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韓国のトークン証券制度が実装段階へ ハンファ投資証券、複数チェーン対応基盤を構築

センチメンタルな岩狸

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制度施行を前にAvalancheとBesuへ対応

韓国紙「ソウル経済」は2026年9月6日、韓国のハンファ投資証券が、株式や債券などをデジタル化して発行・管理するトークン証券基盤を構築したと報じました。ブロックチェーン技術企業のFairSquare Labが2025年から開発を進めたもので、Avalancheと企業向けEthereumクライアント「Hyperledger Besu」を含む複数のネットワークに対応しています。

トークン証券は、資本市場法上の証券について、発行や移転、保有状況などの権利情報をブロックチェーンを含む分散型台帳へ記録する仕組みです。韓国では2026年1月に電子証券法と資本市場法の改正法が国会を通過しており、2027年2月4日の施行後は、一定の要件を満たす分散型台帳が証券登録簿として法的に認められます。制度の枠組みが固まったことで、証券会社の競争は構想や実証から、商用運用を見据えたシステム整備へ移り始めています。

韓国の証券業界では、参加者を限定して運用できるHyperledger Besuの採用が先行し、未来アセット証券などがトークン証券システムへ導入してきました。ハンファ投資証券は、参加者やバリデーターを管理できる独立ネットワークを構築可能なAvalancheにも対応することで、証券の種類や接続先、求められる管理水準に応じて基盤を選べる構成を採用しました。単一の技術へ固定せず、制度や市場環境の変化に合わせてシステムを拡張できる点に、マルチチェーン対応の狙いがあるとみられます。


預託決済インフラも実証から商用運用へ

証券会社による個別基盤の開発と並行して、韓国預託決済院も、トークン証券を既存の電子証券制度へ組み込む共通インフラを整備しています。開発を受注したSamsung SDSは、2024年の機能分析コンサルティングと2025年の実証基盤構築を経て、実取引に対応する商用システムを2027年2月までに完成させる計画です。既存の電子証券口座システムと分散型台帳上のデータを連携させ、発行・流通総量や権利情報の管理、ブロックチェーンノードの運用に対応します。

同院のシステムはHyperledger Besu、Hyperledger Fabric、Avalancheとの接続を想定しており、預託決済院や証券会社などの電子登録機関・口座管理機関が分散型台帳へ参加します。証券会社が異なるブロックチェーンを採用しても、共通インフラを通じて法定の電子登録と発行総量の管理につなげられるため、個別基盤の開発と市場全体の統一的な管理を両立できる構成です。

ハンファ投資証券の基盤も、韓国預託決済院との接続を通じて制度上の証券管理へ組み込まれることで、実務上の役割が明確になります。その際は、両者が管理する権利情報を正確に同期し、障害発生時にも既存の電子証券制度と同等の安定性を維持する必要があるため、複数のネットワークをつなぐ相互運用性と運用体制が商用化の焦点となります。


小口投資中心から伝統的な金融商品へ拡大

韓国ではこれまで、美術品や音楽著作権などを対象とする小口投資商品がトークン証券を巡る議論の中心でしたが、制度施行後は株式や債券、ファンドなどの伝統的な金融商品へ対象が広がります。韓国金融委員会が9月4日に公表した政策ロードマップによると、2027年2月に始まる第1段階では、私募MMFや機関投資家専用の債券、信託方式による非上場株式、公募型の小口投資証券がトークン化の対象となります。

制度改正に伴い、従来は発行者が自ら投資家を募集していた投資契約証券も、証券会社を通じて流通できるようになります。トークン証券専用の認可制度は設けず、金融投資業者が既存の免許で認められた業務範囲内で取り扱える仕組みとすることで、既存の証券会社が参入しやすい環境を整えます。そのうえで、分散型台帳の接続審査や運用テスト、障害に備えた事業継続計画、店頭市場における取引監視を求め、投資家保護とシステムの安定性を確保する方針です。

第2段階では公募証券全般へ対象を広げ、最終段階ではステーブルコインなどと連携したオンチェーン決済基盤の構築を目指します。発行から取引、清算、決済、権利行使までを一連のデジタル基盤で処理する構想であり、証券の記録方法を分散型台帳へ移すことに加え、複数の機関にまたがる証券業務をどこまで効率化できるかが中長期的な注目点です。


外部投資で広げた機能を国内証券事業へ

ハンファ投資証券は、トークン証券の制度化に先立ち、デジタル資産事業に必要な機能を外部企業への投資や提携を通じて広げてきました。2025年12月には、デジタルウォレットやトークン化技術を手がける米Kresusと業務提携し、2026年2月に約180億ウォンを投資しました。同年1月にはデジタル資産データプラットフォーム「Xangle」へ100億ウォンを投じ、データ分析やリサーチ分野の機能も強化しています。

RWAのトークン化を手がけるSecuritizeにも出資しており、2026年7月には金融機関向けブロックチェーン「Canton Network」を運営するDigital Asset Holdingsへ約300億ウォンを投資しました。これにより、データ分析、ウォレット、トークン化、金融機関向けネットワークをカバーする投資先がそろい、新たな基盤を軸に、それぞれの領域で蓄積した知見を韓国国内の証券発行・管理業務へつなげる構図が見えてきました。

制度開始後は、ハンファ投資証券が最初にどの証券を取り扱い、AvalancheとHyperledger Besuをどのように使い分けるかが注目されます。韓国預託決済院との接続や障害時の復旧体制を含め、構築した基盤を具体的な商品発行と安定した権利管理へ移せるかは、韓国のトークン証券市場が実証段階から商用運用へ進む過程を示す一つの事例となりそうです。


参考資料:ソウル経済

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