
ウォン建てステーブルコインの発行から送金までを検証
レイヤー1ブロックチェーン「Kaia」を運営・推進するKaia DLT Foundationは5月18日、韓国の大手銀行であるKB国民銀行が、KGイニシス、OpenAsset、Kaiaと共同で、ウォン建てステーブルコインを使った技術検証(PoC)を完了したと発表しました。
今回のPoCでは、ウォン建てステーブルコインの発行、オフライン決済、加盟店精算、海外送金までを一連の流れとして接続しました。利用者の決済体験を大きく変えずに、内部の精算処理をブロックチェーン上で行えるかを確認した点が特徴です。
HOLLYSのキオスク決済で実生活利用を想定
実生活決済の検証では、韓国のカフェチェーン「HOLLYS」のオフラインキオスク決済を想定した仕組みが実装されました。利用者は別途デジタルウォレットをインストールせず、QRコード決済で支払える構成です。
決済後の精算プロセスでは、ブロックチェーン上のスマートコントラクトが自動で実行される仕組みを検証しました。消費者側の操作を大きく変えずに、加盟店精算の裏側をオンチェーン化する点が検証されています。
ベトナム送金は3分以内、手数料削減も確認
海外送金の検証では、ウォン建てステーブルコインをKaia上のオンチェーン流動性を通じて米ドル建てステーブルコインへ転換し、ベトナムの現地パートナーを経由して銀行口座へ送金する流れを実装しました。発表によると、送金プロセス全体は3分以内で完了し、従来のSWIFTベースの送金と比べて約87%の手数料削減効果も確認されました。
今回のPoCは、ウォン建てステーブルコインを国内決済だけでなく、国際送金の精算にも接続する取り組みとして位置づけられます。ただし、現時点では商用サービスの開始ではなく、実務フローを技術面で確認した段階です。
制度整備を見据えた実用化準備へ
韓国では、ウォン建てステーブルコインの制度化に向けた議論が進んでいます。KB金融グループは、今回の検証で得た運営設計やパートナーネットワークをもとに、将来的な実サービス化に向けた準備を続ける方針です。
一方で、商用化に向けては、規制対応やKYC・AML、トラベルルール、送金時のデータ連携、流動性確保などの課題も残ります。TPSのストレステスト、ISO 20022との連携、直接的なFX流動性プールの整備なども、今後の検討課題になるとみられます。
韓国の制度整備が進む中で、今回検証した発行、決済、精算、海外送金の流れを、どの範囲まで実サービスに組み込めるかが次の論点になります。
公式発表:Kaia PR TIMES

コメント