
NFT・ブロックチェーンのマーケティング知見を発信
ブロックチェーンやNFTを活用したマーケティングを手掛けるSUSHI TOP MARKETINGは2026年8月18日、マーケティングに関する知見を発信する公式noteの運用を開始しました。企業や自治体の担当者を主な対象とし、顧客接点の設計、販促・地域活性化、CRM、ブロックチェーンの活用事例などを取り上げます。
同社によると、顧客からは施策を始める前にマーケティングの基本的な考え方を知りたい、顧客との接点を継続的な関係につなげる方法を学びたいといった声が寄せられてきました。こうした需要を受け、公式noteではプロジェクトを通じて蓄積したノウハウに加え、独自のマーケティング理論や研究、イベント・セミナーのレポート、業界動向なども発信する方針です。
企業がnoteを情報発信に活用する動き自体は珍しくありません。ただ、SUSHI TOP MARKETINGの場合は、NFTの発行・配布技術を紹介する従来の情報発信から、顧客接点の設計やデータ活用を含むマーケティング全体へテーマを広げている点が目を引きます。背景には、同社がNFTを顧客との接点として位置付け、取得後の来店や購買、再参加といった行動まで追う事業モデルを強化してきた流れがあります。
NFTを起点に顧客行動を捉える仕組み
その事業の中核にあるのが、SUSHI TOP MARKETINGが展開する「トークングラフマーケティング」です。同社の「トークングラフマーケター」は、イベント、店舗、Webなどで生じる参加・来店・購買といった行動を顧客単位で蓄積し、分析結果を次の施策や特典設計へ活用するブロックチェーンCRMとして提供されています。
実際、日本郵政不動産と五反田JPビルディングで実施した施策では、2025年11月の第1回で参加者の約5人に1人が施設内で飲食し、2026年3月の第2回ではアンケート回答者のクーポン利用率が約90%に達しました。さらに、両方の施策に参加したリピーターも約10%確認されており、NFT取得を起点として、その後の来店や購買、再参加まで追跡する活用例が具体化しています。
こうした実績から見えてくるのは、同社がNFTを単独のデジタルコンテンツとして扱うのではなく、顧客行動を識別し、次の施策につなぐ接点として組み込んでいることです。NFTマーケティングという言葉はコレクション販売やキャンペーン景品を想起させやすいものの、同社の事業は販促や施設回遊、CRMといった企業の既存業務へ活用範囲を広げています。
顧客データの分散が企業マーケティングの課題に
こうした方向性は、企業のデジタルマーケティングを取り巻く環境とも重なります。Web、店舗、アプリ、SNS、各種キャンペーンと顧客接点が増えるほどデータは複数のシステムに分散しやすく、一人の顧客がどの接点を経て購買や再来店に至ったのかを横断的に把握する難しさが増しています。
実際、花王はブランドごとのデジタル施策拡大に伴って顧客データが分散する課題に対応するため、1st partyデータを統合するマーケティング基盤の整備を進めています。また、Brazeが2026年に公表した日本市場の調査でも、日本企業は過去の顧客行動を利用したパーソナライゼーションに強みを持つ一方、複数の施策やチャネルを横断的に連携させるオーケストレーションには改善余地があるとされています。
この市場環境を踏まえると、SUSHI TOP MARKETINGがNFTを顧客接点の識別と行動データの蓄積に利用する狙いは、企業が抱えるデータ分散の課題とも接点を持ちます。ただし、すでに会員IDやアプリ、CRMを整備している企業にとっては、NFTやブロックチェーンを追加することで既存システムと比べてどのような効果が得られるのかが重要です。技術そのものの新規性より、顧客理解や購買促進、継続利用といった成果にどこまで結び付けられるかが導入時の評価軸になります。
公式noteで問われる「NFT導入後」の成果
SUSHI TOP MARKETINGは2026年に入り、レシートをAIで解析してNFTを発行する「SUSHI TOP OCR」や、クイズ・キーワード入力を起点としたNFT配布機能などを相次いで展開してきました。顧客が施策に参加する入口を増やす一方、そこで得られた行動データを「トークングラフマーケター」で蓄積・分析する仕組みを拡充しており、一連のサービスは顧客接点の獲得からデータ活用までを連続させる構成になっています。
そのため、公式noteでも機能紹介や導入事例の紹介に終始するより、NFTをどの接点で利用し、その後の来店や購買、再参加にどの程度つながったのかを具体的に示せるかが重要になります。企業のマーケティング担当者にとって、技術の仕組みや配布方法以上に、施策前後で顧客行動がどう変化したのかを確認できる事例の方が、導入効果を判断しやすいためです。
今後公開される記事で、NFTの配布数やキャンペーン参加者数に加え、来店率、購買率、リピート率など事業成果に近い指標がどこまで示されるかは一つの焦点になります。公式noteはSUSHI TOP MARKETINGにとって情報発信の場であると同時に、同社が掲げるトークングラフマーケティングを実際の成果と結び付けて説明できるかを示す場にもなりそうです。

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