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Upbit約445億ウォン流出事件から見る取引所セキュリティ ホット・コールドウォレットの違い

センチメンタルな岩狸

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サムネ


Solana系24銘柄が流出、被害はホットウォレットで発生

2025年11月27日、韓国大手暗号資産取引所Upbitで、Solanaネットワーク系の暗号資産約445億ウォン(当時約47億円)相当が外部ウォレットへ不正送金される事件が発生しました。対象はSOLやUSDC、RENDER、JUP、BONKなど24銘柄に及び、Upbitは異常な出金を確認した後、暗号資産の入出金を停止してセキュリティ点検に入りました。

Upbitによると、不正送金が発生したのはインターネットに接続して利用するホットウォレットで、分離して保管していたコールドウォレットでは侵害や資産流出は確認されませんでした。同社は追加の不正送金を防ぐため資産をコールドウォレットへ移し、流出による損失については自社資産で全額補填する方針を示しました。

今回の事件は、取引所が迅速な入出金サービスを提供するために利用するホットウォレットと、安全性を重視して資産を隔離するコールドウォレットの役割の違いを改めて浮かび上がらせました。


ホットウォレットは利便性と外部接続リスクを抱える

ホットウォレットはインターネットやブロックチェーンネットワークに接続した状態で利用され、取引所ではユーザーからの入出金を速やかに処理するために使われています。資産を必要なタイミングで移動しやすい一方、オンライン環境に接続する以上、秘密鍵や署名システム、アクセス権限などを狙った攻撃への対策が必要になります。

そのため、取引所では保管資産すべてをホットウォレットに置くのではなく、入出金に必要な資産と長期保管する資産を分けて管理する方法が一般的です。Upbitも今回、異常な出金を検知した後に資産をコールドウォレットへ移動し、入出金システム全体の安全性を確認する措置を取りました。

ただ、今回の流出原因についてUpbitは事件発生時点で詳細な技術情報を公表しておらず、ホットウォレットのどの部分が侵害されたのかまで断定することはできません。事件そのものと、一般的なホットウォレットのリスクを分けて考える必要があります。


韓国では利用者資産の80%以上をコールドウォレットで保管

コールドウォレットは、秘密鍵など資産を動かすために必要な情報をインターネットから分離して管理する方式です。オンライン経由で直接アクセスされる機会を減らせるため、ホットウォレットと比較してサイバー攻撃への露出を抑えられます。

韓国では2024年7月に施行された「仮想資産利用者保護法」に関連する監督規程により、仮想資産事業者は利用者から預かった暗号資産について、経済的価値の80%以上をコールドウォレットで常時保管することが求められています。取引所によるコールドウォレット利用は任意のセキュリティ対策にとどまらず、利用者資産を保護する制度上の仕組みにも組み込まれています。

今回の事件でも、Upbitは不正出金がホットウォレットで発生し、コールドウォレットでは侵害や盗難がなかったと説明しました。ただし、これだけでコールドウォレットそのものがあらゆるリスクを防げると考えるのは適切ではありません。秘密鍵の管理方法や署名権限、内部統制、物理的な保管環境など、実際の安全性は運用体制にも左右されます。


6年前にも大規模流出、金融当局が現場点検へ

Upbitでは2019年11月27日にも約580億ウォン相当のETHが流出する大規模なセキュリティ事件が発生しており、今回の不正送金は偶然にも6年後の同じ11月27日に起きました。再び大規模な資産流出が発生したことで、韓国の金融当局も事件当日に現場点検へ入り、警察も事実関係の確認に着手しました。

今回の対応で重要なのは、コールドウォレットの保管割合だけを見ることではなく、ホットウォレットに置かれる資産をどのように管理し、異常な送金をどの段階で検知・遮断できるかという点です。大部分をオフラインで保管していても、日常的な入出金を担うオンライン環境への対策が弱ければ、そこから大きな損失が発生する可能性があります。

取引所のセキュリティを考える際には、ホットとコールドの保管比率に加え、異常検知、出金承認、鍵や署名権限の分散、事故発生後の資産移動や利用者への補償といった運用全体を見る必要があります。


コールドウォレットだけで安全性は決まらない

暗号資産取引所にとって、ホットウォレットによる迅速な入出金と、コールドウォレットによる資産隔離はそれぞれ異なる役割を持っています。資産の多くをオフライン環境に移すことでオンライン攻撃への露出を減らせますが、取引所としてサービスを運営する以上、一定のオンライン処理は必要になります。

鍵管理の面でも、複数の主体で署名権限を管理するMPC(マルチパーティ計算)や、鍵を保護するHSM(ハードウェアセキュリティモジュール)、ネットワークから切り離した環境での署名など、さまざまな方式が利用されています。重要なのは特定の技術を導入しているかという一点より、それらを組み合わせて単一の障害や権限侵害から資産を守れる運用体制を構築できているかです。

Upbitの事件は、コールドウォレットによる資産隔離の役割を示すと同時に、取引所の安全性がウォレットの名称や保管比率だけでは判断できないことも示しています。利用者にとっては、資産の保管方法に加え、事故時の補償方針やセキュリティ体制、異常発生時の対応まで含めて取引所を見ることが重要になります。

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