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海外Web3ゲームは「競技化」へ向かうのか ― eスポーツ・大会型タイトルの最新動向を読み解く

センチメンタルな岩狸

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サムネ


近年、ブロックチェーンゲームを巡る海外の動向に変化が見られます。かつて主流だった「Play-to-Earn(遊んで稼ぐ)」モデルから距離を取り、競技性や観戦体験を重視した「大会型・eスポーツ型」の取り組みが目立ち始めています。

本記事では、海外で進むWeb3ゲームの競技化に関する最新動向を整理し、その背景や、日本市場にとっての示唆を読み解きます。


海外Web3ゲームに広がる「大会型」への動き

象徴的な事例の一つが、WEMADEが展開するWeb3ゲーム「Legend of YMIR」です。同社は本作において、世界大会「YMIR Cup World Championship」の開催を発表しました。オンラインとオフラインを組み合わせた形式で、周辺デバイスメーカーや配信プラットフォームとの連携も想定された設計となっています。

この取り組みは、Web3ゲームを従来型eスポーツと同じ土俵で成立させようとする試みと捉えることができます。競技ルール、観戦、配信といった要素をあらかじめ組み込み、大会体験全体を視野に入れた設計がなされている点が特徴です。

同様の動きは他タイトルにも見られます。Immutable基盤で展開される「Illuvium」では、賞金付きの公式トーナメントが実施され、プレイ成績に基づく競争が前面に押し出されています。トークン配布よりも、競技結果やゲーム理解度そのものが価値を持つ構造が採用されています。

さらに、Thirdverseが開発する「XOCIETY」では、今後のロードマップの一つとして、eスポーツ大会のようなオフラインイベントの開催が言及されており、プロゲーマーとユーザーが交流する場の創出が構想されています。

また、Polkadotが関与するeスポーツ大会では、Web3ゲームを競技タイトルとする形に限定せず、既存のeスポーツタイトルを活用しながら、運営やコミュニティ設計、報酬設計にブロックチェーン技術を取り入れるケースも登場しています。ここでは「Web3=ゲーム内容」ではなく、大会基盤や参加体験を支える技術として活用されている点が特徴的です。

これらの事例から、海外ではWeb3ゲームを巡る競技・大会の形が一様ではなく、大会形式、賞金設計、配信手法が多様化していることがうかがえます。


Web3ゲームはeスポーツ化へ進化しているのか

こうした動きの背景には、Play-to-Earnモデルが抱えてきた課題があります。トークン価格への依存、短期的な投機行動、プレイ体験の希薄化といった問題は、多くのWeb3ゲームが直面してきました。

その反省から、近年の海外タイトルでは「稼げるかどうか」よりも、継続的に遊ばれる設計や、観戦に耐える競技性が重視されつつあります。大会やリーグを通じて、プレイヤー同士の技量差が可視化され、視聴者が試合として楽しめる構造を作ろうとする動きです。

特に注目されるのは、公式大会やリーグ制をあらかじめ前提とした設計が増えている点です。単発イベントではなく、シーズン制やランキング、地域予選など、既存eスポーツに近い枠組みが採用され始めています。また、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド開催も一般化しつつあります。

とはいえ、これらの動きがそのまま「Web3ゲーム=eスポーツ化」と断定できる段階ではありません。競技性を高める一方で、一般プレイヤーとの距離が広がる可能性や運営コストの増大といった課題も残されています。ただし、海外ではWeb3ゲームの方向性を模索する中で、「競技化」が有力な選択肢の一つとして浮上しつつあります。


日本市場にとっての参考点

日本市場に目を向けると、eスポーツ自体はすでに一定の成熟段階にあります。国内リーグや大型大会、配信文化も定着し、競技ゲームを「観る」体験は広く受け入れられています。この環境を踏まえると、海外Web3ゲームの競技化は日本にとっても示唆に富む動きといえるでしょう。たとえば、以下のような取り組みが考えられます。

  1. 大会視聴者に対するNFT配布
  2. 観戦実績に応じたデジタル特典
  3. トークンを用いたファン参加型施策

こうした取り組みを通じて、eスポーツ文化とWeb3要素を組み合わせる余地があると考えられます。

一方で、日本では投機色の強い仕組みに対する慎重な姿勢も根強く、単純なトークン報酬モデルは受け入れられにくい側面があります。その意味でも、海外で進む「競技性・視聴体験重視」の流れは、日本市場との親和性が比較的高い方向性と見ることもできます。


Web3ゲームは「稼ぐ」から「競う・観る」へ

海外のWeb3ゲーム業界では現在、明確な正解が定まっているわけではありません。しかし、Play-to-Earnに偏っていた時代から競技性や大会体験を軸とした新たな模索が始まっていることは事実です。

これらの動きが一過性に終わるのか、あるいはWeb3ゲームの一つの定番モデルとして定着するのかは、今後の運営成果やユーザーの受け止め方に左右されるでしょう。日本市場にとっても海外事例を踏まえつつどの要素が適合しうるのかを見極めていく段階に入っているといえそうです。

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