
JCBの決済網とCircleの基盤を接続
JCBは7月14日、Circle Internet Groupの関連会社と、ステーブルコインを活用した協業検討に関する基本合意書(MOU)を締結したと発表しました。協議の対象は、USDCを活用したクロスボーダー・トレジャリーと決済、日本国内の加盟店におけるステーブルコイン対応決済の2領域です。まずJCB社内の資金移動に関する実証実験を検討し、その後の利用範囲拡大を探ります。
Circleは米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」を発行し、複数のブロックチェーンを接続するGatewayや法人向けブロックチェーン基盤のArcなどを展開しています。国内外のカード会員や加盟店、金融機関を結ぶJCBの決済網と組み合わせ、オンチェーン上の資金を企業の財務業務や店頭決済へ接続できるかを検証する構想です。
社内資金移動からUSDCの運用を検証
初期段階では、JCBの社内資金移動を対象に、USDCを活用した実証実験(PoC)を検討します。国や地域をまたいで企業の資金を管理するクロスボーダー・トレジャリーにUSDCを組み込み、決済処理の効率化や送金コストの低減を確認しながら、より広範な国際決済フローへの適用可能性を探る方針です。
海外拠点間の資金移動では、利用する通貨や金融機関、送金経路によって複数の処理が必要となり、着金までに時間差が生じる場合があります。ブロックチェーン上で移転できるUSDCを利用すれば処理経路を簡素化できる可能性がありますが、企業の実務へ組み込むには、既存の財務管理や残高確認、社内承認手続きとの連携が欠かせません。利用者向けの決済に先立って自社業務を検証対象とすることで、技術面と運用面の課題を段階的に洗い出しやすくなります。
店舗決済では精算処理と相互運用性が焦点
両社は、日本国内の利用者や訪日外国人による店頭での支払いを想定し、加盟店向けのステーブルコイン決済についても協議します。複数のブロックチェーン・ネットワークをまたいで利用できる相互運用性を確保し、利用者が保有資産のチェーンを意識せずに支払える環境の構築を検討します。
店舗への導入では、ウォレットからステーブルコインを送付する機能に加え、加盟店への入金通貨や精算時期、返金、売上取消、為替換算を含む一連の処理を整える必要があります。チェーンごとに決済手順が異なり、加盟店側にも資産管理を求める仕組みでは、既存のカード決済と比べて導入負担が増えるため、ブロックチェーン固有の処理を決済システムの裏側で吸収できるかが重要です。
対応するステーブルコインやブロックチェーン、実証の対象地域、参加加盟店、導入時期は今後の協議で具体化されます。社内資金移動でUSDCの運用手順を確立し、その仕組みをJCBの加盟店・精算網へ接続できれば、企業間の国際資金管理と消費者の店頭支払いを連続して扱う決済モデルが形を帯びる可能性があります。
公式発表:JCB PR TIMES

コメント