
UnifiからJPYCの発行・償還手続きが可能に
LINE NEXTが展開するステーブルコインウォレット「Unifi」は8月24日、日本円ステーブルコイン「JPYC」の発行・償還に対応したと公式Xで発表しました。JPYC社が運営する発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」と連携することで、利用者はUnifiを起点に、JPYCの発行から日本円への償還までの手続きを進められるようになりました。
発行時はUnifi上で希望するJPYCの数量を入力し、日本円の入金が確認されると1JPYC=1円のレートでウォレットへJPYCが発行されます。保有するJPYCを日本円へ戻す場合も、Unifiから償還手続きへ進み、登録した銀行口座で受け取ることができます。
Unifiは、秘密鍵を含む資産を利用者自身で管理するノンカストディアル型ウォレットです。これまではJPYC EX側で発行・償還の手続きを行い、Unifiを発行先や送付元のウォレットとして利用する流れが中心でしたが、今回の連携によって、普段利用するUnifiからJPYC EXの手続きへ移行できる導線が組み込まれました。審査や追加認証、申込みの最終受付・確定などは引き続きJPYC社が担うため、発行主体や手続きの管理主体が変わるものではなく、利用者側のアクセス方法が簡略化された形です。
JPYCの保有から決済、円との接続へ段階的に拡大
今回の機能追加は、Unifiがこれまで進めてきたJPYC対応の延長線上にあります。Unifiは5月22日にJPYCへの対応を開始し、Kaiaネットワーク上のJPYCをLINEアプリから管理できる環境を整えました。JPYC社によると、LINEアプリを通じたKaia上でのJPYC利用は国内初の事例で、保管に加えて送金や決済などへの利用拡大が想定されていました。
その後、LINE NEXTは6月30日に日本国内向けのJPYC預入サービスを開始し、ウォレット内にJPYCを保有するための入口を広げました。同社は8月6日の発表で、サービス開始から1週間でUnifi内のJPYC保有総額が12億円を超えたと説明しており、同日にはステーブルコイン決済基盤「Unifi Pay」も正式に始めています。これにより、UnifiではJPYCを保有する環境に加え、オンライン・オフライン決済や、日本人旅行者向けの韓国観光商品・バウチャー購入など、保有後の利用先も広がってきました。
こうした整備に今回の発行・償還機能が加わったことで、UnifiのJPYC対応は「保有する」「使う」という段階から、円からJPYCへ入り、必要に応じて再び円へ戻すところまで範囲を広げたことになります。JPYC EX側で必要な本人確認や口座登録などの手続きは残るものの、LINEアプリから利用するウォレットを起点に一連の流れへアクセスできるようになった点は、これまで分かれていた操作をつなぐ意味を持ちます。
Kaiaでの流通拡大がUnifiの利用基盤にも接続
UnifiがJPYCを扱う環境を広げる一方で、その基盤となるKaia側でもJPYCの流通環境は整備されています。JPYC社は5月15日、JPYC EXでKaiaチェーンへの対応を開始するとともに、発行上限を従来の「1日あたり100万円」から「1回あたり100万円」へ変更しました。短時間での連続申請は制限されていますが、1日に複数回発行できる運用へ改められたことで、従来より柔軟に発行手続きを行えるようになっています。
JPYCはAvalanche、Ethereum、Polygon、Kaiaの4チェーンで発行されていますが、Unifiが利用するKaiaでは流通量の伸びも目立ちます。8月25日時点のJPYC infoのデータを引用したNADA NEWSによると、JPYC全体の総流通量は約28.5億JPYCで、このうち約19.4億JPYCがKaia上にあり、全体の約68%を占めています。
Kaia上でJPYCの流通量が拡大する中、Unifiでは預入、決済に続いて発行・償還への導線も整いました。流通量が増えることと実際の利用が広がることは同じ意味ではないため、今後はウォレット内に保有されたJPYCが送金や決済へどの程度動くのか、さらに円から新たに発行されたJPYCがどのサービスで使われるのかが、利用実態を見るうえで重要になります。
JPYC対応ウォレットで発行・償還への導線整備が進む
Unifiの動きは、JPYCを扱うウォレット全体で進む利用導線の整備とも重なります。HashPortは7月、「HashPort Wallet」にJPYC EXとの連携機能を導入し、ウォレットからJPYCの発行・償還手続きを進められる仕組みを整えました。JPYC社も同月、外部のウォレットやサービスとJPYC EXを接続する「JPYC EX連携API」の提供を始めており、普段利用するサービスから発行・償還へ移行しやすくする取り組みを進めています。
JPYC EX連携APIでは、ログインや発行・償還画面への遷移、ウォレットアドレスの登録などを外部サービスとつなぐことができ、利用者が複数のサービスを行き来する負担を抑える設計となっています。JPYCの対応先が広がるにつれ、ウォレットでは保有や送金に対応することに加え、日本円との出入りをどの程度分かりやすくつなげられるかも、利用体験を左右する要素になりつつあります。
UnifiではすでにUnifi Payを通じたJPYC決済の利用先拡大も進んでいるため、今回の発行・償還対応は、円からJPYCを取得し、そのまま決済や送金へつなげる流れを強める施策と位置付けられます。今後は、こうした導線整備が新規利用者の獲得につながるか、さらにUnifi内に保有されるJPYCが実際の決済や送金へどの程度移っていくかが注目されます。
公式発表:Unifi 公式X

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