WEB3業界動向

UPBOND、JPYC貸付をUSDC運用につなぐ新サービス 貸借料は年率3〜4%


紹介経由で事前登録、10月19日に提供開始へ

株式会社UPBONDは10月5日、日本円建てステーブルコイン「JPYC」を同社に貸し出し、貸借料を受け取る「JPYC Lending」の事前登録を開始したと発表しました。紹介リンクまたは紹介コードを持つ利用者を対象に受け付け、10月19日のサービス提供開始を予定しています。利用には、JPYC株式会社が運営する発行・償還サービス「JPYC EX」での本人確認完了とアカウント連携が必要です。

事前登録ではUPBOND Walletのアカウント作成とパスキー設定を済ませ、提供開始後にJPYC EXとの連携や貸出申込へ進みます。通常の貸借料率は年率3%で、10月19日から12月31日までは、紹介経由で登録し連携を完了した利用者に年率4%を適用します。事前登録者にはキャンペーン終了後も年率4%を適用するとしていますが、料率は規約に基づいて変更される場合があります。貸借料は所定の方法で計算され、毎月、貸出残高へ加算されます。


JPYC レンディング


ウォレット接続の整備から、取得したJPYCの活用へ

JPYC株式会社は2025年10月27日にJPYCの発行とJPYC EXの提供を開始し、2026年9月18日時点で累計発行額が100億円を突破したと発表しています。こうした利用基盤の拡大に続き、UPBONDは9月28日、JPYC EXのウォレット接続先にUPBOND Walletが追加されたと発表しました。Google、LINE、メールによるログインとパスキー設定を通じ、発行・償還の手続き中に受取用ウォレットを作成できる対応です。

JPYC Lendingは、この接続環境を使って準備したJPYCを貸付につなぎます。ウォレットの準備からJPYCの取得までの入口を整え、その先に貸借料を受け取る用途を組み込む展開と捉えられます。発行・償還へのアクセスと貸付サービスが接続することで、利用者にとってはJPYCを取得した後の活用方法が広がります。


JPYC レンディング


イオレとの協業を背景に、円建ての貸付を米ドル建てで運用

運用先は、東証グロース上場の株式会社イオレが展開する暗号資産レンディングサービス「らくらくちょコイン」です。イオレは2025年10月14日、UPBONDを暗号資産金融事業の開発パートナーとする業務提携を発表し、UPBONDの代表取締役を含むメンバーが事業開発プロジェクトへ継続的に参画する体制を示していました。JPYC Lendingでは、この協業関係を背景に、UPBONDが利用者との契約を担い、イオレのサービスを運用先に据えています。

らくらくちょコインは2026年1月28日に正式提供を開始し、5月18日にUSDCの取り扱いを追加しました。追加時に一般利用者向けに提示した貸借料率は年率10%ですが、JPYC Lendingの利用者にはUPBONDが定める年率3〜4%が適用されます。両者の料率は、それぞれのサービスにおける契約条件として区別する必要があります。

この仕組みを理解するうえで重要なのが、利用者との契約通貨と運用通貨の違いです。UPBONDは借り受けたJPYCを米ドル建てステーブルコイン「USDC」へ交換して運用し、貸借料と返還はJPYCで行います。そのため、円と米ドルの為替変動による損失が同社の返還能力に影響する可能性があり、利用者への円建ての支払いを支える資金管理が運営上の焦点となります。


JPYC レンディング


返還申請は30日経過後、日本円への償還まで時間を要する

返還を申請できるのは貸出開始から30日が経過した後です。「即時返還」では、申請がUPBONDに到達した日に個別契約が終了し、翌日から10営業日以内にJPYCが返還されますが、申請月の貸借料は受け取れません。当月末返還を選ぶと、その月の貸借料を含めて翌月1日から10営業日以内に返還されます。日本円を受け取るには、その後に償還手続きが必要で、所定の送付手数料も利用者が負担します。資金を使う予定がある場合は、貸出期間に加え、返還と償還にかかる時間を見込む必要があります。

返還申請の集中やネットワーク障害などによる延期も規約に定められています。借り受けたJPYCの管理・送付にはFireblocksのセキュリティ基盤を採用しますが、返還義務を負うのはUPBONDで、預金保険の対象外です。同社の信用状況や運用損失によって貸出資産や貸借料の一部または全部を受け取れない可能性があるため、資産管理に使う技術と貸付先の返済能力は分けて確認する必要があります。


円建てステーブルコインの貸付、利用条件の違いが鮮明に

国内では、円建てステーブルコインの貸付サービスに先行例があります。SBI VCトレードは2026年7月16日、信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」のレンディング申し込みを開始し、実際の貸出開始日を7月23日としました。当初募集は12週間満期、年率3%で、中途解約は原則として認めない条件です。JPYCとJPYSCは異なる銘柄ですが、円建てステーブルコインを貸付に活用する動きという点では共通しています。

こうした先行例と比べると、JPYC Lendingはウォレットと発行・償還サービスの連携を入口に、30日経過後の返還申請に対応する点に違いがあります。選択肢が増えるにつれ、利用者には提示料率と資金を回収できる時期を併せて比較する視点が求められます。10月19日の提供開始後は、JPYCの取得から貸付、返還、償還までを円滑につなげられるかが、継続利用に向けた注目点となります。


公式発表:UPBOND PR TIMES

Web3JPYCLendingUPBONDJPYCJPYCEXステーブルコインらくらくちょコイン

このニュースをシェア

コメント

0件のコメント
コメントがありません。