
法人名義口座で支払い、暗号資産は個人口座へ
SBI VCトレードとアプラスは2026年10月1日、法人・団体の代表者や個人事業主向けに「SBI VISAクリプトカードBIZ」と「SBI VISAクリプトカード ゴールドBIZ」の発行を開始したと発表しました。事業費のカード決済で貯まるポイントを暗号資産へ自動交換する商品で、同年5月に登場した個人向けカードに事業用の選択肢が加わります。
申込時にビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、エックスアールピー(XRP)から1銘柄を選び、利用額に応じたポイントが月1回、交換手数料無料で暗号資産へ交換されます。通常還元率はスタンダードが0.5%、ゴールドが1.0%で、リボルビング払いの場合はそれぞれ0.3パーセントポイント上乗せされます。
事業用としての設計を理解するうえで重要なのが、支払いと還元の受け取りに使う口座の関係です。法人・団体の代表者は法人・団体名義、個人事業主は本人名義の銀行口座を支払口座に設定する一方、カードは代表者や事業主との個人契約となります。申込にはVCTRADEサービスの個人口座が必要で、暗号資産もこの口座で受け取るため、法人の経費支払いと代表者個人の資産取得が結び付く仕組みです。
追加カードは最大4枚、利用規模に応じて変わる費用
両カードは、契約者が指定する従業者向けに追加カードを最大4枚発行でき、代表者本人と従業者の支払いを同じ契約の下にまとめられます。スタンダードの年会費は本人会員・追加会員とも初年度無料、次年度以降はそれぞれ1,650円(税込)ですが、追加会員分を含む年間ショッピング利用額が10万円以上の場合は無料になります。ゴールドは本人会員が6,600円(税込)、追加会員が3,300円(税込)で、還元率に加え、利用額や追加カードの枚数によって年間の費用にも差が生じます。
ゴールドの本人会員には、暗号資産やステーブルコインを用いた取引・資産活用について専属担当者が支援する「暗号資産コンシェルジュサービス」が付帯します。両カードはVisaブランドで、Apple PayやGoogle Payに対応し、ETCカードも発行できます。カード発行には所定の審査があり、ETCカードの発行手数料は1,100円(税込)です。
日常の買い物から事業支出へ、先行カードとのつながり
暗号資産をカード利用の還元として受け取る仕組みには、国内での先行事例があります。アプラスは2021年12月、bitFlyerと共同で「bitFlyer クレカ」の提供を開始し、買い物や公共料金の支払いに応じてビットコインが自動で貯まるサービスを導入しました。取引所での購入に加え、普段の支払いを暗号資産の取得につなげる経路を設けたものです。
当時、両社は提供開始からほぼ3日で申込件数が1万件を突破したと発表しており、決済と暗号資産取得を組み合わせた商品は開始直後から反響を集めました。申込件数は発行枚数や継続利用を示す指標とは異なるものの、カードの還元を通じて暗号資産を受け取るサービスへの関心を示しています。
SBI VCトレードとアプラスも、Visaと連携して2026年5月1日に個人向けの「SBI VISAクリプトカード」を発行しました。BTC・ETH・XRPから還元銘柄を選べる仕組みに加え、SBI証券の投資信託クレカ積立との連携も打ち出しています。BIZ版はこうした経緯を踏まえ、暗号資産還元の仕組みに事業用の口座設定と従業者向けカードを組み合わせた展開です。新たな利用場面を設けた点に、個人向けカードからの変化があります。
最大3万1500円相当の特典、継続利用では通常条件が焦点
発行記念キャンペーンは2026年10月1日から11月30日までの申し込みが対象で、12月31日までのカード発行が条件です。入会特典としてスタンダードは1,000円相当、ゴールドは1,500円相当の暗号資産が付与され、2026年10月1日から2027年1月5日までのショッピング利用額に応じた追加還元も設けられています。
追加還元は、スタンダードが50万円以上の利用で5,000円相当、100万円以上で1万円相当、ゴールドが100万円以上で1万5,000円相当、200万円以上で3万円相当です。ゴールドで200万円以上利用した場合、入会特典との合計は最大3万1,500円相当となり、通常還元も別途適用されます。キャンペーン特典は申込時に選んだ暗号資産で、2027年3月末までにVCTRADEサービス口座へ付与される予定です。
期間限定の特典は導入時の訴求点ですが、継続利用では通常還元率と本人・追加会員の年会費を合わせた比較が重要になります。また、受け取った暗号資産の円換算価値は価格変動の影響を受けるため、還元時の金額と保有後の価値を分けて捉える必要があります。BIZ版の登場は、経費決済用カードの選択に、暗号資産で還元を受け取り、保有するという観点を加える動きといえます。
公式発表:SBI VCトレード

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