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Coinbaseがポケモンカード収集へ 実物保管型サービスが暗号資産取引所に広がる

サムネ


スマホでのパック開封を実物カードにつなぐ

米暗号資産取引所のCoinbase(コインベース)は2026年9月28日(米国時間)、スマートフォン上でカードパックを開封し、引き当てたカードに対応する実物を保管または配送できるサービスを公式Xで予告しました。添付画像には「POKÉMON」と記されたパックが登場し、暗号資産の売買を主力としてきた同社が、実物の収集品にも接点を広げる方向を示しています。

投稿によると、開封結果はすべて実物カードに裏付けられ、利用者は保管庫に預けるか、発送を受けるかを選べます。提供時期は「近日公開」と案内されており、デジタル上でカードを獲得する体験と、現物を手元に置く収集行動をつなぐ構想です。

この予告を事業面から見ると、カードの開封機能に加えて、獲得後の現物管理をサービスに組み込む点が重要になります。GameStopやCourtyardなどの先行例では、保管中のカードをオンラインで売却・移転する仕組みも提供されており、カード収集を支えるサービスは、購入から保管、流通までを担う形へ展開しています。


カード需要の拡大が保管・流通サービスを後押し

カード市場では、商品の販売に加え、収集したカードを管理する周辺サービスも事業の対象になっています。日本玩具協会が2026年6月22日に公表した調査によると、2025年度の国内「カードゲーム・トレーディングカード」市場は、希望小売価格ベースで3,384億円に達しました。同協会は、ポケモンカードゲームの売上増加や、デュエル・マスターズTCG、遊戯王OCGの伸長が市場拡大に寄与したと説明しています。国内の商品市場を示す数字ですが、カード需要の広がりを捉える指標の一つになります。

米国では、ゲーム小売りのGameStopが2026年4月15日に「Power Packs」を一般公開しました。デジタルパックからPSA鑑定済みの実物カードを獲得でき、カードはPSA Vaultで保管されます。公開時のパック価格は25ドルから2,500ドルで、ポケモンやスポーツカードを対象に、保管の継続、発送、即時買い取りを選べる仕組みを整えました。開封後にカードを手放す場合もオンラインで手続きできるため、購入と売却を一つのサービス内でつないでいます。

Courtyardも、鑑定済みカードを保管し、オンラインで売買・移転できるサービスを提供しています。同社の技術資料では、NFTと実物資産を一対一で対応させる構造が説明されており、利用者は保有するデジタル上のカードに対応した現物の配送を依頼できます。こうした仕組みでは、取引のたびにカードを梱包・発送する手間を省けるため、現物を保管施設に置いたままコレクションを入れ替え、手元に置きたいカードを取り寄せる使い方が可能になります。


「Everything Exchange」が金融資産から収集品へ

Coinbaseの予告は、取扱領域を広げる同社の「Everything Exchange」構想とも重なります。2025年12月17日の公式ブログでは、暗号資産に加えて株式、ETF、先物、予測市場などを同じプラットフォームで扱い、複数の資産を一つのアプリや口座で管理できる環境を整える方針を示しました。ポケモンカードを扱う構想は、その対象が実物の収集品にも向かう動きと捉えられます。

既存利用者にとっては、暗号資産の取引で接してきたCoinbaseが、カード収集の入口にもなる可能性があります。パックを開け、獲得したカードをコレクションに加える行動は、金融資産の売買とは利用目的が異なるため、同社が利用者と接する場面を広げることにもつながります。先行サービスが築いてきた保管型のモデルに、暗号資産取引所の利用者との接点を加えられる点が、Coinbaseの参入を事業面で見る際の意味です。


開封後の使いやすさが競争の焦点に

先行サービスでは、カードを獲得した後の選択肢を支える情報も提供されています。GameStopは購入前にカードの推定価値帯ごとの出現確率を表示し、価値の推定にはCard Ladderの売買データを利用すると説明しています。Courtyardは保管中のカードへの保険や配送手続きを案内しており、利用者は開封体験に加え、保管の条件や実物を受け取るまでの費用を踏まえてサービスを比較できます。

これらの事例から、実物カードを扱うデジタルサービスの競争は、開封演出とともに、獲得後の管理や取引のしやすさを含めて進むと考えられます。配送の手間を抑えられる一方、現物を事業者に預ける仕組みであるため、画面上の記録とカードの対応関係、保管体制への信頼が継続利用に関わります。

Coinbaseの構想が収集品の領域に定着するかは、パックを開けた後も利用者がカードを保有し続けたくなるサービスを築けるかにかかっています。暗号資産取引で築いた接点を、収集と実物管理へどうつなぐのか。開封の入口から継続的なコレクション管理へ利用が広がるかが、「Everything Exchange」の事業範囲を見極める焦点となりそうです。


公式発表:Coinbase 公式X

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