
ローミーとハチュピンの出会いを描く初の劇場版
フラッグシップオーケストラと韓国のSAMG ENTERTAINMENTは9月18日、劇場アニメ『愛のハチュピン』を2027年3月19日に日本全国で公開すると発表した。日本での配給は東宝東和が担当し、発表に合わせて特報映像とティザービジュアルも公開されている。
本作は、2020年に韓国で放送を開始した3DCGアニメ「キャッチ!ティニピン」シリーズ初の劇場版だ。テレビシリーズの原点にあたる物語として、エモーション王国のプリンセス・ローミーと、心の妖精ハチュピンが運命のパートナーになるまでを描く。公開された特報では、二人の出会いを軸に、プリンス・リアムや大型モンスター、嵐の中を駆け抜ける3DCGアクションなどが映し出された。
劇場公開に向けてムビチケ前売券の販売も始まっており、価格は一般1,700円、小人900円、親子ペア2,500円。全国の上映劇場のほか、メイジャー通販サイトとMOVIE WALKER STOREで取り扱う。
12年ぶりの100万人突破、韓国アニメ市場に残した実績
SAMG ENTERTAINMENTが製作し、キム・スフン氏が監督を務めた『愛のハチュピン』は、2024年8月7日に韓国で公開された。公開41日目に観客100万人を突破した後も動員を伸ばし、累計では124万人に達している。
韓国アニメーション映画が100万人を超えたのは2012年以来、12年ぶりで、同作は韓国製アニメーション映画の歴代興行上位3作品に入った。日本や米国の作品が存在感を示す韓国の劇場アニメ市場において、自国で育ったキャラクターIPがファミリー層を映画館へ呼び込んだ点は、同作の大きな成果といえる。
韓国映画振興委員会は、親子で楽しめる物語や音楽に劇場イベントを組み合わせたことが、幅広い観客との接点につながったと分析している。テレビシリーズの前日譚を映画化した構成も、既存ファンにはローミーとハチュピンの関係を改めてたどる楽しみを与えながら、シリーズを知らない観客には物語の始まりから触れられる間口を生み出した。
日本で積み上げた認知を映画館へつなぐ
「キャッチ!ティニピン」は2022年に日本市場へ進出して以降、テレビ放送と動画配信、玩具販売を並行して展開してきた。2026年9月時点ではテレ東系6局ネットの「アニもり!」などでシーズン4を放送しているほか、公式YouTube、Prime Video、U-NEXTでも配信されている。関連商品は国内で100種類以上が発売され、2026年8月の東京おもちゃショーでは、新作玩具の展示やハチュピンのキャラクターグリーティングも行われた。
こうした複数の接点を通じてシリーズの認知を築いたうえで、今回、日本では初めて劇場公開へ進む。約4年間にわたる放送や商品展開を映画館への来場につなげる段階に入った形であり、ローミーとハチュピンの出会いを描く物語は、既存の視聴者と初めて作品に触れる親子層の双方へ届けやすい題材となる。
ただし、日本は自国アニメの競争力が高く、有力なシリーズが年間を通じて劇場公開される市場でもある。日本映画製作者連盟によると、2025年の邦画興行収入は2,075億6,900万円と市場全体の75.6%を占め、年間興行収入が100億円を超えた国内作品4本のうち3本がアニメだった。劇場アニメへの需要が大きい分、作品の選択肢も多いため、韓国での動員実績に加えて、日本の親子層に作品の魅力をどう伝えるかが興行の行方を左右する。
SABI Pictures第1弾、映画を起点にIP展開を拡大
日本展開を担うフラッグシップオーケストラは、『愛のハチュピン』のマスターライセンス取得に合わせ、新たな映画配給レーベル「SABI Pictures」を設立した。本作は同レーベルの第1弾プロジェクトにあたり、映画のプロモーションと連動したSNS向けコンテンツやポップアップ企画など、劇場外でも作品と接触できる展開を計画している。
製作元のSAMG ENTERTAINMENT、日本事業を支援するSAMG JAPAN、作品提供を担うSABI Pictures、全国配給を担当する東宝東和が役割を分担することで、公開前の認知拡大から劇場公開、その後の商品・イベント展開までをつなぐ体制が整う。映画の興行成績に加え、公開をきっかけに日本でのキャラクターIPをどこまで成長させられるかも重要な焦点となる。
今後は日本版声優やアンバサダーなどが順次発表される予定だ。2027年3月の公開に向け、キャスティングやイベント、関連商品の展開を通じて既存のテレビ視聴者を劇場へ呼び込み、新たな親子層へ作品を広げられるかが注目される。
公式発表:フラッグシップオーケストラ

コメント