WEB3イベント

Apyxとアライドアーキテクツ、金融実務家向け会議を10月開催 オンチェーン運用を議論

センチメンタルな岩狸

センチメンタルな岩狸

サムネ


金融・Web3の意思決定者150〜200人が参加予定

株式会社CoinPostは2026年9月11日、Apyxとアライドアーキテクツ株式会社が主催するビジネスイベント「The Great Rotation “大転換” ― 日本は世界のオンチェーン利回りをどう獲るか」を、10月2日に東京都港区で開催すると発表しました。CoinPostと子会社の株式会社SBIイベントクリエイトが企画・運営を担います。

当日は16時に開場し、16時30分からキーノートとパネルディスカッション、18時30分から立食形式のネットワーキングディナーを行います。参加費は無料ですが、事前登録と主催者の承認が必要です。機関投資家やファンド、プロトレーダー、金融機関、ベンチャーキャピタル、暗号資産交換業者の幹部、Web3事業責任者など150〜200人の参加を想定しています。

注目セッションには、SBI VCトレードの近藤智彦代表取締役社長による「日本のオンチェーン利回り元年―家計金融資産の『大回転』にステーブルコインは何をもたらすか。」が挙げられています。国債や優先株式などから生じる収益をブロックチェーン上で扱う動きが広がるなか、日本の企業や投資家がオンチェーン市場へ参加するための制度と運用体制が主要な議題となります。


トークン化米国債は157億ドル規模に拡大

イベント開催の背景には、ブロックチェーン上で扱われる資産が暗号資産から国債やファンド、民間信用などへ広がっていることがあります。RWA市場の情報基盤「RWA.xyz」によると、トークン化された米国債関連商品の残高は2026年9月11日時点で約157億7,000万ドルに達しました。BlackRockの「BUIDL」、Circleの「USYC」、Ondo Financeの「USDY」など、複数の商品が10億ドルを超える規模に成長しており、伝統的な金融資産をオンチェーンで保有・運用する市場が形成されつつあります。

Apyxもこの流れを踏まえ、伝統的な資本市場で生じる収益をブロックチェーン上へ接続する仕組みを構築しています。同社の合成ドル「apxUSD」は、デジタル資産を財務戦略に組み込むDAT企業が発行した変動金利型優先株式の分散ポートフォリオを裏付けとしており、これを基盤とする「apyUSD」は、優先株式から生じる配当を蓄積する利回り型資産として設計されました。

apxUSDの発行と償還は、対象地域の承認済み参加者が担い、償還時には裏付けの優先株式を直接渡さずUSDCで決済します。オフチェーンの配当収益をDeFiで扱える反面、優先株式の価格や流動性、発行企業への集中、USDCへの換金経路が償還能力に影響するため、収益率と資産回収までの仕組みを併せて評価する必要があります。


日本でも制度改正が実際の運用に反映

Apyxが海外の収益性資産とオンチェーン市場をつなぐプロダクトを展開するなか、共同主催するアライドアーキテクツは、企業による導入と事業開発を支援しています。同社はマーケティング領域のAIトランスフォーメーション事業に加え、オンチェーン経済圏での資産価値向上を目指す「資産AX事業」を展開してきました。Ethereum Japanのワーキンググループでも事務局を務め、日本企業がRWAやステーブルコインを利用する際の実務上の課題を研究しています。

企業側の取り組みを支える制度も変化しています。2026年6月1日に施行された改正資金決済法と関係法令により、信託型ステーブルコインの裏付け資産は、発行額の50%を上限として、残存期間が3カ月以内の国債や一定の定期預金で運用できるようになりました。それまで原則として要求払預貯金で管理されていた資金の一部を、安全性と流動性の要件を満たす金融資産へ振り向けられるようになり、制度改正がステーブルコインの資産管理に反映され始めています。

この枠組みを利用し、SBI新生信託銀行とSBI VCトレードは9月7日、円建てステーブルコイン「JPYSC」の裏付けとなる信託財産のうち10億円を短期国債で運用し始めました。同日時点の発行残高は約201億円で、SBI VCトレードが受け付けたJPYSCレンディングの申し込みも約69億円に達しています。ステーブルコインの発行に加え、裏付け資産の運用と利用者向けサービスが動き出したことで、国内市場の論点は制度整備から具体的な運用方法へ移りつつあります。


利回りの源泉とリスクを分けて捉える必要

「オンチェーン利回り」という言葉には、異なる収益構造が含まれています。ApyxのapyUSDは、裏付けとなる優先株式の配当をトークン側へ蓄積する設計ですが、JPYSCの短期国債運用はステーブルコインを支える信託財産の管理に当たり、その収益が保有者へ自動的に付与される仕組みではありません。

JPYSCの保有者が収益を得る「JPYSCレンディング」は、保有資産をSBI VCトレードへ一定期間貸し出し、対価として利用料を受け取る消費貸借取引です。予定年率は1〜3%程度とされていますが、円預金や預金保険制度の対象にはならず、貸出期間中は原則として中途解約できません。貸し出されたJPYSCは資金決済法に基づく分別管理の対象から外れるため、利用者はSBI VCトレードの信用リスクも負うことになります。

JPYSCの流通範囲はSBI VCトレードの口座内に限られており、外部ウォレットへの入出庫やパブリックチェーン上での流通は、法令や税務実務の整理と監督当局の確認を経て進められる予定です。海外で拡大するオンチェーン資産を日本の企業や機関投資家が運用するには、収益率に加えて、原資産、償還時の流動性、資産管理、税務、取引相手の信用を明確にすることが求められます。

10月2日の会議では、海外で成長するデジタルクレジットを日本の金融制度とどのように接続し、実際の運用へ落とし込むかが注目されます。収益が生まれて投資家へ届くまでの経路とリスクを説明できる体制を築けるかが、オンチェーン運用を国内に定着させる鍵となります。


公式発表:CoinPost PR TIMES

Web3TheGreatRotationWeb3イベントオンチェーン利回りオンチェーン金融ApyxJPYSC日本円ステーブルコイン
センチメンタルな岩狸

センチメンタルな岩狸

このニュースをシェア

コメント

0件のコメント
コメントがありません。