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政府、暗号資産を金商法の対象とする改正案を閣議決定

サムネ


暗号資産規制を資金決済法から金商法へ移管

政府は4月10日、暗号資産に関する規制を金融商品取引法(金商法)へ移す「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定し、同日国会へ提出しました。これまで暗号資産は、主に決済手段として資金決済法の対象となっていましたが、改正案では金融商品の取引として規制する仕組みに移行します。

ただし、暗号資産を株式や社債などの有価証券と同一に扱う内容ではありません。金融庁は、有価証券とは異なる金融商品として金商法に位置づけ、暗号資産の性質を踏まえた規制を適用する方針を示しています。

制度変更の背景には、暗号資産が決済よりも投資目的で保有される傾向が強まっていることがあります。金融庁の資料によると、国内の暗号資産口座数は1,400万を超えており、海外では暗号資産ETFを通じた機関投資家の資金流入も進んでいます。こうした市場環境の変化に合わせ、取引の公正性や利用者保護を強化する狙いです。


情報公表とインサイダー取引規制を整備

改正案では、暗号資産に関する情報公表制度も新たに整備します。発行者が募集や売り出しを行う暗号資産については、発行者の経営状況、暗号資産の性質や機能、供給量、基盤技術などの情報をあらかじめ公表する仕組みを設けます。

募集や売り出しを行った発行者には、重要な事象が生じた際の臨時情報と、年1回の定期情報の公表も求めます。一方、ビットコインのように特定の発行者を想定しにくい暗号資産については、取り扱う暗号資産取引業者が基本情報を公表する構成です。

さらに、暗号資産に対するインサイダー取引規制を創設します。発行者の解散、取引業者による暗号資産の取扱開始・中止、大量売買に関する未公表情報などを知る関係者が、公表前に取引する行為を禁止します。規制対象には、発行者や取引業者の関係者に加え、それらの関係者から重要情報を受け取った者も含まれます。


無登録業者への対応と利用者保護を強化

無登録で暗号資産取引業を行う事業者への対応も強化します。無登録業に対する拘禁刑の上限を、資金決済法上の3年から金商法上の10年へ引き上げるほか、証券取引等監視委員会による犯則調査や、裁判所への緊急差止めの申立てを可能にします。

また、暗号資産に関する公表情報に虚偽の記載があった場合には、損害賠償責任や課徴金、刑事罰を適用する規定も設けます。発行者による募集・売り出しで財務監査が行われていない場合には、投資額に上限を設定する方針も示されました。

今回の法案は、金融審議会の「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」が2025年12月にまとめた報告書を基礎としています。同報告書では、暗号資産の投資対象化が進む一方、情報の不透明さや無登録業者による勧誘、サイバー攻撃、不公正取引への対応が課題として挙げられていました。

閣議決定時点では、具体的な適用範囲や情報公表の詳細には、政令や内閣府令に委ねられる項目も残っています。今後の国会審議では、暗号資産を投資商品として規制する新たな枠組みと、事業者の負担やイノベーション促進をどのように両立させるかが焦点となります。

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