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暗号資産規制を金商法へ移管する方向 金融審議会WGが制度再編を提言

サムネ


投資対象化を踏まえ、資金決済法から金商法へ

金融庁は2025年12月10日、金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」が取りまとめた報告書を公表しました。暗号資産の規制を現在の資金決済法から金融商品取引法へ移し、有価証券とは異なる金融商品として位置付ける方向性が示されています。

日本では暗号資産を主に決済手段の観点から資金決済法で規制してきましたが、国内外で投資対象としての利用が広がっています。こうした変化を踏まえ、利用者保護や市場の公正性を確保する制度へ再編する必要性が高まったことが、今回の見直しにつながりました。


情報提供や不公正取引への規制を整備

制度見直しの背景には、暗号資産の発行者や専門家と一般利用者との情報の非対称性、詐欺的な投資勧誘、不公正取引などへの対応があります。WG報告では、発行者が存在する暗号資産について、資金調達を行う場合には必要な情報の提供を求めるほか、発行者がいない場合などには暗号資産交換業者に情報提供を求める方向が示されました。

不公正取引についても、上場有価証券などに適用されているインサイダー取引規制の枠組みを基に、暗号資産の性質に合わせた規制を整備する方針です。金商法への移管によって、暗号資産を投資対象として扱う実態に合わせながら、取引の公正性や利用者保護を制度面から強化する考えです。


業界も利用者保護や取引監視を強化へ

規制の見直しでは、利用者保護を強化する一方、暗号資産やブロックチェーン分野のイノベーションへの影響にも配慮することが課題となります。金融庁も制度検討にあたり、イノベーション促進の観点に留意する方針を示しています。

業界側でも対応が進んでいます。日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)、日本ブロックチェーン協会、日本暗号資産ビジネス協会の3団体はWGで、利用者へのリスク説明や顧客適合性の強化、暗号資産審査の独立性向上、不公正取引の監視強化などに取り組む姿勢を示しました。制度変更への対応は法律上の規制に加え、業界の自主規制や運用体制にも及ぶことになります。


2026年通常国会への法改正案提出を視野

WGでは、今回の規制見直しが暗号資産投資そのものに金融当局のお墨付きを与えるものではないとの意見も示されました。暗号資産は国境を越えて取引されるため、日本の規制が及ぶ範囲にも限界があり、利用者保護と市場の健全性を確保しながら実効性のある制度を構築できるかが重要になります。

金融庁は2025年中に暗号資産制度の議論を取りまとめ、その内容を踏まえて2026年の通常国会に金融商品取引法などの改正案を提出することを目指していました。暗号資産の投資対象化が進む中、資金決済法を中心としてきた日本の規制体系をどう組み替え、イノベーションと利用者保護を両立させるかが次の制度設計の焦点となります。


公式発表:金融庁

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