示しており、ステーブルコインや国境を越えたデジタル資産取引を含む金融インフラの再構築が政策課題の一つになっています。韓国銀行によるCBDC関連の実証も続いており、銀行業界では既存の預金・決済システムとデジタル技術をどのように接続するかが大きな論点になっています。

こうした環境の中で、全北銀行は国際送金という既存の銀行業務からRippleとの連携に踏み込みました。新たなデジタル資産商品を前面に出す形よりも、企業が日常的に利用する決済業務への導入は実用性を検証しやすく、銀行側にとっても比較的具体的な事業効果を見極めやすい領域といえます。


Kbank、教保生命に続くRippleの韓国戦略

Rippleは2026年に入り、韓国の金融機関との接点を複数の領域で広げています。4月にはインターネット専業銀行Kbankと提携し、Ripple Custodyを利用した機関向けデジタル資産ウォレット基盤の導入を発表したほか、同月には教保生命とトークン化国債のオンチェーン決済に向けた取り組みを開始しました。

Kbankではウォレットインフラ、教保生命ではトークン化資産の決済、全北銀行では国際送金と、導入分野はそれぞれ異なります。こうした展開からは、Rippleが従来の送金ネットワークを中心とした事業から、決済、カストディ、ウォレット、トークン化資産関連サービスを含む金融インフラ企業へと事業領域を広げていることがうかがえます。

全北銀行のパク・チュンウォン頭取も、Rippleとの提携を新たな成長につなげ、地方銀行の枠を超えたグローバル水準のデジタル金融銀行を目指す考えを示しています。地域企業の海外展開を支える金融サービスを強化できれば、大手銀行との差別化や新たな法人顧客の獲得にもつながる可能性があります。


市場が見るのは採用件数より実利用

暗号資産市場では、Rippleと金融機関の提携が発表されるたびにXRPの利用拡大と結び付けて受け止められる傾向があります。ただ、投資家がより重視すべきなのは提携件数そのものより、導入されたサービスが実際の決済でどの程度使われ、継続的な取引量を生み出すかという点です。

RippleはXRPに加え、米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」など金融機関向けの選択肢を広げており、同社のインフラ事業が拡大するほど、企業としてのRippleの成長とXRP市場への波及を分けて分析する必要性も高まります。全北銀行で企業送金の利用が定着すれば、韓国の他行がRipple Paymentsを検討する際の先行事例として評価される可能性があります。

韓国では送金事業者、インターネット専業銀行、保険会社、地方銀行へとRippleの接点が段階的に広がってきました。次に問われるのは提携先の数ではなく、これらのサービスが実際の金融取引に定着するかどうかです。全北銀行での利用実績と、その実績を受けた他の金融機関の動きが、Rippleの韓国戦略の広がりを見極める重要なポイントになりそうです。


公式発表:Ripple

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