WEB3業界動向

マイナウォレット、JPYCと円の交換手続きを集約 決済実証と並行して利用環境を整備

サムネ


JPYC EXとの連携でアプリ間の往復を削減

マイナウォレット株式会社は10月6日、デジタル資産ウォレットアプリ「マイナウォレット」で、JPYC株式会社の発行・償還サービス「JPYC EX」との連携機能の提供を開始したと発表しました。利用者はJPYC EXのアカウントを連携することで、JPYCの発行予約から受け取り、日本円への償還予約と必要なJPYCの送金までを、アプリ内で進められます。

従来はJPYC EXに別途ログインして予約を行い、ウォレットに戻って受取確認や送金をする必要がありました。この往復を減らす新機能は、iOS・Android版のバージョン1.2.2以上で利用できます。事前にJPYC EXでのアカウント登録、本人確認、出金口座の登録を済ませる必要があり、登録後の日常的な発行・償還操作を簡略化する仕組みです。


予約情報と送金操作をつなぎ、入力負担を軽減

JPYCは日本円と1対1で価値が連動するように設計された電子決済手段です。JPYC EXでは、利用者が発行予約後に日本円を銀行振込で入金し、ウォレットでJPYCを受け取ります。償還した日本円は登録済みの銀行口座で受け取るため、利用者は銀行口座とブロックチェーン上の資産を行き来することになります。今回の連携は、その交換手続きとウォレット操作を接続するものです。

アカウント連携時には、アプリ内ブラウザにJPYC EXの認証画面を表示し、ウォレットアドレスの登録まで進められます。連携後は手続きのたびのログインやアドレスの手入力が省かれ、償還予約の金額も送金画面に自動反映されます。認証・申込みはJPYC EXの画面で行い、受取確認や送金はウォレット側で進める構成で、審査、追加認証、申込みの受付・確定はJPYC株式会社が担当します。

入力作業とともに、送金手数料を準備する負担にも対応しています。マイナウォレットはERC-4337に基づくスマートアカウントを採用し、償還時の送金ガス代を同社が負担するとしています。ただし、Ethereumの利用や送信回数などの条件によって手数料が発生する場合があります。パスキー認証も採用しており、シードフレーズを控えるといった管理作業を省きながら、利用者が自ら資産を管理する仕組みを提供しています。


共通APIの展開と実店舗での検証が進む

この接続を支える「JPYC EX連携API」は、JPYCが2026年7月13日に提供開始を発表しました。シンプレクスが開発・実装を支援し、アカウント連携、ウォレットアドレスの登録補助、手続き後のステータス連携などに対応しています。導入事例にはHashPort Walletとの連携が挙げられており、マイナウォレットへの実装も、各社のウォレットから共通の発行・償還基盤へ接続する動きに位置付けられます。

一方、JPYCを使う場面の開拓では、決済事業者との実証が先行しています。JCB、デジタルガレージ、りそなホールディングスは2月19日、マイナウォレットと連携し、同月24日から3月2日まで東京都渋谷区の飲食店でステーブルコイン決済の実証を行うと発表しました。マイナウォレットによるPolygon上のJPYC決済などを対象に、店舗が最終的に日本円で売上を受け取るモデルを想定し、支払いから決済後の業務までを検証する計画でした。

自治体による実証支援も広がっています。大阪府は8月26日、先駆的金融市場等形成支援事業で4件を採択したと公表し、このうち3件がステーブルコイン決済に関する事業でした。マイナウォレットも採択され、府内の商業施設などでの円建て・米ドル建てステーブルコイン決済に加え、公的個人認証によるなりすまし防止を検証するとしています。店舗での決済受入れと利用者の本人確認が、並行して検証されている状況です。


決済の前後まで含めた使いやすさが焦点に

こうした経緯を踏まえると、今回の連携は、店舗での支払いを検証してきた取り組みに、利用前のJPYC取得と利用後の日本円への払い戻しを接続する整備と捉えられます。決済手段として継続的に利用するには、支払う場面に加え、必要な金額を入手し、残額を戻せる手順の分かりやすさも重要になります。発行・償還を普段使うウォレットから進められることに、この機能追加の意味があります。

マイナウォレットは今後、店舗決済や自治体・地域サービスとの連携先を拡大し、ミニアプリ基盤や組み込みウォレット機能を通じた外部サービスとの接続も目指す方針です。次の注目点は、実証で検証してきた決済が、継続的に使える店舗やサービスへどう展開されるかです。取得・払い戻しの操作改善と利用先の拡充が結び付けば、JPYCを日常の支払いに選びやすくなる可能性があります。


公式発表:マイナウォレット PR TIMES

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